2週間の留学がCAを目指すきっかけに
ANAのCA福原由里子さん

幼い頃からの憧れをあきらめず
地道に努力して夢を実現

ANAのCA(客室乗務員)である福原由里子さんは、中学校で初めて英語学習を始めた、いわば普通の日本人女性です。どのように希望する職業に就いたのか、お子さんの英語学習を考える時の参考に、また将来CAを志している人も、参考にしてみてはいかがでしょうか?

 

―――小さい頃から英会話教室に通ったりしていたのですか?

 

いいえ、英語を習い始めたのは、中学1年生の時です。両親が共働きだったので、両親が帰宅する前の空き時間を利用して、ピアノから乗馬まで、小さい頃から習い事はたくさんしていましたが、英会話を習ったことはありませんでした。

もともと、母が英語の電話オペレーターの仕事をしておりまして、自宅でも英語を話す母を見て育ちました。その影響もあって、英語が話せたらかっこいいな、と思っていました。

 

また、小学校5年生の時に両親の転勤で香港に引っ越した友人がおり、彼女とふたりだけで、飛行機に乗る機会がありました。その時担当してくださった客室乗務員の方がお客様と英語で会話していたり、コックピットで管制と英語で通信しているパイロットの姿を見たことも(当時はコックピットに入ることができました)、英語が話せることに対しての、ぼんやりとした憧れに繋がり、英語に対する興味が沸いてきました。

 

ただ、そのような家庭環境や経験を経ても、英会話のレッスンを受けたり、英語の絵本に触れたりする機会は全くありませんでした。

 

 

―――中学校の英語の授業で初めて英語学習に取り組まれて、英語はすぐに好きになったのですか?

 

英語を学ぶ機会はなかったものの、航空関係のお仕事に就きたいという憧れがあったので、そのことを英語の先生に早いうちから伝えていました。

しかし、中学1年生の最初のテストで赤点を採ってしまいました。その時、英語担当の先生に「これではCAになれないぞ」と厳しいお言葉を頂きました。希望する生徒数名を集めて、ボランティアとして英語を猛特訓してもらったのがきっかけとなり、英語をたくさん勉強するようになりました。

でも、始めた当初は、ただただテストのために勉強している感じで、英語に対する憧れはあるものの、特別に好きというわけではありませんでした。

 

 

―――ではどんなきっかけで英語が好きになりましたか?

 

実は中学校3年生の時、転機が訪れたんです。

学校には中学3年生の夏休み期間に行く、2週間のホームステイプログラムがありました。渡航先はオーストラリアかニュージーランドのどちらかを選べるものでしたが、そちらには参加せず、一般の旅行会社が開催している2週間のホームステイプログラムを申し込み、海外生活を体験することになりました。

 

最初は母から「同級生同士でまとまってしまって英語を話す機会が減ってしまうかもしれないし、学校以外のプログラムであれば新しいお友達もできるから、こちらで行ってみたら?」と勧められたのがきっかけでした。自分でも「おもしろそうだから行ってみようかな」と思い、参加することにしました。

 

 

―――ホームステイはどの国に行ってどんな過ごし方をしましたか? またその国を選んだ理由は何でしたか?

 

2週間のホームステイ先に選んだのはイギリスでした。当初はイギリス、ロンドン、かっこいい、と漠然としたイメージがあったことと、俳優のヒュー・グラントのファンだったので、どんな場所なのか興味もあり、イギリスを選びました。

 

場所はロンドンから車で40~50分の場所にある、カンタベリー大聖堂が有名な、カンタベリーにあるお宅でした。日中は、夏だけオープンカレッジとして小学生から高校生を受け入れている大学付属の語学学校に通いました。

 

ホストファミリーはとても素敵なご家庭でした。短期留学の学生を各国から受け入れているご家庭で、同じ時期に私の他にもドイツから来ていた同じくらいの年齢の方と、ハンガリーから来ていた小学生が一緒でした。

 

 

―――同じ境遇の留学生がいるなんて、何だか刺激的ですね!

 

はい、でもその時一緒だった2人の留学生は私よりだいぶ英語が話せました。特に年下のハンガリー人の小学生が私の数倍流暢な英語を話しているのを目の当たりにして、自分だけみんなの輪に入れない気持ちになり、最初は絶望的な気分になりました。


また、そのお宅ではアジア人の受け入れは珍しかったようで、いろいろ質問してくださったのですが、当時の私はほとんど英語が話せず、本当にもどかしい思いをしました。


そんな中でも、身振り手振りでしたが、自分のつたない英語が通じた時や聞き取れた時のうれしさから、英語を話す楽しさを知り、もっと周りの人と英語でコミュニケーションがとれるようになりたいと思うようになりました。

 

 

 

―――帰国後、英語に対する興味が増したそうですが、特別な勉強は何かされたのですか?

 

このホームステイから帰国し、はっきりと「将来はCAになりたい」と思うようになりました。

中学1年生の時に赤点を採って以降、英語の先生が毎週特訓してくださっていましたが、帰国後はより勉強に熱が入りました。

チアリーディング部の朝練が始まるのが朝8:00からだったので、英語の先生にはその前の7:30からの30分間ほど、勉強を見てもらいました。さらに、先生がお時間のある時は土日も学校に来てくれて、私たちに英語を教えてくださいました。

また、これ以外にも英会話スクールにも通い始めました。

 

 

―――大学に進学してからはどんな風に英語学習を続けていましたか?

