Dear B,

BEARD CONCIERGE
ヒゲコンシェルジュ(BEARD CONCIERGE) RYO KANEKO 18歳の時にパリへ留学して以来、西洋人のヒゲが愛おしくてたまらなくなる。世界各国を周りBEARD達の写真を撮り続けて、早5年。2013年にはヒゲの写真を集めたアートzine”I LIKE”を発売。
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HOW TO
2017.06.06

ドラ・トーザンに聞く

「フランス人の考えるイイ男とは?」

“日本とフランスの架け橋”として活躍する国際ジャーナリストのドラ・トーザンさん。昨年(2016年)出版した『愛される男の自分革命: 人生が100倍輝く フランス人の極意』(徳間書店)をもとに、Dear B,読者へ向けてふたつの質問をしてみました。

前編 ドラ・トーザンに聞く、「フランス人の考えるイイ男とは?」

後編 ドラ・トーザンに聞く、「フランス式常識に縛られない恋愛作法」

 

Dear B,ライター(以下Dear B,)ボンジュール! 今日は宜しくお願い致します。さて、日本人男性は海外で(特に欧米で)モテないという定説がありますが、その原因として海外基準の作法つまりエスコートの仕方を知らないというところが大きいのかなと思います。海外志向の強いDear B,読者には、国際結婚に興味がある人も多く、『国際結婚をするならどの国が正解!? 世界メンズ図鑑』という連載が特に人気です。「日本の男性達にも世界基準のイイ男に近づいて欲しい。」そんなDear B,読者の声を代弁して、今回のインタビューではドラさんに自身の著書「愛される男の自分革命」から「世界基準にイイ男」とは一体何なのかエッセンスを抽出してお伝えしていきたいと思います。とその前に、日本人男性の良いところってどこだと思いますか?

 

ドラ・トーザンさん(以下ドラ) 日本人男性は、とても心が優しいと思います。大人になると、なかなかキレイなことだけでは生きていけませんよね。自分が得をするために、計算高くなったりずる賢くなったりとか……。でも、日本人男性にはそういう人が少ないように感じます。どんなに偉い男性、たとえ社長でも真心があって、少年の心を持ち続けている人が多いと思います。

そして日本の男性は聞き上手。女性は話すことが好きなので、うんうんと優しい相づちを入れて話を聞いてくれるというのはポイントが高いです。おっしゃるとおり、日本にはジェントルマンの習慣がないので、女性をエスコートすることに慣れていないというのは残念ですね。でも、少しでもやってみようという意識があれば全然違いますし、日本人男性はここ何年かで本当に変わりましたよね。

 

Dear B, なるほど。フランスの男性はパリで育った人を“パリジャン”と呼んだりもしますが、都会的で洗練されていてかっこいいですよね。憧れている日本人女性も少なくないです。

 

ドラ う~ん。でも実はフランスにはハンサムな人が少ないんですよ。キレイな女優は多いけど、ハンサムな俳優は少ないですよね。顔がきれいなのって考えてみても昔のアラン・ドロンくらい(笑)。フランスの男性っていうのは雰囲気がカッコいいんですよ。

  

決してハンサムではない!?

フランス人は雰囲気イケメン

 

Dear B, えええ! フランスの男性は雰囲気イケメンだったんですね!! 気づきませんでした。言われてみるとハンサムな俳優さんって少ないかも……。彼らはその雰囲気をどうやって演出しているんでしょうか?

 

ドラ 彼らの外見に関して話すならば、ヘアスタイルとヒゲですね。最近流行っているのは2日間だけのばした無精ヒゲとか、さりげないワイルドさのあるスタイル。全くシェービングをしない人やスキンヘッドも相変わらず人気です。 あと香水にはとてもこだわっていますよ。日本にいると香水を付けている人は少ないと思いますが、フランス人にとって香りはとっても大切です。自分の香りに合ったものを選んで、さりげなくエレガントにつけることが雰囲気イケメンを演出するためには大事ですね。

 

Dear B, 雰囲気イケメンにはファッションも大きな要素だと思いますが、装いについてはいかがですか?

