Dear B,

Digital Nomad
静岡生まれ。カナダに語学留学したのをきっかけに海外に興味を持ち、その後世界一周の旅に出発。一周後も生活の拠点を海外に移し、訪問した国は40ヵ国以上。趣味はダイビングにトレッキング、海外の可愛い雑貨集め。面白そうなイベントがあれば、世界中どこへでも飛んでいきます。現在はタイで子育てをしながら、次はどこの国に住もうか模索中。
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HOW TO
2017.07.06

「あなたの幸福度は何%ですか」

世界幸福度調査~コスタリカ人編~

かの有名な大漫画家、手塚治虫さんの代表作のひとつ『火の鳥』。永遠の命をもつ不死鳥である火の鳥にはとても美しく描かれているのですが、火の鳥のモデルになった鳥がいるのをご存知ですか? それはケツァールという鳥。筆者は中米訪問の際に、必ず火の鳥を見つけるのだ! と息巻いて、コスタリカに向かいました。息苦しいほど木々が鬱蒼と繁るジャングルの中を、1日捜し歩いた思い出があります。(結果としては、鳴き声が聞こえるのに姿は見えず……悔しかったので、その国立公園で人生初バンジージャンプをしました。)今思うと、その行動は自分でも謎ですが……。そんなコスタリカで、ツアーガイドをしてくれたアランが、今回の主人公です。ふたりの子供を持つ、一家のお父さんです。大柄な彼は笑顔がとてもチャーミングで、虫を怖がる筆者に葉っぱを渡して「虫だよ!」と驚かしてきたりと茶目っ気たっぷり。国立公園内では自分の庭のように次々と珍しい生き物や植物を見つけ出し、細かに説明をしてくれました。では、そんな彼の『幸せ』とは。どんなお話が聞けるのでしょうか……?

アラン/男性/44歳/コスタリカ人

 

ーあなたはどのくらい幸せですか(100%のうち何%幸せか教えてください)

 

すごーく幸せだよ。でも、幸せってpercentageで測れるものではないよ。

 

ーあなたを自分が幸せと思わせるものは何ですか?

 

朝起きて、奥さんと食事をして、子供たちと話をして、今日も仕事があるという当たり前の生活。毎日幸せを感じるよ。この生活を維持できている環境や社会にとても感謝している。この年になっても生きていると、面白くて、びっくりすることも沢山あるんだ。何事もポジティブに考えて、いつまでも若い自分でいたいと思っているよ。平和なこの暮らしを、一生していけたらいいなと思うよ。奥さんと一緒に、年を重ねていき子供たちの成長を見守っていきたい。与えられたこの仕事を丁寧に続けていければ、僕の人生はそれで上出来と思っているよ。

 

ーあなたの人生でいちばん大切なものは何ですか?

 

家かな。自分が人生で一番努力して作ったものだから。建物がどうこうじゃなくて、子供たちが安心して帰ってこれる、僕と奥さんが一生暮らすであろう、居心地のよい家。家族を受け入れる場所っていうのかな。なくなったら一番困るだろうな。

 

ーあなたの国の人々は幸福度が高いと思いますか?

 

幸福度は高いよ。中米や南米の国々を見てもこんなに安定している国はないだろうな。教育も、保障も充実していると思う。未来の不安がないんだ。コスタリカの周りの国を見てみなよ。やれ暴動だ、ギャングだの治安の悪い話ばかりだよ。でも、この国はそんな心配はない。軍だって持っていないけれど、それで困ったことはずいぶん長くないだろう。政府もクリーンで子供の教育支援にとっても熱心だ。コスタリカには他国から観光客がとても多く来るだろう。そして終の棲家として、ロングステイする老人も多いんだ。気候がいいし社会が安定しているから来るんだろうね。他の国の人間が住みたいと思ってくるのだからやはりとてもいい国なんだね。

 

ーあなたの国の幸福度を上げているもの、下げているものは何ですか?

 

幸福度を上げているのは、大自然だ。物理的に、観光資源としてこの国のなくてはならない収入源になっている。もちろん僕の仕事(ツアーガイド)だって、この大自然はなくてはならないしね。そのために環境をいかに壊さず、守り、世界中の人たちに見てもらうという所が重要なんだ。僕らは、大自然と共存している。先祖の人たちがこの国の密林を開拓して、人が住めるように発展してきたこの国は、ある意味、これ以上発展してはいけないと思っているよ。人間に便利なものというのはどうしても自然を壊してしまいがちだからね。

幸福度を下げているものは強いていえば、近隣諸国じゃないかな。僕たち一般市民は一生関わることはないだろうけれど、北中南米の真ん中にあるこの国は、南米から北米への麻薬ルートにどうしても加わってしまうんだ。密輸に関わるギャングたちの不穏なニュースは稀に目にするよ。そうなると少なからず治安に影響するからね。コスタリカ人が全く関与していないとは言えないけれど、どうしても情勢が不安定な近隣諸国の影響を受けてしまいがちな所が困った問題だよね。位置的に仕方がないのかもしれないし、僕らは回避しようがないのだけれど。

あと、今後不安に思う事は、ビジネスをしに来る外国人たちだ。仕事をリタイヤしてコスタリカでロングステイしている人たちはいいんだけれど、ビジネスをしようとする外国人はとても脅威だよ。アメリカなどの大手企業や資金を持った人たちに、ノウハウを持って来られたら太刀打ちができないし、勤勉にコツコツ築き上げてきたコスタリカ人の仕事を奪われてしまいそうで。この国の法律があるから大丈夫だとは思うけれど、自然を壊されないかも心配だね。

 

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