キャリアコンサルタント 小松俊明さん
「英語力で年収に差がつく本当の理由」

人生の武器になる英語力【Chapter.1】

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企業のグローバル化が進み「多くのビジネスパーソンにとって“英語力”が必須スキルになる」と叫ばれる今。実際、生産拠点や支社を海外におく企業は多く、ほとんどの事業を国内で完結できなくなっています。その現状をふまえ、企業は海外でも働くことのできるグローバル人材の育成を急ぐとともに、これから入社してくる社員には高いレベルの英語力を期待しているよう。ただ、英語と縁のない仕事をしていると「別に英語ができなくても仕事できているし……」と、その必要性を実感する機会がありませんよね。
そこでこの企画では、グローバル人材育成の専門家に、企業のグローバル化の現状と英語力の必要性、また現在のビジネススキル+英語力で、どれくらいキャリア&年収アップできるのかを詳しく解説していただきました。

 

取材・文/甲斐真理愛(編集部)

 

英語ができないと“社会の最下層”に転落する可能性も!?

「いくらグローバル化が進んでいるといっても、この先も英語ができないくらいでキャリアに大きな差はつかないでしょ」と考えている人も多いかもしれません。その考えに警鐘をならすのが、長年グローバル人材の育成に尽力してきた小松俊明さん。小松さんは、「今、英語ができるかできないかで年収に何百万円もの差がつく時代になりつつあります。しかも、年収うんぬんの前に、英語ができないと働く場所の確保さえ難しくなってしまうかもしれません」とばっさり。

 

――英語だけでそんなに差がつくんですか!? 外資系企業にでも勤めない限り必要ないと考えていましたが……。

 

これからは日本企業でも英語力は必要になります。最近になって、グローバル化と盛んに言われていますが、実は1960年代頃から日本企業は世界に進出しているし、そのプロジェクトを動かす企業人には高い英語力が求められ続けてきました。ただ、その時代は一部の人間に英語力があれば良かった。しかし今は、どの業種も国内だけで事業を完結するのが難しくなってきています。例えば、海外の工場で商品を生産したり、海外に支社をおいて現地シェアの拡大を目指す企業が多いですよね。すると当然、現地で働く日本人や、国内の事業と海外の事業を橋渡しができる人材がたくさん必要になってくる。なので、企業は国内だけではなく海外でも働ける人材の確保を急務と考えています。また、そのような人材を育成する余裕がない企業は、最初から英語ができる人材や海外からの留学生を採用する傾向にあります。

 

――これからは英語ができないと就職や転職に不利ってことですか!? しかも、収入にも差がついてしまうんですよね?

 

収入に差がつく可能性は高いですね。例えば、英語を話せないし海外の異文化を受け入れる柔軟性も持ち合わせていない。そんな状態のままだと、いつまでたってもグローバル化された企業の事業の深部に携わることはできず、スケールの大きい仕事を任されません。当然、収入アップも見込めないでしょう。ひと言でいうと、年収が上がらないばかりか働く場も確保できず、社会の最下層に転落してしまう可能性もあるんです。一方、グローバルに働けるスキルがあれば、海外スタッフをまとめるマネージャー的な役職を与えられることもあるでしょうし、仕事のスケールも働く場の選択肢も広がる。おのずと収入も上がると思いますよ。

 

世界と日本のグローバル化のギャップ

 

――小松さんが警鐘を鳴らすもうひとつの問題。それは他のアジア諸国に比べ、日本が格段に英語のスキルが低く、異文化(海外)との関わり合いが苦手など“グローバル競争”に遅れてしまっていることです。

 

もともと英語がポピュラーに使われているシンガポールや香港はもちろん、世界的に英語が苦手だと言われていたタイでさえ、大学の授業にインターナショナルプログラムが導入された影響もあり、英語が堪能な人が増えています。また、韓国では学生に英語を徹底的に教え込むので、今の若い韓国の人はほぼ100%英語を熱心に勉強していますよ。

 

――他のアジア諸国とそんなに差がついていたとは! さらに、ビジネスの場ではこんな問題も。

 

外国人に比べ日本人はコミュニケーション能力が低い印象を受けます。例えば、外資系企業の会議などで、日本人は積極的に発言しないし、日本人同士でしか会話をしないことなどがよくあります。それは英語力の問題だけではなく、たとえ英語が堪能でもディスカッションやプレゼンテーションを苦手とする人が多いからです。それで、会議が終わった後に、あーだった、こうだったと日本人同士で言い合っている。そんなことじゃ、世界のビジネスマンと渡り合えません。英語力はもちろん、コミュニケーション能力やディスカッション能力。また、海外の異文化を受け入れる柔軟性がこれからの日本人の課題だと思います。

 

ビジネスに必要な英語力とは?

 

今、日本の会社で評価される英語力の基準はTOEICスコアで730点くらい。これはTOEICの協会が提示しているひとつの基準で、海外赴任をする際に大体の企業が最低要件にしている基準でもあります。また、グローバル企業だと860点くらいを、海外で自由に英語が使えるくらいのスコアだと定めています。

 

――TOEIC730点とは、なかなか壁が高いですね。

 

現状で英語力があまりなくても、英語を学ぶ姿勢のある人を、これからの成長に期待して採用する場合もありますよ。ただ、英語は短期間ですぐ身につくものではありません。今は、オンライン英会話スクールなど、安価で便利な学習ツールがたくさんあります。これからのビジネス界を生き抜くためにも、今から英語の学習に力を入れましょう。英語力があなたのキャリアの可能性を高めてくれるはずです!

 

いかかでしたか? 英語力によって収入アップはもちろん、仕事の幅も選択肢も広がりそうですね。【Chapter2】では、今のビジネススキルに英語力がプラスされると、どの程度キャリア&年収アップするのか、実在するビジネスパーソン4人をモデルに解説します!

 

■プロフィール
小松俊明(こまつ・としあき)
1967年生まれ。東京海洋大学特任教授(グローバル人材育成)。  慶應義塾大学法学部を卒業後、住友商事株式会社に入社し貿易を担当。退社後はマレーシアで出版社を起業。帰国後、外資系ヘッドハンティング会社、ハドソンに入社。2008年、グローバル企業の人材育成と採用支援を行うリクルーターズ株式会社を設立。自己啓発やキャリアに関する著書が多数あり、代表作は『デキる上司は定時に帰る』『一流になれる時間術』『人材紹介の仕事がよくわかる本』等。グローバル人材の育成がライフワーク!

●グローバルキャリア小松俊明ホームページ http://www.tkomatsu.net

 

 


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