 

ずっと続けていた英会話スクールは、大学2年生になるまで通っていました。

大学ではコミュニケーション学を専攻していたのですが、大学には英会話講座があったので、大学2年からその講座を受けて英語を勉強しました。

 

 

―――大学時代、留学はしましたか?

 

交換留学制度はあったのですが、参加できる人数が少なく、コミュニケーション学が受講できる学校が少なかったため、ゼミの先生に相談したところ、先生の知り合いがいらっしゃるアメリカのカリフォルニア州立大学スタニスラウス校を紹介していただきました。

この大学はコミュニケーション学がとても有名で、良い先生もいらっしゃって、何より日本ではあまり知られていないコミュニケーション学ですので、より専門的な内容が学べるため、大学3年生の時に、スタニスラウス校への留学を決意しました。

 

 

―――実際の留学生活の勉強にはついていけましたか? みなさん英語の辞書片手に猛勉強するようですが。

 

専門用語は日本で勉強していたので苦労はしませんでした。でも、日本の大学に比べてとにかく日々の課題が多く、わからない単語も沢山あって、調べながら何とかこなす日々が続きました。ですから最初の頃は課題をこなすだけで精いっぱいで、夜遅くまで図書館で勉強したり毎日睡眠時間がほとんどない状態が続きました。

 

評価は筆記とプレゼンテーション、ディスカッションなど多面的に行われました。テストの難易度は日本ほどではないものの、私が一番困ったのは、成績表の中の「積極性」という項目が10点満点中3点~4点だったことです。これはどれだけ積極的に授業中に挙手して発言できたか、どれだけ積極性を持って参加したのかというもの。日本の成績表はテストの点数に加え、プレゼンテーション程度だったので、その違いに戸惑いました。

 

日本なら授業中に発言を求められても「絶対合ってるけど、恥ずかしいから」と言って手を挙げないですよね? でもアメリカの大学では、わからなくてもとりあえずみんなが手を挙げていました。そして、指されたら「その答えはちょっとよくわからない」という返答することもあるくらい、発言しやすい雰囲気があるんです(笑)。

その雰囲気はすごくいいな、と思ったので、帰国後の授業では、一番に手を挙げて、積極的に発言するようになりました。

仲良しの友達と

 

 

―――異国の地で勉強するだけでも大変だと思うのですが、生活面での文化の違いで大変な思いをしたのではないですか?

 

そうですね、いろいろありました。学校の寮に入寮して、フランス人とアメリカ人、私でルームシェアをしていました。

 

ルームメイトは文化が違うこともあって、文化の違いがけんかの原因になることが多かったです(笑)。 例えば、私は湿ったバスマットをじめじめした場所に置いたままにするのが嫌で、毎日学校に行く前に寮の入り口の外の手すりに掛けて干していました。でも帰宅すると部屋の中にあるので、「なんでだろう?」と思っていたらある日、「ねえ、外に干さないでよ」とアメリカ人のルームメイトに言われ、「カビ生えちゃうよ」と言ったら、「アメリカは乾燥機の文化。外に干すなんて、貧乏っぽくて嫌」と言われ、「干しちゃいけないんだ~」と文化の違いを実感しました。

 

 

―――地域によっては外に干してはいけないこともありますから、些細なことですが日本とは根本的に考え方は違いますよね。彼女たちから学んだことはありましたか?

 

日本にいると、ほぼ同じ価値観を基本に皆が共有していて、あまり言葉にしなくても、暗黙の了解だったり、あ・うんの呼吸を求めたりすることが多いように思います。

一方、彼らのコミュニケーションスタイルは違います。思っていることを素直に言ってくれます。私はそれまで周りの人に対してあまり意見を言えないタイプだったのですが、彼らのコミュニケーションスタイルの良いところを学ぶことができました。

留学する前はとても引っ込み思案な性格で、誰かの些細なひとことを考えすぎたりしていましたが、帰国後はいい意味で大雑把というか、オープンマインドな性格になれたと思います。

 

 

―――帰国後、語学力は上がっていましたか? また、現在の英語力の維持方法を教えてください

 

TOEICは700点だったのが880点に上がり、日常会話程度であれば、不自由なく意思を伝えられるようになりました。映画を観る時も、字幕なしで大体の内容を理解できるようになり、リスニング力も上がったと思います。

 

最初は英会話スクールに通っていましたが、通学が難しくなったので、語学力維持にはオンライン英会話を活用し始めました。予約がしやすく、海外にいてもレッスンしたい時にすぐ申し込めるので便利です。 また外国人のお客様に積極的に話しかけたり、渡航先でホテルの人など現地の人となるべく会話したりするようにしています。

この他には、今でも留学していた時の友だちとは英語で連絡できるように、SNSやメッセージアプリなどで積極的にコミュニケーションを取るようにしています。

 

 

―――TOEICは今も受験していますか?

 

はい、会社のルールで、年に1度は受験しています。自分の目指したいキャリアパスを歩むためにも、日々の積み重ねを大切に英語力の向上に努めたいです。

 

 

―――最後に、お仕事やプライベートで英語が話せて良かった、と思うことは何ですか?

 

仕事の面においては、お客様や外国籍クルーと会話の幅が広がったと感じています。この他には海外に行った際に、レストランやショッピングセンターなどで、ストレスなく希望を伝えられた時も、英語を勉強しておいて良かったと感じます。

ルームメイトと一緒に寮で撮影しました

 

 

取材協力/全日本空輸 

写真・取材・構成/天野里美(編集部)


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