E質問箱【35】英語のクリスマス正しい略号はX'mas? それともXmas?

ケンブリッジ大学認定英語教師

ケネス宮本が英語の疑問にお答え

外国人との会話中に、会社での商談の時に、ささいな英語の疑問がわくことってありますよね? そんなあなたの疑問に、ケンブリッジ大学認定英語教師のケネス宮本がお答えします。日頃ふと浮かんだ疑問、ぜひ気軽にメールで質問をお送り下さい。

Helloooooooooooooooooooooooooooo!!

I hope all is well, my friends.
皆さん、物事が順調であることを願ってますー。^^

今回は、知識と視野を広げさせてくれる素敵な、素朴な疑問をご紹介です。


★質問はこちら!^^

本当に初歩的で、素朴な質問なんですけど、なぜ「Merry X'mas」と、Christ を「X」と置き換えているのでしょうか。
また、宗教的な話になりますが、友人からの質問で、「Christmas」がどうして「Christ(キリスト)」とつながるのでしょうか。


Xは「キリスト」の頭文字。十字架にも見立ててるはず!

いやあ、初歩的どころか、こういった素通りしてしまいそうな物事から疑問をもてるのは素晴らしいことですよ!
素朴な疑問はイー疑問!\(^o^)/
そんな疑問を覗いていくと、広ーい深ーい知識につながるものです。^^

ではまず、「なんでXなのか」。
Xmasと書くのはChristmasの略式表記で、読み方はもちろん「クリスマス」。
そしてXは、ご質問にあります通り、Christを置き換えたもの。

つまり「キリスト」なわけですが、ギリシャ語ではΧριστόςと書かれます。
日本語では、「クリストス」とも「フリストス」とも「ハリストス」とも読まれます。
ともあれ、その頭文字Χをもって、Christの置換えとしてるんですねー。

ちなみに、「キリスト」は苗字じゃなくて、「救世主」って意味の称号です。
イエス・キリスト(Jesus Christ)といえば「救世主イエス」ってこと。

 

なんでまたギリシャ語の頭文字?

聖書には2種類ありますが、元々あったのは僕たちが「旧約聖書」と呼んでいる方だけ。
旧約聖書は、キリスト教が成立する以前からあるユダヤ教の聖典で、ヘブライ語で書かれてました。

キリスト教は、ユダヤ教から派生・独立したもので、僕たちが「新約聖書」と呼んでいる方も加えてどちらも聖典としてます。
新約聖書はギリシャ語で書かれましたから、そこからの名残り、もしくは採用でしょう。

なんにしても、英語での頭文字をとって、CmasとかC’masとするよりはゼンゼンよいと思います。
読み方も意味もわかりにくいですから。笑
その点、Xなら、cross「十字架」にも見立てられますし、発音も近いです。

 

正しい略式表記はX'mas? それともXmas?

ところで…。
X’masというアポストロフィー()を付けた書き方は間違っている、アポストロフィーなしのXmasが正しい。
なんて話を聞いたことのある方々もいらっしゃるかと思います。

確かに、英語圏では、アポストロフィーなしでXmasと書かれるんです。
ですから僕もそれにならってXmasと書いてきてます。

ただ、むかーしは、アポストロフィーがあったようで、イギリスの古本にある広告にX’masの表記があるのを見たことがあります。
アポストロフィーが省かれるほうになったのは、20世紀に入ってからでしょう。
日本をはじめアジアのいくつかの国では、それ以前にX’masの表記が伝わったまま今も残ってるようですね。^^

略号や算用数字に接尾辞をつける時には、アポストロフィーをつけるのが決まり事です。
例えば、「CDが10枚」なら10 CD’sですし、「80年代のポップ」なら80’s popになります。
こういった表記上の決まり事も、だんだんとユルくなってきてます。
X’masの表記もそれに則ったものですし、また世代とともにアポストロフィーが消える道をたどってきたわけですねー。

 

クリスマスはイエス様の誕生日、じゃない!

ではでは、もうひとつのご質問、「ChristmasがどうしてChristとつながるのか」。
それは、クリスマスが、「救世主(キリスト)の生誕を祝う日」として始まったからですねー。

Christmasは、「Christ」+「mass」。
Mass(/mæs/)は「ミサ」のこと。

つまり、「キリストのための聖祭」ってことになります。
日本語での名称としては、「キリスト降誕祭」などがありますねー。

ちなみに、Christmas Dayといえば、もちろん12月25日。
でも、イエス様の誕生日ってわけじゃないんです。(イエス様が生まれた日は不明。誰も知りません)
4世紀の中頃に、「この日を救世主の生誕の『記念日』にしよう」、と定められました。

いかがでしょうかー?^^

 

 

あなたのE質問(英語の質問)はこちらにどうぞ!

toukou★cheerup.jp

★マークを@マークに変えてお送りください。

ケネっちは質問をもらうのが大好きです!お気軽に!^^

 

 

ライタープロフィールケネス宮本

アメリカ、イギリスなどで計7年の海外生活経験をもつ生粋の日本人。英語教師、翻訳・通訳、コラムニスト。雑学(科学全般・歴史・芸術など)が大好き。色んな言語をカタコトで話すのも大好き。取得資格:ケンブリッジ英語教師資格(CELTA)ほか語学系。

 

 

「ケネっちの記事をもっと読みたい!」という方は記事一覧へどうぞ!

更新は毎週金曜です。

ぜひブックマークしておいてください!^^

 

最新の連載をメールでお知らせ

メールアドレス:

「E質問箱」連載記事一覧

続きを見る >>

おすすめ記事