ネイティブにはどう聞こえてる?日本の
トップ経営者の英語プレゼン能力は?

英語力? プレゼン力?

海外向けでもアピールできる?

グローバル人材とひとことに言っても、ビジネスシーンにおいては英語だけ話せればいいってものでもないものです。プレゼン能力もそのうちのひとつ。日本を代表する大企業のトップ経営者はどんな英語のプレゼン能力を持っているのでしょうか。経営能力は高いのはもちろんですが、グローバル人材ならネイティブや諸外国のみなさんにどう聞こえているのか、そこも試されるポイントです。

今回オーストラリア出身で30代後半、東京で外資系金融関係の会社に勤務しているネイティブに、英語力とプレゼンの感想はどうなのか、こっそり感想を聞いてみました。あくまでも彼の個人的な意見ですが、ひとつの意見として、自分のプレゼンに生かしてみてはいかがですか?

花王株式会社社長
澤田 道隆氏

<ネイティブの感想>

英語力:とても強い日本語アクセントがありますが、流暢に話しているのが印象的でした。

プレゼンの印象:強い日本語アクセントが気になるものの、表情も豊かでとても魅力のあるプレゼンをしていると思いました。英語力だけではない人間としてのカリスマ性があり、もっと時間を割いてたくさん話を聞いていたいと感じたプレゼンでした。

 

 

楽天株式会社代表取締役会長兼社長
三木谷浩史氏

<ネイティブの感想>

英語力:彼の英語そのものは流暢で、さすが幼少期を海外で過ごしただけあってネイティブに近い発音ですね。

プレゼンの印象:このプレゼンの内容はとても興味深いと思いました。英語での効率的なコミュニュケーションをしていて、もっと話を聞いていたいと感じさせられました。無駄な話もなく、洗練されているし説得力もあるプレゼンですね。

 

 

 

ソフトバンクグループ株式会社代表取締役社長
孫正義氏

<ネイティブの感想>

英語力:英語のスピーチは流暢ではあるものの日本語アクセントが強いと思いました。

プレゼンの印象:ご自分の話していることを大切に説明しているのは感じるんですが、残念ながら要点以外は何を伝えたいのか伝わってこなかったように感じました。プレゼンの内容の影響かもしれないけど、力強さが足りないような印象がしました。

 

 

 

ソニー株式会社取締役・代表執行役社長兼CEO 
平井一夫氏

<ネイティブの感想>

英語力:三木谷氏よりさらに上をいく、さすがアメリカで過ごしていただけあってネイティブの発音とアクセントでした。

プレゼンの印象:プレゼン能力がとても高く、会話している内容を自らしっかり理解していて、相手にも届けようとしている印象を受けました。ビジネスマン、経営者として理想的な姿だと感じさせられました。とても良い印象だし、平井社長のプレゼンはもっと聞いていたいと思いました。

 

 

トヨタ自動車株式会社代表取締役社長
豊田章男氏

<ネイティブの感想>

英語力:何か原稿を読んでいるような感じで、日本語アクセントがあり流暢さはあまりない印象でした。

プレゼンの印象:あんまり面白くないプレゼンだと思いました。TOYOTAに興味のある人には大切な内容なんだろうけれど、それ以外の人には感心が出にくいように思います。日本を代表する企業なだけに、もう少しプレゼンに積極性と力強さがあるといいのに、と感じました。

 

 

 

任天堂元代表取締役社長
岩田聡氏

<ネイティブの感想>

英語力:何かの読み上げに聞こえるけれど、日本語アクセントは弱くて聞きやすいと感じました。

プレゼンの印象:英語スピーチは流暢だと感じますが、個人的にはプレゼンそのものは興味がなかったせいか、他の人ほどの熱意を感じ取ることができませんでした。恐らく、ゲーム業界やゲームを普段から好む人たちの間では面白い内容のプレゼンなのかも知れませんが……。任天堂のようなとても面白い会社なので、はつらつとしたイメージを感じることができればもっと良かったのに、と思いました。

 

 

 

マイクロソフト社日本法人代表執行役会長
樋口泰行氏

<ネイティブの感想>

英語力:英語という技術で言えば、大変分かりやすく、アクセントも良いと思いました。

プレゼンの印象:とてもクールな印象であまり情熱的な印象もなかったことから、会話の内容に興味関心を持っているのかと思う場面もありました。退屈そうに見えることもあって、プレゼン上手なのか疑問に思う部分もありました。

 

 

 

番外編

今回チェックしていただいたネイティブより提案があった、経営者ではないけれどプレゼンが上手な方をご紹介します。Youtube上のコメントを見るとわかりますが、世界のさまざまな国の人からポジティブなコメントが寄せられています。

幼少期は欧米で過ごしたようで、前出の経営者に比べるとかなり若いですが、世界規模で聞いている人をうならせるプレゼン力、参考にしてみてはどうでしょうか? リンクはありませんので、タイトルで検索してみてくださいね。

 

What is Math About?

Masao Morita at TEDxKyoto 2012

<ネイティブの感想>

英語力:英語はネイティブレベルですね。

プレゼンの印象:英語力よりも魅力なのは彼に自信があって伝える力があることだと思いました。言葉の選択も大切だけど、自信を持って相手に伝えるエネルギーがプレゼンには必要と感じさせる、まさにプレゼンのいい手本だと思います。冗談はちょっと寒いけれど、聴衆のリアクションにもめげずに続けられる部分が日本人らしくなくていいと思いました。

 

 

 

いかがでしたか? 英語でプレゼンする時に何かヒントになったのではないでしょうか?

今回感想を聞いたのはオーストラリア人。欧米に住んでいた経験のある方のスピーチは同じ価値観からかやはり同じような文化背景を持つ人には受け入れられやすい傾向でしたが、また地域が違えば感想や印象も違うことも考えられるでしょう。

英語は流暢に越したことはないですが、必ずしも英語力だけではなく、プレゼンは伝えようとするチカラも大切なのかもしれませんね。

 

 

 

 

ライタープロフィール●Yurika L Fabre

結婚して10年目を迎えたオーストラリア人の夫と、ハーフの子どもたちと都内在住。アメリカ留学やひとり縦断旅、オーストラリアでのワーキングホリデーや大学生生活、仕事を経て学んだ文化や言葉の違いの面白さについて発信している。

 

 

 


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