5歳児の日本語で考えると
英語は面白いように話せる! 

『簡単な言い換えで、英語力アップ!』

話題の英語学習本の著者を直撃! Vol.2

取材・文/甲斐真理愛 撮影/山川俊行(編集部)

 

話題の英語学習本の著者を直撃するインタビュー第2回に、『英語は5歳児の日本語で考えると面白いように話せる!』著者、奥村美里さんをお迎えしました。今ではTOEIC®980点の英語力をもち、楽しく効果的な学習メソッド“5歳児英語”で、日本人の語学力向上に尽力する奥村さんですが、ご自身が英語を身につけるまでには様々な苦労があったそう。そんな奥村さんに5歳児英語を考えたきっかけと、英語力を身につけるポイントなどをお伺いました。

 

――中高時代まで、英語が得意だと自負していた奥村さん。でも、大学時代に英語力のなさを痛感したとか。

 

もともと英語が好きで自信もあったのですが、大学で受講した英語初級購読という講座の美術史の専門書を訳す課題ができなくて、自信が崩壊しました(笑)。最初の1行目から全く分からなくて「今まで学校で学んできた英語は役に立たない」と、痛感したんですね。中高の教科書は、なにが主語でなにが述語かとか分かりやすいじゃないですか。内容に関しても「ジャックはベティと遊びに行った」みたいな簡単な文ですし。でも、美術史の本は全く馴染みのない英語の専門用語だらけで、どこが主語かさえ分からなかったんです。とにかく、それまで学習してきた英語とレベルが全然違うと思ったことは痛烈に覚えていますね。

 

――そこからどんな学習をしましたか?

 

先生から「英語をそのまま訳すな、サマライズ(要約)しろ」「大体でいいから英文の意味を理解して抽出しなさい。そうしないと大量の英文は処理できない」と指導されました。それでとにかく毎日3時間くらい英語のヒアリングや音読をしたり、100問くらい出題される単語テストの勉強をしたり……。授業についていくため必死に勉強しました。
 
そこである程度の英語力をつけて、アメリカに留学しました。ただ、留学先では、ネイティブや帰国子女と自分の英語を比べて「こんな発音じゃ恥ずかしい、この程度しか話せないなんてバカだと思われる」と考えて、貝みたいに寡黙な人になってしまいました。そのせいもあって、英語がペラペラという程には上達しなかったですね。
 
でもある時、シンガポールで開催される講演会の通訳を依頼されて。自分ではそれほど英語力に自信がありませんでしたから「なんで私が!?」って、びっくり。でも、とにかくやってみようとシンガポールに行きました。

 

――そこで、衝撃的な体験をされたんですよね?

 

シンガポールの人たちがめちゃくちゃな英語を堂々と話していて、その姿に衝撃を受けました。とにかく中国語なまりが強くて早口だし、表現も独特で「できる」のことを「Can、Can(キャン、キャン)」とか言うんですよ。でも、彼らが言いたいことは伝わってくるんですよね、不思議なことに。それまで、スマートな英語を話さなくちゃと思っていた私は「英語ってキレイに話さなくてもいいんだ!」と、目が覚めるような思いでした。
 
日本人はキレイな英語を話そうとして、必要以上に英会話のハードルを高く感じがちです。例えば、TOEIC®のスコアが高くても、英語でコミュニケーションできない人もたくさんいますし。

 

――それって、どうしてですか?

 

難しい言葉をそのまま訳そうとするからです。テンポよく進む会話で「この場合、どうやって訳せばいいかな」と考え込んでしまって、会話できないんですね。なので「この言葉の意味は、要はこう」みたいに、難しい言葉を同じ意味のやさしい言葉に変換して訳すことが英会話のポイントです。5歳児に通じないような難しい言葉は使わないってことですね。
よく「この言い換えで言葉のニュアンスが伝わりますか」と聞かれますが、私は、英会話の初級、中級者がニュアンスにこだわる必要はないと思うんです。まずは、言い換えで簡単に英会話をして場数を踏む。そして、英語力が高くなってから、ニュアンスにこだわればいいと思います。

 

――簡単に変換してOKなら、私でも話せる気がします! では、5歳児英語を考えたきっかけは?