 

ドラ フランス人はTPOを大切にするのでエレガントな場、カジュアルな場を見極めて着る服を決めます。スーツを着るときでもシャツの色を変えてみたり、さりげなくワンポイントで色味を取り入れてユーモアやプレイフルなパーソナリティーを表現したりもしますね。 あとはスポーツをするのもいいでしょう。ジムに通って筋肉をつけるのではなく、スポーツを楽しみながら健康的でバランスのよく身体を鍛えるのがフランス流です。

 

Dear B, なるほど! ヒゲは自然に残し、自分に合う香水を選んで、スーツには色味のあるシャツを入れれば日本人の男性もイイ男になれるということですね。

 

ドラ いえいえ、大事なことを忘れていますよ。外見が雰囲気イケメンであることが、必ずしもイイ男に繋がるかと言ったらそこは違います。フランス人にとってイイ男というのは、容姿や体つきよりも内面的な魅力を指します。

  

余暇の時間が魅力を育てる

フランス人の上手な時間の使い方

 

Dear B, 内面的な魅力! 捉えどころがなくて難しい言葉ですね。ドラさんの言う魅力とは何を指すのでしょうか?

 

 

ドラ どのくらい女性のためにエネルギーを使うか、そして女性のことを考えてイニシアティブ(率先して行動すること)をとれるかです。日本人男性が世界基準でモテないとしたら私はここに原因があると思います。

 

Dear B, なるほど。なぜ日本人男性は、女性のためにエネルギーを使えていないということでしょうか?

 

ドラ 日本人男性は仕事が忙しすぎて、プライベートの時間を作れない人が多いですよね。仕事ばかりしていては疲れてしまって、イニシアティブをとるエネルギーが生まれません。さらに自分のために使う時間がないということは魅力的な男性になれない原因にも繋がります。

 

Dear B, 日本のワークライフバランスはやはり問題ですよね。仕事を理由に恋人や家族との時間をとれない日本人は多いと思います。

 

ドラ 日本人はまだまだまわりからの圧力で、自分の時間よりも仕事を優先しがちですが、その点フランス人男性の働き方は参考になると思います。フランスは週35時間労働制を取り入れているので、労働時間は日本と比べるとかなり少ないです。無駄がなく効率的なのが、労働時間が少なくとも日本より生産性が高い理由だと思います。仕事するときは仕事、遊びは遊びといったように、オンとオフの使い分けが上手なんです。

 

Dear B, 日本の男性は、確かに仕事にばかりエネルギーと時間をとられてしまうので、愛する女性や家族に集中して何かをしてあげるということが苦手ですね。

 

ドラ 先ほども言いましたが、イイ男というのは女性のために時間とエネルギーを使える男のことです。女性がどうしたら喜ぶかを考えて、「ここに行ってみよう」とか「これをしてみよう」とイニシアティブをとることが大事であり、そういったことを全てひっくるめて雰囲気に魅力が漂っているのだと思います。

 

 

「フランス人の考えるイイ男」はいかがでしたか? 彼氏や旦那さんに早速シェアして、 「世界基準のイイ男」を目指してもらってはいかがでしょうか! 次回は「フランス式常識に縛られない恋愛作法」についてお話を伺っていきます。

 

撮影 / REGION

撮影協力 / 神楽坂キートス茶房

 

後編 ドラ・トーザンに聞く、「フランス式常識に縛られない恋愛作法」

 (6/7公開)

ドラ・トーザン Dora Tauzin

エッセイスト。国際ジャーナリスト。フランス・パリ生まれ。ソルボンヌ大学、パリ政治学院卒業。国連広報部勤務後、92年からNHKテレビの「フランス語会話」5年間レギュラー出演。慶應義塾大学講師を経て、現在は「アンスティチェ・フランセ東京」、「アカデミー・デュ・ヴァン」などで講師、また日本とフランスの懸け橋として、新聞・雑誌への執筆や、講演、テレビ・ラジオのコメンテーターなど多方面で活躍中。主な著作として、『ドラがみつけた外国人の東京スタイル』、『東京のプチパリですてきな街暮らし』、 『フランス人は「ママより女」』、『パリジェンヌ流 今を楽しむ! 自分革命』、『パリジェンヌのパリ20区散歩』、『フランス人は年をとるほど美しい』『好きなことだけで生きる』など。2009年、文化庁より長官表彰(文化発信部門)。2015年、レジオンドヌール勲章シュヴァリエを受章。

HP http://www.doratauzin.net

FB https://www.facebook.com/dora.tauzin.official/

 

書籍紹介

 

愛される男の自分革命: 人生が100倍輝く フランス人の極意

 

フランス式いつでもどこでも自分らしく: 自由で幸せな「時間の使い方」 (知的生きかた文庫―わたしの時間シリーズ)

TAG: HOW TO  |  CHARM
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