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Digital Nomad
10年前から海外のあちこちを転々とし、デジタルノマドの生活を実践しているアメリカ出身のプロデジタルノマド。10代の後半からミュージシャンとして活動し、ここ10年は自身が開発した管理ソフトを世界中で展開している。デジタルノマドを通した未来論を紹介。
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HOW TO
2017.07.26

もうこんなにも置き換わっている 

AIが奪った仕事、奪われるであろう仕事

AIという言葉がメディアで登場しない日はないのではないでしょうか。それだけAIは自分たちの暮らしに身近なものになっています。AIは「ディープラーニング機能」を兼ね備えた自律して学習をするコンピューターのことです。AIが登場したおかげで我々の生活はとても便利でストレスフリーなものになりました。

 

また、その発展のスピードはめまぐるしく、例えば各自動車メーカーが開発をしている自動運転技術も実用化されていない技術はあるものの、すでに人の手を使わずとも目的地に連れていってくれるまでに進歩しています。

 

このまま、AIが成熟していけばより便利な世の中になることは間違いありませんが、その反面で、AIが人の仕事を奪い始めていることをご存知でしょうか。

 

先ほどの自動運転によって近い将来、タクシー運転手の仕事というのがなくなるのでは、と予想されていますが、実はAIによって代替可能な職種はこれだけではありません。中には、「こんな仕事も!?」という職種まですでにAIの導入が検討されているものがあるのです。

 

 

 

1.10年以内にAIが奪うと言われている仕事、 なくならないと言われている仕事10選

 

2017年2月に、三井住友銀行が「Watson Explorer」というAIの導入を発表しました。これらを銀行のコールセンターなどに導入しデータの照会などを人に代わって行うというのです。これにより迅速かつ正確な顧客対応ができるようになると期待されています。他にもECサイトで顧客対応チャットなどはAIによって代替可能になるでしょう。

 

銀行での対人業務はすでにAI化が加速しており、三菱UFJ銀行もAI対話アプリであるAmiAgentの採用を決定しました。Bloombergニュースによると、三菱UFJファイナンシャルグループは全社員の7%にあたる1万人規模の人員削減をこの先10年で行うとのことです。AI導入が直接の原因かは断定できませんが、低金利によって減収が続く銀行にとってAIによってコストカットを図っていくことは今後、一般的になっていくのかもしれません。

 

 今の子どもたちの世代が大人になる頃には現在の仕事の半分は消滅している、という予測がされているそうです。それほどAIの発達というのは目まぐるしいのですが、実際にどんな仕事がなくなると考えられているのか、そして人間にしかできない仕事とは何なのか、下記にまとめてみました。

 

 

<10年以内によってAIが導入される可能性が高い職種>

 

1.タクシー運転手

2.医者助手

3.弁護士助手

4.カスタマーサービススタッフ

5.セールスマン

6.レジ業務スタッフ

7.配達員

8.秘書

9.会計士

10.事務員

など

 

<AIによる代替が難しい職業>

 

1.インストラクター

2.経営者

3.アーティスト

4.カウンセラー

5.セラピスト

6.ソーシャルワーカー

7.医者

8.弁護士

9.聖職者

10.修理・施工業者

など

 

ちなみに上記でなくなる可能性が高い仕事や残るとされている仕事はオックスフォード大学准教授マイケル・オズボーン氏が自身の論文にて発表した職種です。

 

注意しておきたいのは、業界全ての人員がAIに取って代わるのではないということです。医者でも患者とコミュニケーションをとりながら治療を進めていくのは人間でないとできないことです。その代わりレントゲンなどの画像診断などはAIでベテラン医師を超える診断能力が期待されています。過去の膨大な症例と照らし合わせる作業はAIが最も得意とすることだからです。弁護士でも感情を汲み取ったりすることは人間でないとできませんが、過去の判例に鑑みて判決の手助けをするのはAIに任せたほうがはるかに効率的だと考えられます。

 

残る仕事をみていると意思決定を下す職種(経営者など)、人の感情を汲み取る能力が必要な職種(インストラクター)などはむしろAIによって自分の力を存分に発揮できるようになるのではないでしょうか。

 

 

2.海外でもあるAI が奪ったor数年で奪うと言われている仕事

 

