waitの使い方間違ってるかも! 
相手がプレッシャーに感じる言い方とは

デイビッド・セイン先生が教える

日本人のヘンなビジネス英語

英語が母国語でない相手とやりとりすることも多いから、ビジネスシーンでも使いたいのは、シンプルでわかりやすい簡単な英単語や英語表現ですよね。簡単な英語の中にも、日本人が言ってしまいがちな間違い英語や、表現をちょっと直すだけでスマートなビジネス英語になる表現があるんです。

そんなビジネス英語表現を2週間に1度、人気英会話講師である、デイビッド・セイン先生に教えてもらいます。日本人なら誰でも身に覚えがありそうな、ケアレスミスを減らして、スムーズなビジネスコミュニケーションをしてみましょう。

 

第12回 メール

waitだけが「待つ」じゃない! 同じ「待つ」でも楽しみに待っているのを伝えるには?

 

  イマイチ英語    


I’m waiting for your reply.

お返事を待っていますからね

 

  イチオシ英語  

I’m looking forward to your reply.

お返事を(楽しみに)お待ちしています

 

 

プレーシャーを与えない「待つ」を使おう

 「待つ」というと、waitという単語を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。確かに間違いではないのですが、ではどうして今回取り上げているI’m waiting for your reply.がどうして「イマイチ英語」なのでしょうか?

 実はこれは、「待っていますからね」「絶対に返事くださいね」というようなニュアンスになり、人によってはプレッシャーに感じでしまうため、あまりフレンドリーな言い方とは言えないのです。

 それに比べて、look forward to は「~を楽しみに待つ、~を期待する」という意味なので、とてもポジティブな響きがあります。waitと書きたくなったら、一度「look forward toを使えるんじゃないか?」と思い出してみてください。

 また、look forward toの後に動詞をつづけて、「~することを楽しみしている」という場合は、動詞を-ing形にすることに気をつけましょう。

 

例:I look forward to seeing you tomorrow.

明日、お伺いするのを楽しみにしております

 

 

メールの「結び言葉」

 日本語の場合もそうですが、英語でも全てのビジネスメールの最後に「返事をお待ちしております」とは書きません。日本語では文の最後に「よろしくお願いします」などと書くのがテッパンですが、英語でその役割を担っているのがRegards,Thanks,などの「結びの言葉」です。

 押さえておきたいビジネスに適した結びの言葉をピックアップしてご紹介します。結び言葉の後は、行間を空けずに自分の名前を書きます。

 

Thanks,

Best regards,

Kind regards,

Thanks for all your help,

Sincerely,(←最もフォーマル)

 

 

ビジネスメールを書くときに思い出そう! ふたつのポイント

 今回は「メール編」最後ということで、ビジネスメールで大切なふたつのポイントをお伝えしたいと思います。

 

ポイント1. 親しみやすさを表現することでコミュニケーションが円滑に

 ビジネスメールだからといって、礼儀正しくあることばかりに気を取られてはいないでしょうか。ビジネスは人と人が交流して生まれるものです。いい信頼関係を築くためには、メールの向こうにいる人の温かみ感じられるような、親しみを感じてもらえる一文を添えるのがひとつのいい方法です。以下はその一例です。

 

I hope you had a good weekend.

よい週末を過ごされたことと思います

 

I heard it’s already started snowing over there. Please stay warm.

そちらではもう雪が降っていると聞いております。暖かくしてくださいね

 

ポイント2. 取り返しがつかなくなる前に最後のチェックを

 基本中の基本ですが、送信ボタンを押す前に、自分が書いたメールはもう一度見直しましょう。「メールの目的」が初めのほうにわかりやすく書かれているか、「固有名詞」や「数字」、「動詞の時制」が合っているかなどを確認しましょう。さらに、メールソフトのスペルチェック機能を活用して「スペルチェック」することも忘れずに。スペルミスが多いメールは、かなりマイナスイメージになるので注意しましょう。

 

 

 関連表現 

他にもある、「待つ」の言い回し

「待つ」を使ったさまざまな表現をチェックしましょう。

Just a second.

ちょっと待って

*secondsecと省略して言うこともあります。

 

Hold on.

[電話で]少々お待ちください

 

Give me five more minutes.

あと5分待ってください

 

I hope to hear from you.

お返事をお待ちしております

 

I’m sorry to have kept you waiting.

お待たせしてすみません

 

Pending approval

承認待ち

*書類などで見られる表現。pendingは「未定の、懸案の」という意味です。

 

 

 今回のボキャブラリー 

「担当者」のシーン別表現のいろいろ

ビジネスでは頻出のボキャブラリーですね。「担当者」はperson in charge / person responsibleで、I’ll check with the person in charge.「担当者に確認します」のような言い方ができます。I’m in charge of this project.なら「このプロジェクトを担当しています」となります。また、手紙や文書などに書く、相手の名前がわからない場合の「担当者様へ」はTo whom it may concern:という決まった言い方があります。

 

 

 

構成・文/デイビッド・セイン

 

 

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