映画で学ぶ|沈黙 ―サイレンス― Silence

最新映画で文化や英語表現、
リスニングを鍛えよう

日本で英語漬けになる環境を作るのが難しいなら、日本語字幕がない映画の公式予告編でリスニング力を鍛えましょう。映画情報を知ることができて、リスニングの学習にも役立ちます。英語フレーズや表現、日本との文化の違いなどのワンポイントの解説から、すべての英語のセリフと翻訳も掲載しています。
今回は原作は遠藤周作の小説、監督はマーティン・スコセッシの「沈黙ーサイレンスー」。日本人の俳優もたくさん出演していますから、英語なども含めて要チェックですね。

 

 

作品情報

沈黙ーサイレンスー

原題:Silence

日本公開:2017 121()

 

 

あらすじ

17世紀、江戸初期。幕府による激しいキリシタン弾圧下の長崎。日本で捕えられ棄教したとされる高名な宣教師フェレイラを追い、弟子のロドリゴとガルペは日本人キチジローの手引きでマカオから長崎へと潜入する。

日本にたどりついた彼らは想像を絶する光景に驚愕しつつも、その中で弾圧を逃れた“隠れキリシタン”と呼ばれる日本人らと出会う。

それも束の間、幕府の取締りは厳しさを増し、キチジローの裏切りにより遂にロドリゴらも囚われの身に。頑ななロドリゴに対し、長崎奉行の井上筑後守は「お前のせいでキリシタンどもが苦しむのだ」と棄教を迫る。

次々と犠牲になる人々。守るべきは大いなる信念か、目の前の弱々しい命か。心に迷いが生じた事でわかった、強いと疑わなかった自分自身の弱さ。追い詰められた彼の決断とは…。

 

 

予告編のセリフとその英訳はこちら!

Rodrigues (Andrew Garfield):

Our Lord said to them, “Go ye into the whole world and preach the gospel to every living creature.”

ロドリゴ(アンドリュー・ガーフィールド):

我々の主は、「汝ら、全世界へ行き、生きとし生ける全ての物に福音を説教せよ」と仰せられた

 

Father Valignano (Ciarán Hinds):

Ferreira is lost to us.

ヴァリニャーノ神父(キーラン・ハインズ):

我々はフェレイラを失った

 

He denounced God in public, and surrendered the faith.

彼は公然と神を罵り、信仰を放棄したのだ

 

Garrpe (Adam Driver):

That’s not possible.

Father Ferreira risked his life to spread our faith all over Japan.

ガルペ(アダム・ドライバー):

それはあり得ません

フェレイラ神父は日本全土に我々の信仰を広めるために命を懸けたのです

 

Rodrigues:

It seems to me that our mission here is more urgent than ever.

We must go find Father Ferreira.

ロドリゴ:

我々を派遣する事がかつてなく急務であるように見受けられます

私たちはフェレイラ神父を見つけに行かなくてはなりません

 

Father Valignano:

This is in your hearts in both of you?

ヴァリニャーノ神父:

2人共そう心に決めているのだな?

 

Rodrigues:

ロドリゴ:

はい

 

Father Valignano:

Then, I must trust God has put it down.

ヴァリニャーノ神父:

ならば神の思し召しと信じねばなるまい

 

The moment you set foot in that country, you step into high danger.

かの国に足を踏み入れた瞬間、大変な危険に身をさらす事になるぞ

 

Copy:

FROM ACADEMY AWARD WINNING DIRECTOR

MARTIN SCORSESE

コピー:

アカデミー賞受賞監督

マーティン・スコセッシが贈る

 

Inoue (Issei Ogata):

The price for your glory is their suffering.

井上筑後守(イッセー尾形):

そなた達の栄光はかの者達の苦しみの上にあるのじゃよ

 

Garrpe:

That’s too dangerous!

ガルペ:

それは危険すぎる!

 

Rodrigues:

We asked for this mission.

ロドリゴ:

私達がこの任務を志願したんだぞ

 

Copy:

ANDREW GARFIELD

コピー:

アンドリュー・ガーフィールド

 

ADAM DRIVER

アダム・ドライバー

 

AND

LIAM NEESON

そして

リーアム・ニーソン

 

Rodrigues:

I pray, but I’m lost.

Am I just praying to silence?

ロドリゴ:

私は祈る、だが途方に暮れている

私はただ沈黙に祈っているのか?

 

Copy:

SILENCE

沈黙

 

SCREENPLAY BY

JAY COCKS & MARTIN SCORSESE

DIRECTED BY

MARTIN SCORSESE

脚本

ジェイ・コックス&マーティン・スコセッシ

監督

マーティン・スコセッシ

 

COMING SOON

近日公開

 

 

 

知っておきたい英語・文化のワンポイント

日本人が混乱しやすい!?
イギリス英語とアメリカ英語の違い、go/comeにtoなしで動詞原形?

 

映画が映画だけに時代がかった表現、宗教色のある表現がでてきます。

例えば、yeというのはthou「汝」(ザウ。単数youの古い表現)の複数形です。

古めかしさを演出するべく、ポルトガル人の登場人物たちもイギリスなまりで喋ってます。

そんな中で、ちょっと僕の注意をひいたのが、こちらのロドリゴ宣教師のセリフ。

 

We must go find Father Ferreira.

私たちはフェレイラ神父を見つけに行かなくてはなりません

 

ここのgo findですが、これ、とてもアメリカ英語的な表現なんです。

 

go to find「見つけ(るため)に行く」って言い方なら、to不定詞の副詞的用法として学校でも教わるものですね。

また、イギリス英語では、go and findって言い方もとてもよくされます。

 

アメリカ英語では、gocomeのあとのtoまたはandが省かれるのが一般的な口語表現として使われてます。

いくつか例を並べてみましょう。

 

Let’s go eat something.

なにか食べに行こうよ

 

OK, I’ll go talk to him.

わかった、彼と話しにいくよ

 

You have to go see this movie!

この映画は観に行かなきゃダメだよ!

 

Come join us!

(私達の輪に)入りに来て!

 

You left your phone in my place.

When do you want to come get it?

うちにケータイ置いていったね

いつ取りに来たい?

 

などなど、とてもよく使う機会があります。

 

いかがでしょうかー?^^

 

 

沈黙ーサイレンスー

Silence

 

全米公開:2016年12月23日

日本公開:2017年1月21日(土)より、全国ロードショー監督:マーティン・スコセッシ

出演〔役名〕:アンドリュー・ガーフィールド〔ロドリゴ〕、リーアム・ニーソン〔フェレイラ〕、アダム・ドライバー〔ガルペ〕、窪塚洋介〔キチジロー〕、浅野忠信〔通辞〕、イッセー尾形〔井上筑後守〕、塚本晋也〔モキチ〕、小松菜奈〔お春〕、加瀬亮〔チョーキチ〕、笈田ヨシ〔イチゾウ〕

 

配給:KADOKAWA

公式サイト:http://chinmoku.jp

公式Twitter:https://twitter.com/chinmoku2017

公式Facebook:https://www.facebook.com/chinmoku.jp/

 

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ライタープロフィールケネス宮本

アメリカ、イギリスなどで計7年の海外生活経験をもつ生粋の日本人。英語教師、翻訳・通訳、コラムニスト。雑学(科学全般・歴史・芸術など)が大好き。色んな言語をカタコトで話すのも大好き。取得資格:ケンブリッジ英語教師資格(CELTA)ほか語学系。

 

 


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