職業別・ピジネスパーソンのキャリア解析

人生の武器になる英語力【Chapter.2】

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イラスト/和田鈴香(編集部) 取材・文/甲斐真理愛(編集部)

 

今のビジネススキルに英語力がプラスされると、どの程度キャリア&年収アップするのか、また、どんな転身の道があるのかが分かれば、英語学習のモチベーションも上がりますよね!【Chapter.1】では、グローバルキャリアコンサルタントの小松俊明先生に企業のグローバル化の現状と英語力の必要性についてお話いただききました。【Chapter.2】では、実在するビジネスパーソン4人をモデルに、キャリア&年収アップの可能性について解析していただきます!

 

英語力でここまでキャリア&年収アップ!

【モデル1】大手電機メーカー勤務(27歳)の場合

 

■プラス英語力でこんなキャリアアップ・転身

⇒クライアントの優良外資系企業にひきぬかれる!

「この方は外資系企業向けに光学機器の販売をしていて、仕事の成績が非常にいい。なので、顧客リストには優良な外資系企業が並んでいるでしょう。そんな企業のクライアントと日頃から信頼関係を築いておけば、その企業に転職できる可能性があります。例えば、外国人の役職の方と英語で商談ができたりすると、「この人、できるな」と思われて、評価と信頼を得やすい。後々、「うちにきてくれない?」とひきぬきにあうかもしれません。そういうことは、実際よくある話です。お客さん側の外資系企業に転職をするチャンスが訪れたら現在のTOEIC®スコア450点を600点くらいに上げておくと、英語力の裏付けになるはずです」(小松さん・以下、同)

 

■年収はこんなにアップ

⇒2~3年後に年収1.5倍!

「外資系企業の年収の査定は年齢など関係なく、仕事の能力が全てです。この方の能力で外資系企業に転職すると、おそらく年収は500万円後半スタートになりそうです。さらに、入社後2~3年で後輩を育成するマネージャーやチームリーダーなどの役職を任されると思いますよ。そうすると、32歳くらいで年収は600万円~700万円程度に上がる。そのままキャリアを積み、30代後半になると800万円くらいはもらえるのではないでしょうか」

 

【モデル2】中堅アパレル会社勤務(28歳)の場合

 

■プラス英語力でこんなキャリアアップ・転身

⇒仕入れや縫製工場の下見など、事業の深部を担う仕事を任される!

アパレル業界は若い人の感覚が大切にされる傾向があります。この方は28歳ですが、そろそろ若い感覚へのジレンマを感じはじめる時期ですよね。なので、ここから仕事のスケールを広げていかなければならない。そこで、今のキャリアに英語力をプラスすると、海外での仕入れや縫製工場の下見など、事業の深部を担う仕事を任される可能性が出てきますよ。

また、コミュニケーション能力と英語力を活かして外資系FMCG(ファーストムービングコンシューマーグッズ)業界に転身すると、よりキャリアの幅が広がりそうです。FMCGとはノートや石鹸など、あらゆる“消費材”を扱う業界のことで、世界中に多くの企業があります。またTOEIC®800点後半などの高い英語力を身につけ、香港やシンガポールなどアジアの英語圏の国で働くと、日本の販促経験をかわれ、マーケティングマネジャーなどにキャリアアップできるかもしれません。

 

■年収はこんなにアップ

⇒年収は100万円程度アップ! 実績次第で3年後には倍増の可能性も

現在のキャリアで外資系のFMCG(消費材業界)に就職すると、年収450万円くらいからスタート。外資系企業は実績が年収に反映されやすいので、3年後に600万くらいにアップする可能性も。

 

【モデル3】 外資系メーカー勤務(27歳)の場合

 

■プラス英語力でこんなキャリアアップ・転身

⇒社内での信頼度アップ! 海外とのネットワークを築けば転職もスムーズ

 

中途半端な英語力やビジネスキルが通用しない、激しい環境に身をおいている方です。一見、順風満帆な道に歩んでいるように見えても、リストラなど不遇の事態に直面する可能性も高 い。今からTOEIC®満点などさらに高い英語力をつけると、社内での信頼性が増すでしょう。 また、いかに海外のビジネスパーソンのネットワークに入っていけるかが、これからのキャリアを左右する勝負の分かれ目となりそうです。例えば、ネットワークを作るために、私なら自費で大事なオフィスがある国に行き、メールだけで繋がっていた人と食事します。そうやって繋がっておけば、今の会社でリストラされても、その人の会社に声をかけてもらえるかもしれないですよ。また、海外のオフィス周辺のマーケットを視察するなどしておけば、社内でも“世界的なマーケティング視野とネットワークを持った人材”として重宝されるはずです。さらに、自分だけのネットワークやビジネス経験を活かし、フリーランスで得意分野のスペシャリストになったり、アナリストになる道も開けそうです。

 

■年収はこんなにアップ

⇒実績次第で30代で1000万円オーバーも!

外資系企業では実績が年収へとダイレクトに反映されることが多いです。社内での評価が上がれば、30代で1000万円オーバーする可能性も大いにあり。自分だけの特別なスキル・ネットワークをブラッシュアップし続けましょう。

 

【モデル4】航空会社勤務(31歳)の場合

 

■プラス英語力でこんな転身

⇒海外の富裕層をターゲットにしたマナー&メイクアップ教室の講師に 

 

人気の高い仕事ですが、CAの9割が若いうちに辞めてしまいます。なので、キャリアのスタートはCAを辞めてから。マナー講師や、メイクアップ講師など、女性のマナーと美に関する仕事に転身する人が多いです。自分の見せ方が上手だったり、他人との快適な雰囲気作りに長けた人が多いですから、講師はぴったりの仕事といえます。そんなCAのスキルに英語力がプラスされると、外国人の生徒も教えることができますよね。海外の富裕層をターゲットにした教室を開けば、かなりの収入が見込めるでしょう。また、国際線を担当していた人だと、様々な国の人と接していたので、英語力やサービス精神はもちろん、異文化を柔軟に受け入れる能力があります。ある国特有のマナーとか、違う習慣みたいなギャップをスッと受け入れることができる。そういう人は、講師として独立するのはもちろん、どんな業界でもその柔軟性を活かしてスムーズに転身できると思いますよ。

 

■年収はこんなにアップ

⇒成功すればかなりの年収に! ミリオネアになった女性も

自分の手腕次第ですが、実際にマナー講師やメイクアップ講師として成功した女性は多くいます。特に、日本女性の細やかな美容技術は海外で定評があり、ターゲットを海外の富裕層に絞ると高い収入が見込めるでしょう。

 

いかかでしたか? やはりこれからのグローバル時代、英語力は必須といえそうです!       【Chapter.3】では、TOEIC®や英語検定など、ビジネスで武器になる『英語資格』について 徹底解説します!

 

■プロフィール
小松俊明(こまつ・としあき)
1967年生まれ。東京海洋大学特任教授(グローバル人材育成)。  慶應義塾大学法学部を卒業後、住友商事株式会社に入社し貿易を担当。退社後はマレーシアで出版社を起業。帰国後、外資系ヘッドハンティング会社、ハドソンに入社。2008年、グローバル企業の人材育成と採用支援を行うリクルーターズ株式会社を設立。自己啓発やキャリアに関する著書が多数あり、代表作は『デキる上司は定時に帰る』『一流になれる時間術』『人材紹介の仕事がよくわかる本』等。グローバル人材の育成がライフワーク!

●グローバルキャリア小松俊明ホームページ http://www.tkomatsu.net

 

 


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