【海外NEWS10】黒人男性射殺事件、
アメリカ人種差別問題から見る英語表現

黒人男性射殺事件、抗議デモに。

オバマ大統領のコメントも

発端となったのは7月6日のルイジアナ州で、翌日にはミネソタ州で相次いで黒人男性が警察官に射殺され、それを同乗していた婚約者が現場の状況を撮影しネットで公開。警察官の暴力行為を多くの市民が目にし、怒りに火がつきました。これらが原因として生じたアメリカ南部テキサス州での抗議デモは、警察官が銃撃され死亡する事件に発展し、新たな悲劇を生みました。死亡した容疑者は白人警官への敵意をあらわにしており、黒人射殺に対する報復の可能性も示唆し、アメリカの社会に根深く残る人種問題が再燃している状況です。黒人が犠牲になるたびに抗議デモが各地で行われているアメリカですが、根底にある人種に対する差別や偏見は社会からなくならず、報復の可能性がある警察官の射殺事件が起きたことで、人種対立が深まる懸念もあります。今回の事件を報じた各メディアで使われている英語表現を見ていきましょう。

覚えておきたい、よく使われる英単語 

今回のニュースで多く使われているVocabularyをいくつか覚えましょう。

black people 「黒人」

African-American 「アフリカ系アメリカ人」

racial discrimination 「人種差別」

protest 「抗議」

suspect 「容疑者」

arrest 「逮捕」

culmination  「頂点」

ex 「元~」

injury「怪我」

 

 

オバマ大統領の声明のusefulフレーズ

NATOサミットでポーランドにいたオバマ大統領が発表したコメントです。さっそくチェックしてみましょう。

出典:BBC 

 

 

"This is not just a black issue. It's not just a Hispanic issue. This is an American issue that we should all care about,"  "All fair-minded people should be concerned."

これは単に黒人の問題ではありません。単にヒスパニックの問題ではありません。これはアメリカ人の問題で、国民全員が気にかけるべき問題です。全ての公正な考えを持った人たちが心配すべきことです。

 

 

just an issue「単なる問題」

issue「問題」は議論されるべき問題や、何か解決できていない問題を指す時に使われる単語です。

<例文>

A : Can you please check that?

それ調べてもらえるかな?

B : Okay, it’s not a big issue.

オッケー、大した問題じゃないよ

 

 

care about「~を気にかける」「注視する」

care「ケア」は何か対象となるものを重要とみなし、手だてや策を立てるといったニュアンスがあります。

<例文>

I don’t care about it.

全然気にしてないよ

 

Are you alright? I really care about you.

大丈夫? あなたのこと本当に気に掛けてるよ(心配してるよ)

 

 

 

またこの記事では以下のように書かれています。

Pointing to statistics showing African-American citizens are far more likely to be shot by police by whites, Mr Obama called on law enforcement to root out internal bias.

統計によると、アフリカ系アメリカ人は白人警察官に撃たれる傾向がかなり多くなっており、オバマ大統領はこの内部の偏見を根絶するため、法律強化の要請をしました。

 

 

more likely to be「~の傾向がより多い、強い」

likely to beは「~のようだ」という意味で、unlikely to be「~ではなさそうだ」という反対の意味の単語もありますが、これにmoreをつけることで比較級となり、「より~のようだ」「より~の傾向が多い(強い)」という意味となります。

<例文>

It’s more likely to be rainy tomorrow. 

明日は雨になる可能性が高そうだ

 

またmoreの代わりにhighlyをつけるとより強調したり確率が高くなるニュアンスとなります。

 

We are highly likely to be going to Kyusyu as a school trip.

修学旅行は九州になる確率がかなり高そうだ

 

 

抗議デモの現場ではどのようなことが起きていたのか

出典:NBC 

 

Hundreds of protesters were arrested across the country and 21 cops injured in Saint Paul, Minnesota, Saturday night as demonstrations continued nationwide over police violence.

土曜日の夜、国中で警察官の暴力に対するデモが行われ、全米で抗議に参加した何百人もの人が逮捕され、21人の警察官がミネソタ州セントポールで怪我をしました。

 

 

hundreds of「何百人もの」

➡こちらはhundredsthousandsに代えると「何千人もの」、millionsに代えると「何百万人もの」というように、人数の規模によって変更することができます。

<例文>

I went to the rock band concert last weekend and there were thousands of people in Tokyo Dome.

先週末ロックバンドのコンサートに行ったら、東京ドームに何千人もの人がいたよ

 

Have you ever played TETRIS before? There are hundreds of ways to win.

テトリスってゲームやったことある? 何百通りの攻略方法があるんだよ

 

 

injured「怪我をした、負傷した」

「怪我をした」や「負傷した」という時は、get + injuredとなります。同じような意味でget + hurtもありますが、こちらは「痛めた」というニュアンスが強くinjuredよりも怪我のレベルが軽い時に使います。

<例文>

A : What happened to you yesterday? You didn’t come to the party.

昨日どうしたの? パーティに来なかったね

B : I fell badly and got injured, so I was in the hospital.

思い切り転んで怪我してさ、病院にいたんだよ

 

 

In Baton Rouge, Louisiana, hundreds of protesters gathered for another day of demonstrations over the fatal shooting of Alton Sterling. Some wore T-shirts that read, "I can't keep calm I have a black son" or "Black Lives Matter."

ルイジアナ州のバトンルージュでは、Alton Sterlin(警察官に射殺された黒人男性)の射殺に対する抗議デモ参加で、何百人もの抗議者が集まった。中には「私は黒人の息子がいるから黙っていられない」や「黒人の命は大事だ」というTシャツを着ている人がいました。

 

gather for「~のために集まる」

Together「一緒に」という意味のToをとると、「集まる」という動詞になります。

<例文>

It’s been 20 years since we graduated from our elementary school. Let’s gather for the reunion.

もう小学校卒業してから20年になるね。同窓会で集まろうよ

 

 

keep calm「落ち着きを保つ」

➡calmは「穏やかな、静かな」という意味で、keepを付けると「落ち着きを保つ」という意味になり、興奮した時は怒りを抑える時などによく使われます。

<例文>

A : I know you are very angry, but please calm down.

あなたが怒ってるのはわかってるけど、落ち着いて

B : I can’t keep calm. I can’t forgive him.

落ち着けないよ。彼は許せない

 

今回、全米で抗議デモが行われ、また報復という形で警察官も犠牲になるという悲しい結果となってしまった今回の問題。1992年にはロサンゼルス暴動があり、こちらも人種差別といった根底にあるアメリカが抱える問題が引き金となりましたが、未だ解決されていないissueのひとつとなっています。

大統領選挙も今年11月と迫っていますが、人種差別問題も焦点のひとつになるかもしれません。

 

 

ライタープロフィールCinnamon Roll

高校で米国へ留学し、外語大で英語を専攻。卒業後に日本のメーカーで海外営業を担当し、その後外資系メーカーでキャリアを積み、現在は語学研修コンサルタントとして活動。これまでの経験を生かし、日常英語に加え、グローバルビジネスでも通用する英語も少しずつ紹介していきます。

 

 

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