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Travel writer
フィリピン留学・世界一周情報サイト「Tabi Joy」運営者。大学卒業後、オーストラリア(2008年)・フィリピン(2011年)へ合計1年半の留学を経て、海外語学学校、旅行会社、留学エージェントにて勤務。現在は、その経験を活かし様々な活動の中で、留学や海外旅行の支援を行っています。また、これまで約40ヵ国へ渡航しており、国や場所に左右されない生き方を実践しています!
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WORLD
2017.02.06

女性も安心して旅行しやすい国!

ミャンマーの旅行基本情報

ミャンマーは近年、日本企業が多数進出しているため日本人にとってビジネスにおけるアジアのフロンティアという認識があるかもしれません。しかし、ミャンマーには多くの寺院や宮殿、日本人の舌に合う料理と観光国としてもクオリティが高い国なのです。加えて、治安も他のアジア圏の国と比べて良く、女性でも安心して渡航できる国のひとつだと思います。そんなミャンマーの基本情報を実際に渡航して感じた個人的な感想と共にご紹介します。

 

エアライン情報

 

2017年現在、日本とミャンマーの直行便を運行しているのは全日空のみで、成田発〜ヤンゴン行を1日1便運行しています。全日空利用以外は乗り継ぎが必要となり、バンコクやクアラルンプール、北京、ソウル、ハノイ、ホーチミン、シンガポールなどを経由する経路が一般的です。直行便は格安チケットで往復7万円台〜、経由便ですと往復3万円台〜購入可能です。経由便は乗り継ぎ時間を含めると13時間〜ほど必要になるので、利用状況によって航空券を購入すると良いでしょう。私は経由便を利用してミャンマーに渡航したのですが、ミャンマーと日本の時差は2時間半(日本が早い)しかないので、時差ぼけの心配も少なく、ミャンマー旅行のメリットのひとつです。

 

観光ビザ取得

 

ミャンマーへ観光で入国するためにはビザ(査証)申請が必要になります。旅行代理店の代理申請を利用する方法もありますが、難しい申請ではないのでミャンマー大使館やミャンマー政府公式サイトなどから自己申請が一般的です。観光ビザでの滞在可能日数は最長28日間、有効期限は90日です。

 

ミャンマー大使館 http://www.myanmar-embassy-tokyo.net

ミャンマー政府公式サイト https://evisa.moip.gov.mm/NewApplication.aspx

 

パスポート

 

ミャンマーに入国するためにはパスポートの有効期限がビザ申請時に6ヵ月以上、パスポート余白2ページ以上必要になります。海外を飛び回っていない限り、パスポートの余白がなくなることは稀なため、特別考慮する必要はないと思いますが有効期限には注意が必要です。パスポートは有効期限1年を切ると更新可能なので、渡航前には必ずパスポートの有効期限を確認しましょう。

 

気候

 

ミャンマーの気温・湿度ともに日本と比べて高く、1年を通して蒸し暑さを感じます。ミャンマーの中心地であるヤンゴンの平均最高気温は30度以上(通年)あり、最も暑くなる4月には40度を超える日も珍しくありません。また、平均最低気温は15度(通年)を超えるため、どの時期に渡航しても寒さを感じることはありません。また、5月〜10月の雨期には東京の降水量の倍ほどの雨が降るため、体をまとわりつくような湿度の高さを感じる環境になります。ミャンマーは寺院や宮殿など、外を回る観光スポットが多いため、可能であれば乾季の11月〜4月に渡航するのが最適です。

 

通貨

 

ミャンマーの通貨は「チャット(Kyat)」で、補助通貨単位である50ピャー(pya)を含め、1、5、10、20、50、100、200、500、1,000、5,000、10,000チャットの12種類あります。しかし、実際に流通しているのは50チャット以上の通貨であり、50チャット以下は目にすること自体少ないです。日本の2,000円札のように、通貨として認められているものの実際には流通していないのです。そのため、手に入れることができたらお土産にしても良いかもしれません。実際に露店ではお土産用として、コイン(50ピャー、1チャット)が販売されている場所もあります。

 

また、10,000チャットは2012年に発行されて通貨なのですが、こちらもあまり流通していないため、実質的には50、100、200、500、1,000、5,000Kyatを使用することになります。加えて、ミャンマーのお金は破れているものや落書きがされているものも多いため、あまりにもひどい場合は受け取らずに交換してもらうようにしましょう。

 

電圧

 

