紀伊國屋書店新宿本店スタッフが推薦!
英文多読学習にピッタリの子供むけ洋書

ストーリーを楽しみながら英語力アップ!

取材・文/甲斐真理愛 撮影/間宵ひろみ(共に編集部)

 

効果的な英語の学習法として、洋書や英字新聞を大量に読む“多読法”があります。多読学習のポイントは、分からない英文がでてきても辞書を引かず、理解できる部分だけで大まかな内容を理解しながらとにかく大量に読み進めこと。多読することで文法のパターンを自然と理解できたり、どんなシーンでどんな英語表現が使われるのか反射的にパッと思い浮かべられるようになるそうです。

 

多読法は、多くの英語教師がすすめる効果的な学習法ですが、英語力が低い人にとって英文でびっしり埋め尽くされた洋書はハードルが高いですし、ページを開いただけで「こんなの絶対に読めない、無理……!」とあきらめてしまいそうですよね。

 

そこでオススメしたいのが、子どもむけの洋書を使った多読学習。
子どもむけの作品は文字が大きく行間がゆったりしているため、紙面が文字で埋め尽くされている感がありません。また、挿絵も多いので、「英文が理解できなくても、絵で内容をイメージしながら読める」と、英語学習初心者を中心に人気を集めているんです!

 

最近は洋書を取り揃える書店も多いですが、なかでも都内最大級の洋書コーナーを誇るのが、紀伊國屋書店・新宿本店。同書店の子どもむけ洋書担当スタッフ野沢葉子さんに、多読学習にオススメの洋書について伺いました。

 

――子ども向けの洋書ってどんなものですか?

 

子ども向け洋書には、“Children's”と“Young Adult”の2カテゴリーがあります。
Children'sは、いわゆるイラストで物語を表現する絵本なので、1ページに書かれている英文はほんの少し。簡単な表現ばかりなので、中学レベルの英語力があればさくさく読み進められますよ。また、お子さんに英語を教えるために、親御さんが購入されることも多いです。

 

一方、Young Adultは、ミステリーや恋愛など大人も楽しめる読み応えのある作品が多いですが、文字量が多く難しい英語の表現も登場します。

 

2つのカテゴリーのなかで1番人気があるのは、Young Adult の『ハリーポッター』シリーズです。知名度が高いので、洋書に馴染みのない方が、洋書デビューの一冊目として購入されることが多いですね。ただ、ハリーポッターは、Young Adult作品の中でも内容が複雑で文字量が多め。英語力に自信が無い人にとっては難しく感じるかもしれません。

 

▲ハリーポッターシリーズがずらり!

 

――もっと簡単に読めるものはありますか?

 

英語学習初心者が一冊目に挑戦するのであれば、やはりChildren's作品がオススメです。世界的に人気の絵本作家、レオ・レオニが描く、カラフルで可愛らしいカメレオンが印象的な『A Color of His Own』は定番の人気作品ですね。


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また、映画『シャーロックホームズ』主演などで人気急上昇中の俳優、 ベネディクト・カンバーバッチの朗読CDが付いた『The Snowman and The Snowdog (Book & CD)(作者:レイモンド・ブリッグズ)』はリスニング学習にもなるので、一押しです。

 


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▲スノーマンのほか、「韓国出身の作者、イルソンナさんの『"Shhhh" A Book Of Babies』も、イラストがかわいくてお気に入りです」と、野沢さん。

 

「英語が全くできない。本当に初心者」という方にオススメしたいのが、『I Am a Bunny(著:オーレ・リソム /イラスト:リチャード・スカーリー) 』です。主人公の子ウサギが春の公園で花を眺めるなど、四季おりおりのシーンを楽しむ単純な内容ですが、ページいっぱいの鮮やかなイラストを見るだけでも楽しいですよ。さらに、注目すべきは文章量。ページの端にちょこんと書かれた文章は、「夏は太陽の下に寝転がりながら、鳥を眺めるのが好き」(In the summer, I like to lie in the sun and watch the birds.)など、イラストそのままのごく簡単な内容です。


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▲きのこで雨宿りするバニーちゃんが目印

 

――イラストも英文の量もかわいいですね。これなら、英語力ほぼゼロの私でも読んでみようって思えます! 

 

これらChildren'sの作品は多読とよべるほどの文章量はないですが、英会話初心者の方は簡単な文から少しずつステップアップする必要があるので、『I Am a Bunny』からスタートして、リーディング力が上がったと感じたら、Young Adult作品に挑戦してもいいですね。

 

Young Adultの中でも簡単な内容で多読用にオススメしたいのが、『The Buddy Files The Case of the Lost Boy(著:ドリー・ヒルスタッド・バトラー)』です。新しい飼い主に“Buddy”と名付けられた主人公のわんちゃんが、前の飼い主の行方をさがす感動ストーリーで、全編、犬目線で語られるユニークな作品です。
文字のつまり具合も、英会話初心者にとってちょうどいいですよね? 

▲かわいい動物の表紙が目をひきます。犬が主役のThe Case of the Lost Boyは、行間がゆったりしているのが〇


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また、「どの本を選んだらいいのか分からない」という方は、是非スタッフに相談してください。例えば、TOEIC®何点などご自身の語学力や、英会話力をアップさせたいなど学習の目的。文法が苦手などのウィークポイントを教えていただければ、お客様にぴったりの一冊をお探ししますよ!

 

今まで洋書を手に取ったことがなかった人も、かわいいイラストとやさしい内容の子供むけの洋書なら抵抗がないはず。お気に入りの一冊を見つけて、英語学習に役立ててみてくださいね!


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