さて、AIの導入が進んでいる海外ではすでに多くの業界にAIが導入されています。決して未来の話ではなく数年以内に大きな変革が起こる可能性があるのです。

下記はその一例です。

 

IBMが開発したWatson

 

三井住友銀行が導入したAIプラットフォームですでに保険や教育など幅広い分野で導入されています。

 

ドバイではロボット警察官が誕生

 

20175月に会場案内を行うための警官ロボットを採用するとドバイ警察が発表しました。スペインのPAL Robotics社がつくったREEMというロボットを基にした人型ロボットで、今のところは警察官全てをロボット入れ替えるということは考えていないようです。

 

日本のコンビニは10年以内に無人になる

 

日本のコンビニ大手はすでにコンビニの無人化を検討しているようです。

 

メルセデスベンツが手がける自動運転トラック

 

自動運転というとタクシーや一般車両のイメージがありますが、今では大型トラックも自動運転によって操縦可能。夜中に高速のSAで停まっている大量のトラック、あの風景がなくなるのも近い未来なのかもしれませんね。

 

Google傘下のDeepMind社の開発する眼疾患診断AI

 

かなり高い精度で眼の病気を判別できるというAIです。今後は医療における画像診断はAIによって行われる可能性が高いでしょう。

 

3.AIに仕事を奪われたら人間はどうなる?

 

さて、AIによって仕事の概念が大きく変わることは間違いないでしょう。もちろんAIによってなくなる仕事もあれば、新たに生まれる職業もあるでしょう。また生身の人間への安心感というのは変わらないので、人によるサービスにも今まで以上の付加価値が生まれるはずです。

 

とはいっても。AI技術は日進月歩なので、今後もあらゆる業界でAIというのは普及していくでしょう。そんな時に人間は一体どうすればいいのか。AIによる大失業時代が来るのではないか。不安が尽きませんね。

 

0から1を作れる起業家は今後も生き残っていくことでしょう。しかし、データ処理や豊富な知識を売りにしていた人たちにとってはAIに取って代わられるリスクが高まるのです。そして、労働人口の中で圧倒的に多いのは後者です。

 

実は、AIが人間の仕事が奪われることを見越してすでに世界は動き始めています。そのひとつとして期待されているのがベーシックインカムという政策です。ベーシックインカムは今までの資本主義や社会主義の間のハイブリッドのような考え方に基づいてつくられたもので、フィンランドを始め、各国で導入実験が始まっています。

 

4.ベーシックインカムはAI時代の解決策?

 

ベーシックインカムを一言で説明すると、「生活に必要最低限のお金を誰にでも一律で現金を支給する」という仕組みです。今までは失業者や疾病など、特定の理由で働けない人や高齢者を対象に、それぞれの要件を満たした人にだけ社会保障として一定の現金が支給されていました。今後はそれを一元化して、子どもなら1ヵ月にいくら、大人であれば月にいくら、といった具合に支給額を固定してしまうのですね。これによって貧困に苦しむ人が減り、さらに仕事をする自由はあるので、自分の人生のために必要な分だけ働くこともできるわけです。

 

何もしていなくても政府からお金が支払われたら、お金のために働く人は少なくなります。家族の時間や自分の時間というのも格段に増え、QOL(生活の質)が上がるのではないかと期待されています。

 

しかし、ベーシックインカムの導入には各国が慎重な姿勢をみせており、スイスではベーシックインカムを導入するかどうか国民投票が行われましたが、導入は見送られました。また、日本のように高齢化社会が問題になっている国では税収によって全国民のベーシックインカムをそもそもまかなえるのかが、そもそも疑問視されており、まだ実現に向けては課題が山積みとなっているのが現状です。

 

AIによってすでに我々の仕事の多くは変わりつつあります。そしてベーシックインカムなどを筆頭に来たるAI時代に向けて人間はどう生きていくべきか、という議論が識者の間で交わされています。AIにおいては倫理的な面で解決しなければいけない問題も多いので、今後もすぐに本格的な導入がされるわけではなく、試験的な導入をしてから検討がされるでしょう。

 

AIによって自分の仕事がなくなったらどうしよう……。」と悩みすぎる必要は決してありませんが、自分が自分をプロデュースする意識を持って、新たなスキルを学ぶことも重要ですし、「人が人として人に接する」仕事とは何なのか、自分なりに考えておくことで、時代の変化に対応できるのではないでしょうか。

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