ミャンマーの電圧は220~240V、周波数は50Hzです。日本は電圧100V、周波数は東日本50Hz、西日本60Hzなので、ミャンマーで日本製品を使用する際には変圧器が必要になります。しかし、パソコンやiPhoneなどはミャンマーの電圧にも対応していることが多いため、渡航前にご使用の製品を確認しましょう。

 

また、ミャンマーの電源コンセントの形状はBタイプorB3タイプなので、Aタイプである日本製品は変換プラグなしでは使用することができません。そのため、日本製品をミャンマーで使用する場合、基本的には「変圧器」「変換プラグ」が必要になります。日本で購入して持参することをお勧めしますが、ミャンマー現地の家電店で購入できるので、状況に応じて持参しましょう。

 

水道水は飲めるか?

 

ミャンマーは水道水を飲用として使用することはできません。日本では当たり前に水道水を飲用として使用していますが、世界的に見ると珍しい事なのです。2017年現在では世界で水道水を飲用として使用可能な国は15ヵ国ほどしかありません。そのため、ミャンマーでは必ずミネラルウォーターを購入する必要があります。

また、個人商店や路面店でミネラルウォーターを購入する場合には十分注意が必要です。ペットボトルに水道水を入れ替えて販売している可能性があるので、ミネラルウォーターは必ず大型スーパーなど信頼性の高い場所で購入しましょう。

加えて、ミャンマーの寺院などには素焼きの壷の中に飲用水が用意されていることがあります。現地の人々は気軽に利用しているのですが、私たち日本人は避けるべきだと考えています。ミャンマーは高温多湿なので、観光中にはとても喉が渇くと思いますが、衛生状態の良い環境で育った私たち日本人には少しハードルが高くお腹を壊してしまう可能性が高いです。

 

交通手段

 

ミャンマーでは航空機やレンタカー、バス、タクシー、列車と様々な方法で移動可能です。しかし、ミャンマーではヤンゴンを中心に交通網が敷かれているため、地方では交通に不便さを感じてしまう可能性があることを考慮する必要があります。

 

航空機

 

航空機を利用するメリットはやはり時間の有効活用だと思います。ミャンマー国内便では、主要都市を網羅しているため、気軽にミャンマー国内を渡航することが可能です。しかし、長距離バスや列車のようにミャンマーの雰囲気を味わいながら移動することはできないことがデメリットです。時間に余裕がある際には、魅力的な風景や人々の生活を垣間見れる長距離バスや列車がお勧めです。

 

レンタカー

 

レンタカーは当たり前ですが、自由に好きなところに行けるため利便性の高さがメリットだと言えます。しかし、ミャンマー(特にヤンゴン)は交通渋滞も多く、日本よりも運転が荒いです。急な割り込みやクラクションの多さに少し恐怖を感じてしまうかもしれません。レンタカーはご自身で運転することも可能ですが、運転手付きのオプションをお願いすることもできるので、状況に応じて使い分けると良いと思います。

 

長距離バス

 

時間を重要視する場合は航空機を利用するのが良いと思いますが、移動費を抑えつつミャンマーの街の雰囲気を味わうことができる長距離バスが個人的には最もお勧めです。ミャンマーの長距離バスはトイレが付いていないことが多いため、数時間ごとに休憩をとります。大変といえば大変なのですが、経由地の街の雰囲気を味わえたりその土地の名産品などを購入することができるので、一気に航空機で渡航するよりも、よりミャンマーの雰囲気を感じることができるメリットがあります。

長距離バスのデメリットとしては中古車を利用していることが多いため、乗り心地が悪く、故障も多いことです。エアコンが効きすぎていることも多いのでバスの中に限っては防寒対策が必要になります。

デメリットとは少し異なりますが、ミャンマーの長距離バスでは出発から1時間ほど、大音量で仏教のお祈りが流れるため少々快適さは失われてしまいます。しかし、これは交通安全を祈っているようなので、文化を受け入れる必要があるのではないかと思います。また、ミャンマーでは到着時間を案内されることがありません。それは、到着時間を案内してしまうと事故や望まない出来事が起きてしまうという言い伝えがあるためです。そのため、バスに乗車したら到着時間は聞かないことをマナーとして覚えておきましょう。

 

タクシー

 

ミャンマーでは明確なタクシー料金は設定されておらず、基本的には値段交渉になります。メータータクシーは少ないです。そのため、空港やバス乗り場などでは、タクシーの運転手の方から声をかけられますが、多くの場合は少々高額の値段を設定しているので事前に相場をチェックしておくと良いでしょう。街中で拾えるタクシーはお世辞にも日本のような乗り心地の良いものは少なく、クーラーも搭載していない場合も多く快適とは言えないですが、ミャンマー観光では利用する頻度は高いでしょう。

