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WORLD
2017.06.26

日本人の不幸の原因は中国から伝わる

儒教・朱子学の思想にあった

満員電車やサービス残業に耐える日本の

社畜社会の原因はココにあった!!

人間は、宗教や思想など心のよりどころを大切にする生き物。日本は世界的にみても物理的に恵まれているのに、いまの日本人が何となく不幸を感じる原因は古来中国の思想に取りつかれた結果なのでは? 儒教、朱子学から私たちがどのような考えを引き継いでいるのかまとめてみたよ。

 

儒教は中国から伝来した教え

 

儒教は古代中国の孔子によって唱えられた思想。儒教が重視している思想は、五常という徳を積むことで、五常というのは

 

それぞれ意味を説明すると、「仁」は人を思いやること、「義」は利欲にとらわれずにすべきことをすること、「礼」は目上の人を尊敬すること、「智」は学問にはげむこと、「信」は誠実を尽くして約束を守ること。これらを守ることによって、父子、君臣、夫婦、長幼、朋友との関係を維持できると教えていたんだ。日本、朝鮮半島、中国をはじめ東アジアでは2,000年以上にわたって儒教の考えが浸透しているのよ。

 

儒教は伝来当時日本でこう使われた

 

伝来当時、不安定な時代背景のなか秩序を守るために封建制度がしかれていた日本。特に儒教の目上の人を尊敬すべきという思想(人間の上下関係を大事にすること)は、封建制度による支配(地主と小作人)を円滑に行うことを助長したんだ。

 

朱子学とは

 

朱子学は、儒教を再構築させた学問で南宋の朱熹によって確立されたもの。自己と社会、自己と宇宙は「理」という原理を介して結ばれ、自己修養による「理」の把握によって社会秩序の維持に至ることができると説いたわ。このほか、「性即理」といって、心が静かな状態である「性」を大事にしなさいと説き、性が動くと「情」になり、情が激しく動くと「欲」になる。欲を持つと心が悪になるので、情を常に性に戻すよう心掛けなさい、そうすれば社会秩序は維持されるんだよと説いたの。つまり、色々考えを巡らせずに格上の者に従いなさいということ。日本では江戸時代に領民を虐げる諸侯が多く民衆の不満が高まったため、幕府は朱子学を学ぶことを国民に奨励したのよ。つまり、階級制の社会を維持するのに都合のよい思想だったんだよ。

 

儒教と朱子学は現在の日本の全体主義に影響している!?

 

朱子学は学のない人には難しすぎて理解できなかったため、

父母に孝順せよ

長上を尊敬せよ

郷里に和睦せよ

子孫を教訓せよ

おのおの生理に安んぜよ

非為をなすなかれ

 

を説く「六諭」が発布され、この六諭が今は廃止された教育勅語にも採用されて、近代日本の考え方に影響を及ぼしたことが事実としてあるんだ。儒教と朱子学は、「動」よりも「静」を美徳とする思想。これは現在の日本の全体主義にすごく影響していると思うよ。満員電車や休みなく働く過剰労働でもめげずに耐えて通勤するのは我慢の美徳のうえに成り立っているし、会社での上司のパワハラは目上のものを敬えという儒教・朱子学の思想がベースにありそう。子供の頃から日本では周りに合わせて空気を読むことを良しとされ、こうあるべきという思想に取りつかれているのも、場を乱すのを嫌う儒教・朱子学の思想だよ。教育の分野においては、欧米の個人主義が理想とする「自分の考えをはっきり言えるようになること」よりも、日本では「教師が絶対的存在で知識を得ること・普通でいること」を1番に考えることも、儒教・朱子学にルーツがあるといえるわ。

 

儒教と朱子学に対抗する陽明学

 

明の時代に王陽明によって確立された陽明学は、これまでの儒教と朱子学の教えを真っ向から批判した革命的な思想。儒教や朱子学では動くことよりも知識先行の静を重視したんだけど、陽明学の場合は論よりも行動することを重視する「知行合一」を説いたんだよ。つまり、自己修養による「理」を重視する朱子学とは異なり、陽明学では「心即理」という概念を重視して“人に備わっている活発に活動する心”を「理」としたんだ。「親や目上の人に孝行しなさい」という儒教の考えから一転、陽明学では「親や目上の人が言っていることが孝行に値するかよく考え、間違っているなら孝行する必要はない、好きなこと・やりたいことをしなさい」という教えは従来の教えを真っ向から反対するものだったの。日本では大塩平八郎、吉田松陰や西郷隆盛などが陽明学の影響を受け、革命運動をしたんだよ。当時の政府は個人が好きなことをしたら国家が統制されないため陽明学を危険思想として扱い、その結果メジャーな思想にはならなかったんだ。

 

日本人の幸福感向上のヒントは陽明学にあるかもしれない

 

心のままに行動すると悪に傾き暴走する人もいるということが懸念されるため昔は批判もされた陽明学。その批判を受け継いだ今の日本は、陽明学的な考えを持ち自分の意見を正直に言ったりする人たちが、現状主義の儒教・朱子学的な考えを持つ人たちに批判される、まさに「出る杭は打たれる」東洋的価値観が浸透しているよね。人はどういった時にストレスを感じたり不幸な気持ちを抱くかというと、自分の考えや意見を押しつぶしたり、思ってもいないのに相手に合わせること。幸福感のベースは仕事が占める割合が大きいため、職業を選ぶ時も、親が喜ぶからとか世間体が良いからじゃなくて、陽明学的思考をもって、好きなこと・やりたいことをするようになれば日本は幸福感を感じる人が増えるんじゃないかなって思う。人と違うことを思ったり、してもいいんだって思うと心もすーっと楽になるよね。

 

日本は他の国に比べれば宗教が浸透していない国といわれるけど、実は古来から伝わる儒教・朱子学の考え方が哲学として人々の心に染みわたり、それに倣っていることがわかったよ。今でも儒教の孔子を祀っている湯島聖堂は受験生にお馴染みだよね。確かに、今の日本の秩序や行儀のよさが保たれているのは儒教・朱子学の考え方だけど、グローバル化の世の中では西洋の考えに近い陽明学的考えもプラスする思考が大事なんじゃないかな。

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