E質問箱【36】「動詞+目的語+to不定詞」toがつかない時のルールとは?

ケンブリッジ大学認定英語教師

ケネス宮本が英語の疑問にお答え

外国人との会話中に、会社での商談の時に、ささいな英語の疑問がわくことってありますよね? そんなあなたの疑問に、ケンブリッジ大学認定英語教師のケネス宮本がお答えします。日頃ふと浮かんだ疑問、ぜひ気軽にメールで質問をお送り下さい。

Helloooooooooooooooooooooooooooo!!

How are you, everyone?
皆さん、調子はどうですか?^^

さっそくご質問を見てみましょーう!


★質問はこちら!^^

TOEIC関連のサイトに、20 free TOEIC Tips to help you improve your TOEIC score. という文がありました。
「あなたのTOEICスコアを向上する事を助ける20の無料のTOEICの秘訣」という訳で正しいでしょうか?
何故、help you to improve ではないのですか?


もともとは「動詞+目的語+to不定詞」で正しい!

とても忠実な、よい直訳ですね!
そしてご質問の、何故 help you to improve ではないのか、というのもよく解ります。

サッと回答してしまいますと、help you to improveでも正しいんです!
ですから、どっちで書いても意味は「向上することを助ける」で変わりありません。

英語には、こうした「動詞+目的語+to不定詞」のかたちをとる動詞がたくさんありますが、helpもそのひとつです。
ですがhelpはちょっと特殊で、toをつけても省いても正しいとされていて、現代英語では省かれて使われるのがほとんどになってます。

 

youが省かれてhelp improveになる場合も

このhelpのさらに特殊なところは、youさえも省略される場合があることです。
書き言葉として、ご質問にあるようなサイトや参考書の序文などで見られます。

This book will help improve your TOEIC score!
本書はTOEICスコアを向上することを助けます!

と言った感じ。
ただし、これは目的語がyouの時だけです。
ここでのyouは、「あなた」であると同時に「不特定の人・誰でも」を指すものなんです。
helpの対象になってるのは必ず「誰か」だからなくてもよい、と解釈できますねー。

 

便利な「動詞+目的語+to不定詞」のかたち

繰り返しになりますが、英語には「動詞+目的語+to不定詞」のかたちをとる動詞がたくさんあります。
例えば、wantという動詞。

I want to read this book.
この本を読みたい

って文があるとします。
それが、wantの後ろに目的語が入ると…。

I want you to read this book.
あなたにこの本を読んでもらいたい

となりますね。
「この本を読むあなた」を「欲する」ってこと。
「彼に読んでもらいたい」なら、目的語youのところがhimになるわけです。

他にも、recommendとか、advise(アドヴァイズ)とか。

I recommended him to get this book.
この本を買うように彼に勧めたよ

My doctor advised me to have an 8-hour sleep every day.
毎日8時間の睡眠をとるように主治医に忠告・勧告されたよ
➡弁護士・警察など権威的な立場から使われる場合が多い

などなど日常的にとてもよく出てきます。
中でも「使役」と呼ばれる「人にやらせる」「人にやるように頼む」ことを表現する動詞は、使用頻度がとても多いですね。

 

いろいろな「使役」の動詞を見てみよう!

というわけで、代表的な「使役」の動詞を見ていきましょう!
ダダ―ッと並べていきますので、時おり参考にしてみてください。^^
中にはtoが省略されて定着している(正しいとされている)ものもありますから注意。

 

●ナニナニするよう頼む・言う・命令する

下に行くほど強制・権威性の度合いが高い動詞になります。

ask 「頼む」「お願いする」
I asked the company to send me a catalog.
その会社にカタログを送ってもらえるようにお願いしたよ

 

have 「してもらう」➡toをつけない
Sure, I will have the manager call you back.
了解です、お電話をお返しするよう店長に伝えます

 

tell 「言う」「命令する」
My mom told me to finish my homework before dinner.
晩御飯の前に宿題を終わらせなさい、ってお母さんに言われたんだ

 

●ナニナニするよう言う・させる

こちらの動詞は、必ずしも口頭でお願い・命令することとは限らず、主語や対象も人とは限りません。

get 「してもらう」「させる」
You should get him to apologize.
彼に謝ってもらう(謝らせる)べきだよ

I couldn’t get my car to start this morning.
今朝、車のエンジンがかけられなかったんだ

 

make 「させる」➡toをつけない
That movie made me cry.
あの映画で泣いちゃったよ~

You made me spill my coffee!
あなたのせいでコーヒーこぼしちゃったわよ!

➡受動態ではtoがつきます。
His car was made to start finally.
彼の車はついにはエンジンがかかるようになった

 

force 「強制的にさせる」
The police forced the suspects to lie down on the ground.
警察は容疑者たちを無理やり地面に寝かせた

 

●ナニナニさせてあげる・許可する

こちらも、必ずしも口頭で許可するわけではなく、主語や対象も人とは限りません。

let ➡toをつけない
Let me check, and I will get back to you.
確認させて。そしたら折り返すよ

Can you hold the leash? Don’t let it go.
(ペットの)綱を持っててくれる? 放さないでね

 

allow
My parents didn’t allow me to play video games.
うちの親はテレビゲームをやらせてくれなかったよ

 

いかがでしょうか?
他にもたくさんありますが、これだけ知っておけば日常では充分です。
何よりも、英語には「動詞+目的語+to不定詞」がたくさんあるんだ、ということを知っておくのがよいです。^^

 

 

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ケネっちは質問をもらうのが大好きです!お気軽に!^^

 

 

ライタープロフィールケネス宮本

アメリカ、イギリスなどで計7年の海外生活経験をもつ生粋の日本人。英語教師、翻訳・通訳、コラムニスト。雑学(科学全般・歴史・芸術など)が大好き。色んな言語をカタコトで話すのも大好き。取得資格:ケンブリッジ英語教師資格(CELTA)ほか語学系。

 

 

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