 

列車

 

長距離バスと合わせて列車での移動もお勧めです。ミャンマーの列車は平均時速が30キロほどで非常にスピードが遅く、景色を楽しみながら移動できるというメリットがあります。時間が限られている場合はデメリットにもなるので、状況に合わせて利用すると良いと思います。また、ミャンマーは現在でも蒸気機関車が運行していることもあり、鉄道好きの人々から注目を浴びている国でもあります。

 

治安

 

ミャンマーは私が渡航した約40ヵ国の中でもトップレベルに治安が良い国だと考えています。もちろん犯罪が全くないというわけではありませんが、街の人々は非常に親切ですし、お金をぼったくられることも少なく旅行しやすい国だと考えています。「夜間には出歩かない」「金品を身につけない」など基本的な対策は必要なものの、女性ひとりでも問題なく旅行を楽しめると考えています。

一方、ミャンマーは政治が不安定な部分があり、外国人観光客が足を踏み入れることができない地域があるなど謎も多い国でもあります。外務省の危険情報では一部ではありますが、「渡航中止勧告」を出している地域もあります。そのため、少なくとも日本以上には危険へのアンテナを張って対処する必要はあります。

 

外務省 http://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcinfectionspothazardinfo_018.html#ad-image-0

 

日本と勝手が違うこと

 

私個人として、ミャンマーを訪れてみて最も強く感じたことは「インフラ環境」「仏教の信仰心」の違いについてです。

 

インフラ環境

 

日本と比べるとミャンマーのインフラ環境は劣ります。それは道路や交通網、インターネットなどの通信環境など全般に言えることです。確かにミャンマーでは現在、ネットが急速に普及しており、誰もが「歩きスマホ」をしているほどネット環境が充実してきています。しかし、速度の遅さや通信の安定度など環境面が整っているとは言えません。道路や交通網に関しても「道に大きな穴や段差がある」「バスや列車の運行時間が明確ではない」など日本との違いに最初は戸惑ってしまうかもしれません。

 

仏教の信仰心

 

ミャンマー人の多くは仏教徒です。日本人の多くも仏教徒とされていますが、実際には無宗教である日本人が多数を占めていると思います。そのため、ミャンマーでは日本と比べ、仏教の教えが忠実に守られ生活していると言え、様々な場面で勝手の違いを感じるかもしれません。

私が体験した出来事としては、バス乗車中に僧侶に話しかけられ、日本人だと伝えると「バス料金は私が支払っておくから、お金をもっと有効な形で使いなさい。」と見ず知らずの私の料金を支払ってくれました。仏教では「諸法無我」という考えがあり、世の中の存在するすべてはお互いのバランスを保ちながら成り立っているという考え方があります。これは財産でも知識でもすべては自分が持っているものではなく、世の中の全てに持たせてもらっているという捉え方です。そのため、私利私欲に走るのではなく、社会全体を見据えた最善の行動をするべきだとされています。これは極端な例だと思いますが、ミャンマー人は日本人以上に他人に対する思いやりや配慮を考える文化が根付いていると言えます。

決して日本人のマナーが悪いわけではありませんが、ミャンマーに訪れた際には国や人々への敬意、文化への理解が大切だと感じています。ミャンマーと日本には勝手の違いをすべて把握することは難しいかもしれませんが、「諸法無我」の考え方を尊重し、「女性は僧侶の袈裟に触れてはならない」「年上の方より先に食事をとらない」「僧侶には敬意を表す」など最低限のマナーを学んでおくことで様々な状況に対応できると思います。

 

最後に

 

私は個人的にミャンマーはとても好きな国です。食事のおいしさ、治安の良さ、人々の優しさなどどれをとってもとても魅力的な国だと感じています。ミャンマー政府が観光業に力を入れ始めたのはここ数年ですが、2016年には外国人観光客600万人以上になるなど、観光地として整備が進み旅行がしやすい基盤が作られています。現在のミャンマーは歩きスマホの若者と袈裟を着た僧侶が共に生活し、近代化が進む中にも歴史や文化を重んじるミャンマー独特の雰囲気を味わうことができ、大変興味深い国だと考えています。次回の海外旅行には、是非ミャンマーを渡航先の候補のひとつとしてみてはいかがでしょうか。





 

 

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