 

たくさん単語を知っているのに英語が話せない人と、全然知らないのにペラペラ話せてしまう人がいて。その違いを考えた時に、「言い換えができるかできないか」ということだと気づいたことです。
 
アメリカで「魚のスズキは英語でなんていうか?」という話しになった時に、要は白身魚なので私は「ホワイトフィッシュ」って答えたんですね。そしたら、みんなに「そんな簡単でいいの?」って驚かれました。でも、アメリカ人って魚をあんまり食べないし、サーモンか白身かくらいの区別しかないので、ホワイトフィッシュで充分なんです。サンマも「saury」って英訳がありますが、その訳でアメリカ人に通じた試しがないんですね。だから最近は「日本の秋の魚」とか言っていて(笑)。だってそうだと思いませんか?

 

――確かに! 簡単な言い換えの方が通じることもあるんですね。

 

そうです。難しい言葉すぎて伝わらないこともありますし。法人のお客さまのプレゼン指導をしている時に、「牙城を崩すって英語でなんて言うんですか?」と聞かれたことがあって、私も分かりませんと(笑)。それで、その言葉で何を伝えたいのか聞いたら、要は「マーケットシェアを奪う」って言いたかったらしいんですよ。それなら、「get their market share」でいいじゃないかと。そうやって、簡単に言い換えをすれば、話せるようになると考えたんです。
 
あとは、“辞書を引かない”ということも5歳児英語のテーマです。とりあえず頭の中に入っている単語でなんでも言えるようにすると。そうやって、簡単な言葉に変換する作業って普段はあまりしないので、5歳児英語のセミナーに参加された方は、けっこうぐったりするみたいです(笑)。普段は使わない脳の部分を使うので。
 
私は『英語で話そう会』というイベントも主催しているんですけど、参加者の方から「私はこのイベントに参加できるレベルではないと思います、迷惑じゃないでしょうか?」というメールがくるんですね。そんな感じで日本人は、他人に迷惑をかけることを極端に嫌うじゃないですか。自分が言葉につまると、他の人の時間を浪費してしまうと考えるわけですね。 また「こんな簡単な言い換えをしたら、相手に失礼じゃないですか?」とかも本当によく聞かれます。日本人は真面目なので、言い方の丁寧さなどを気にし過ぎてしまうんですね。だから最近は「皇室の方としゃべる以外は気にしなくてよし!」って言っているんですけど(笑)。

 

――その例えは、分かりやすいですね!

 

でしょ! 人って、相手と仲良くなる時に共通項を探そうとするじゃないですか、出身が一緒だと親しみがわくとか。それを英語にあてはめると、相手がカジュアルな言葉づかいなのに、こちらばかり丁寧だと「この人ちょっと違う」みたいに思われてしまうわけですよ。だったら、同じようにカジュアルにした方がいいと。あとはよく「英語のビジネスメールは、どうやって書けばいいですか?」とか聞かれますが、そんな時、私は「TTPをするんです」と言っています。

 

――TTP?

 

TTPは「徹底的にパクる」の略です(笑)。とにかく相手に合わせるのが楽ですし一番自然にコミュニケーションできる方法ですから。だから、ビジネスレターの書き方みたいなマニュアル本を買ってくるよりも、メールをくれた相手の表現を徹底的にパクればいいと思います。
 
他には、「発音が悪いので、恥ずかしくて話せません」という方も多いです。私も昔は発音の悪さがコンプレックスでしたけど、ネイティブからすると、日本人独特の発音をすごくセクシーに感じるみたいですよ。例えば、日本語でも京都なまりが、かわいいとかあるじゃないですか。それと一緒なんですよ。だから私は、発音にコンプレックスを感じて話さないなんて、損していたと思いました。普通に話してかわいいなんて最高じゃないですか。


 

――発音や丁寧さにこだわっている場合じゃないですね。どんどん話しにいかないと!

 

本当にそうです。私も英語の表現や発音を「これでいいんだ!」と思えてから、英語力が上がったと感じます。簡単に言い換えたりして、たくさん英語を話してみてくださいね!

 

■プロフィール
奥村美里(おくむら・みさと)
株式会社フェリシオンジャパン代表。専門商社での海外営業や、同時通訳者を経て、同社を設立。『ネイティブ英語環境』『つぶやき英会話』『英語反射神経』『アウトラウド講座』を運営し、2万5000人以上に英語学習アドバイスを行う。現在は、5歳児英語のセミナーや通信講座を中心に活動している。

 

 

●奥村さんのブログ
http://ameblo.jp/nativeeigo/
 
●5歳児英語って何?
http://www.nativeenglish-env.com/fiveeng2month/

 

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