履歴書が全てじゃない!!

目指すなら求職上手より退職上手

日本人の知らない海外就職で本当に必要なスキル

「日本人の知らない 海外就職で本当に必要なスキル」では、英国在住20年。イギリス・ロンドンのLEON社のエンゲージメント担当として働く伊勢音亜が、海外就職、外資系企業を目指すあなたに欧州と日本のワーキングカルチャーの違いや、欧州での仕事のつかみ方を伝授します。

 

転職サイトや、志望している会社に直接応募、インターンを通して、またはヘッドハンティングなど仕事の就き方はいろいろあります。

前回選ばれる履歴書の書き方をご紹介いたしましたが履歴書は求職のプロセスのほんの一部。比較的キャリアを重視しないポジションであれば第一選考として必須ですが、ポジションが重大になるにつれ、履歴書の役目も薄れてきます。

そして次の仕事の掴み方よりは、今の仕事の終わらせ方が意外にも大切です。

 

 

退職上手が重要な理由

 

Reference(リファレンス)は、過去に勤めていた会社から転職先へ志願者がどういう社員だったのか等、評価がまとめられたレポートのことです。個人的に手配することも可能ですが、以前の会社と転職先の人事部同士で進められる場合もあります。このリファレンスの内容が悪いと採用されないということもあり、この場合は以前の会社を訴える事が可能なので、内容は良くて当たり前。内容は単に勤めていた期間だけが記されたものもありますし、ワケアリ社員には会社側がリファレンスの作成を断わるケースもあります。

 

以前の会社に電話をして志願者の評判を聞くというリファレンスチェックというものもあります。責任の大きいポジションほど、リファレンスやリファレンスチェックの数も増えます。

 

リファレンスがあれば良いというワケでもなく、優良企業の優秀な人からの推薦なら良いですが、悪評のある会社の人事からの推薦はかえって評価が下がってしまう可能性もあり。

 

転職しながらネットワークを拡大

 

転職とは個人にとっても、また会社にとっても良い人材が循環することが利点です。

社員もライバル社へ転職したり、顧客の会社に移ったりと一見タブーでも、これにより前社の知識や戦略、その他情報を持ってくる事に次の会社は期待します。場合によってはひとりをきっかけに複数が転職してくるなど、ネットワークは良くも悪くも必ず広がります。

反対に今勤めている会社側があなたに○○社へ転職されるのだけは避けたいという場合、良いリファレンスは出してもらえないかもしれません。

 

優秀な社員の多い会社にリクルーターはいらない

 

常にポジションが空いている会社、リクルートメント社に常に載っている会社は、明らかに人材を調達またはキープできていない証拠です。

人気のある会社には常に次の候補がスタンバイしています。

そして素晴らしい会社には優秀な人材が集まっていて、他社の優秀な人材と繋がっているものです。全社員が有力なリクルーターになっている会社にプロのヘッドハンターは出番がありません。

退職をしても、前の会社と次の会社を繋げられる優秀な人材。

良い仕事をして、どうもありがとう、頑張ってねと次の会社へ見送られ、その翌月にはちゃっかり前の会社の飲み会に参加する……こういう人はとても重宝されています。

 

 

夢の仕事に就く方法はひとつじゃない

 

リクルーターを通したり、オンラインで応募するなど求職の方法は海外でも日本と同じです。

ただし海外ではこのプロセスのコツを学ぶより、周りに喜ばれる人材になることが一番てっとりばやく、確実に成功へと導く道が広がります。求職をする前にオファーが殺到します!

憧れの企業や業種には採用条件を揃えてオーソドックスに応募という手もありますが、それよりも

”Get a foot in the door”(ドアに足を入れるという直訳ですが、もぐりこむという意味です)。

とにかくそこの会社にどんな手を使ってでも入ってしまいましょう。オフィス周りをうろつくのもいいし、そこの社員に人気のコーヒーショップやランチ場所に通うのでもよし。レジ前に並んでいるときに見知らぬ人との会話なんていう日常に、案外キャリアの鍵は潜んでいるものです。

多くの企業では常に優秀な人材の募集方法が見直されています。プロトコルがどんどん破られている間に、クリエイティブに求職してみてください。

 

 

伊勢 音亜(いせ・おとあ)

英国在住暦22年。社会人暦10年。元コンサルタントの英国人起業家に付き添いVC、スタートアップ、飲食業界、ブランディングなど幅広い業界にて幅広い経験を持つ。現在はロンドン、LEON社にてエンゲージメント、ブランドコミュニケーション、社内報の編集を担当。

「人を動かす英語術」紹介しているブログもチェック→  http://ameblo.jp/otoa-ise/

 


おすすめ記事