世界で通用する大学入試、入学資格
『国際バカロレア資格』って?

構成・文/甲斐真理愛(編集部)

『国際バカロレア資格』って知っていますか? 最近、注目を集めつつある“世界で通用する大学の入試を受ける資格、または入学資格”のことで、スイスに本部がある『国際バカロレア機構』が定めた教育課程を経て修了試験に合格すると取得できるそう。ちなみに、バカロレアはフランス語で“卒業認定”という意味で、フランスではバカロレアを取得すると、原則、国内のどの大学にも入学できるとか!

現在、バカロレアを取得して入試、入学できる学校(認定校)は世界に約3600校、日本には26校あって、文部科学省は「2018年までに国内に200の認定校をつくる」と明言、バカロレアを推進しています。ただ、国内でバカロレアを取得できる高校は『立命館宇治高校』をはじめ5校しかないのが現状で、日本ではそれほど浸透していないよう。確かに、世界で通用する大学入試、入学資格といわれてもピンとこないですよね…。そこで、世間的にまだまだ馴染みのうすい『国際バカロレア資格』について調べてみました。

■文部科学省が推進する理由は?
グローバル化が叫ばれる今、日本の教育機関は「国際競争の中で生き抜ける人材の育成」を大きな課題としていて、それを実現するために推進されているみたいです。バカロレアの基本的な理念は、学力だけではなく、人間性の成長を重視した“全人教育”で、文科省のHPには「バカロレア教育が目指す人物像」が記載されています。その内容は、探求する人、コミュニケーションができる人、信念がある人、心を開く人、挑戦する人…など、10項目。確かに、世界を股にかけて活躍しそうな人物像ですよね。

■授業内容は?
授業は原則英語やフランス語、スペイン語で行われ、その履修内容も国際基準。グループディスカッションで物事の考え方を学ぶ『TOK』や「経済学/東京のコンビニ業界の市場構成について」など、学んでいる科目に関連したテーマについて、自分で調査・研究を行い、学術論文を作成する『EE』など、日本の学校ではあまり取り入れられないプログラムが満載です。学校によってバカロレア取得を目指した授業を受ける期間はまちまちですが、東京にあるバカロレア認定校『玉川学園』では、1年生時には普通の授業を、2年生と3年生時にバカロレア専門の授業を受け、試験や論文の成績などに応じ、入試または入学を希望する大学の入学専攻が受けられるそう。

こんな授業についていけるのは、ごく一部の超優秀な学生だけと思うかもしれませんが、バカロレアの拡大を目指す文科省は、バカロレアの授業全体の3分の2程度を日本語で行うプログラムの導入を検討していて、実現すればバカロレアのハードルがぐっと下がることになりそう。今後、ごく普通の高校で導入される日も近いかもしれませんね。




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