話題が本筋から外れている…
「話を本題に戻そう」のネイティブ表現

デイビッド・セイン先生が教える
日本人のヘンなビジネス英語

ビジネスシーンでもある、間違いだらけの日本人英語。ビジネス英語表現を2週間に1度、人気英会話講師である、デイビッド・セイン先生に教えてもらいます。ケアレスミスを減らして、スムーズなビジネスコミュニケーションしてみましょう。

 

第14回 会議

みんなが会議の目的を見失っている…話を戻したい時のフレーズはコレ!

 

 イマイチ英語  Let’s return to the main subject.


話を本題に戻しましょう

 

 イチオシ英語  Let’s get back on track.


話を本題に戻しましょう

 

 

生産性を低下させかねない! 脱線した話の戻し方

 話し合いをしていると、いわゆる「話の脱線」が起こることも多いですよね。「本題からは外れますが…」と断って、意図的に話を脱線させることもあれば、知らず知らずのうちに話が逸れてしまっていることもあります。あるアンケートによると、約10%の会社員が会議の効率が悪いと感じる理由に「話が脱線しやすい」ことを挙げています。次に多かったのが「独演会になることが多い」、その次が……おっと、話を元に戻しましょう。

 今回の「ミーティングの英語」で取り上げたいのが、話が脇道に逸れて「このままではまずい」と思った時のこの「本題に戻りましょう」という声かけです。

 まず、「イマイチ英語」としているLet’s return to the main subject.ですが、本当のことを言うとそれほど「イマイチ」ではありません。return to ...「…に戻る」とthe main subject「本題」を使っている文字通りの表現で、こちらもよく使われます。では、それ以上におすすめしたいLet’s get back on track.とはどういった表現なのか、解説していきたいと思います。

 

 

日本語も英語も発想は同じ!決められたレールに戻るイメージで

 get back on track「話を本筋に戻す」はぜひひとつの慣用表現として丸暗記して欲しいフレーズです。逆に言うと、覚えてないと口から出てはこないので、使えるとかなりこなれた感じに聞こえます。get backには「戻る、返ってくる」、trackには「線路、進路」の意味があるので、「(正しい)軌道に戻る」→「話を本筋に戻す」となるわけです。なお、get back on topicも同じ意味です。

 前回のget startedもそうですが、多くの日本人学習者はget going「出発する、動き出す」get it done「(仕事などを)終える」などの英語話者が非常によく使うgetを使った表現を使いこなせていないように感じます。get backを使ったI’ll get back to you.もまた「こちらからまたかけ直します」「またご連絡します」という意味のビジネスシーンでは頻出の表現なので、こちらも押さえておくといいでしょう。

 

 

「脱線」はoff track

 「話を元に戻す」の反対、「話が逸れる」もまたtrackを使えばOK。off track/topicと言えます。offには「離れて、外れて」という意味があります。

 以下に、会議で使われるoff track/topicを使った例文を挙げています。

 

I’m sorry, but that seems a little off topic.

すみませんが、それは本題とはあまり関係がないように思われます

 

It seems that we are wandering off the topic.

本題から外れてしまっているようですが

 

 

 関連表現 

話しの流れを変えるのはこのフレーズ!

 「話の流れ」を変えるふたつの状況で使えるフレーズを押さえておきましょう。

 

「少し前に出た話題に戻る」


□ I’m sorry, but can we go back to the previous issue?

申し訳ありませんが、先ほど話し合った件にもう一度戻ってよろしいですか?

 

□ May I add one comment to what Tim said?

ティムさんの発言に補足したいのですが、よろしいですか?

 

 

「人の発言に割り込む」


□ Can I interrupt?

ちょっといいですか?

 

□ Sorry for interrupting. I need to say just one thing.

お話し中のところすみません。ひと言だけ言わせていただけますか?

 

 

 今回のボキャブラリー 

「爆買い」を英語で表すなら?

今年、日本の経済に大きな影響を及ぼし、流行語にもなった「爆買い」を英語で語れるように準備しておきましょう。「爆買い」は、よくshopping spreeと表現されます。この英語は何も新しい言葉ではなく、「気前のいい散財」という意味で元々あったものですが、十分「爆買い」のニュアンスを伝えることができます。「中国人の『爆買い』はちょっと桁違いだね」ならChinese people's shopping sprees are in a different league.のように言えます。be in a different leagueは「レベルが違う」という意味です。

 

構成・文/デイビッド・セイン

 

 

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