去る２月16日（日）、“日本で唯一の海外就職家”森山たつをさん（森山さんのインタビュー記事はコチラ⇒海外就職研究家 森山たつをさん 「海外で働く選択肢を知って欲しい」）と、『開国ジャパンプログラム』主宰で、グローバル人材育成に精通する四方健太郎さんらが中心となりスタートした『サムライカレープロジェクト』の報告会が催されました。

サムライカレープロジェクトとは、受講者が異国の地でカレー屋を開業し、「海外で起業して働くこと、生活すること」について学ぶ実践的な試み。2014年１月６日にスタートした同プログラムの第１回目には、大学生や社会人の研修生４名が集い、飲食経験ゼロの森山店長とカンボジア・プノンペンに『サムライカレー１号店』をオープン！　現地では、カレーレシピを提供した旅作家・料理家のとまこさん（★とまこさんのインタビュー記事はコチラ⇒旅作家 とまこさん(前編) 「カタコト英語でどこでも行ける!!」 ）が料理指導を行ったほか、森山さんらは「新メニューの考案」「現地でカレーパン1000個を売る」などのミッションを研修生に課しました。

▲森山店長と研修生＆カンボジア人スタッフ

▲四方さんとレシピ担当のとまこさん

「ケーススタディではない、リアルスタディ！　カンボジアで、カレー屋できちゃいました！」をスローガンに、カレーの製造や新メニューの考案などほぼ全てを研修生に一任するこのプロジェクト。かなり無茶な気がするのですが、果たしてその結果は……!?　

サムライカレープロジェクトは単純に海外でカレー屋を開業するということではなく、主催者の「起業体験を通じて人材を育てることができたら面白いのでは？」という発想からスタートしました。

研修期間は４週間で、研修生たちは前半１週間で“知る”パート、後半３週間で“やる”パートの実習をしていきます。
知るパートでは、研修機関CJCC（カンボジア日本人材開発センター）でカンボジアの経済状況について学ぶほか、現地の大学生と外食に関するアンケートを作成し、地元民100人を対象に市場調査を行うなどしました。
お店をスタートアップさせる“やる”研修では、食材の調達からカレーの製造、人事（カンボジア人を路上でスカウト、即雇用！）や、店舗販売を行いました。また、カンボジア一部リーグのサッカーチームと提携し、ファンサービスのために配るカレーパンを一括購入してもらうなど“企業提携”の試みも行われ、起業に必要な要素がギュッとつめこまれた濃厚＆スピーディな実習内容となりました。

▲森山さんと、四方さんがプログラムの全貌について語りました

▲報告会の後はカレーの試食会。第１期研修生と、とまこさんが参加者にカレーを振る舞いました。スパイスの効いたとっても美味しいカレーでした♪

■そもそも、なぜカレー？

「日本を代表する料理といえば寿司やラーメンを思い浮かべがちですが、本場インドとは違う、日本ならではの味を世界に広めたいと思いました。しかも、カレーはみんなが大好きで興味や共感を生む不思議な食べ物。カンボジアを皮切りに最終的にはインド出店も目指します！」（四方さん）

■１号店にカンボジアを選んだ理由は？

「カンボジアは、今まさに経済発展加速中の国。物価が安く、起業に必要な手続などが比較的容易なことも魅力です。また、何でも揃っている日本に比べて足りなかったり整備されていない部分が多く、その分、新ビジネスのチャンスが多いです」（森山さん）

森山さんがいうようにビジネスチャンスが多いといえるカンボジアですが、日本と比べて不便で苦労することも事実。また、ビジネスするには現地語＋英語が必要で、言葉の壁も研修生たちの苦労の一因になったよう。

特に食の好みは国によって異なるので、カンボジア人にサムライカレーを試食してもらい、カレーの味がカンボジア人の味覚に合わないことが判明。急遽スパイスの調合をやり直し……！　などのトラブルも起こったそう。そしてそのトラブルに向き合い解決する過程が、研修生にとって得難い経験となったようです。

結果的に研修生たちは、開業に必要な雑務や次々と発生するトラブルを自力でクリア！　現地に到着した１月６日から１週間後の13日には、カレーの100人試食会を行い、無事にサムライカレー１号店をオープンさせました。スピードもやる気もすごすぎです！

▲サムライカレー店内の様子

ちなみに英語を使うイメージのないカンボジアなどのアジア諸国でも、英語を使う現地人が多く、身につけておくとビジネスがスムーズに進みそうです。
「英語を学び、いつかは海外就職をしたい！」という方は、こんな超実践的な研究プログラムに挑戦してみてはいかがでしょうか？
●サムライカレープロジェクトについて詳しくはコチラ⇒http://morizo.asia/?p=3829

★chapter2では、サムライカレープロジェクト１期研修生に、プロジェクトに参加したきっかけやカレー屋開業を果たして身につけたスキルなどについてお伺いしたことをご紹介します。お楽しみに〜！

取材・文／甲斐真理愛（編集部）