歯の白い詰め物＆被せ物のメリットは

見た目だけじゃなかった！

「銀歯になるのはイヤ！でも白いのは高いから、まぁ見えない奥歯は銀でもいっか……」そんなふうに思っていない？　だいすけ先生がみんなに嫌われちゃうのを覚悟で歯科診療における『保険診療』と『自由診療』について本音で語ってくれたよ。歯医者さんに行く時の参考にしてね！

歯科における保険診療と自由診療、イメージとしてあるのは、詰め物、被せ物が『保険診療は銀』で『自費の自由診療は白』ということじゃないですか？

そうね、確かにそういうイメージ。

少し日本の医療制度の歴史にふれておくと、「保険診療」は、「お金がないことを理由に医療を受けられない人をなくそう」と昭和２年に考えられた制度なんです。日本って助け合いの精神が素晴らしいですよね。ただその反面、「贅沢は言わないでね、本人が３割、国が残りの７割を負担するんだから高い治療はやめてね」ということもあります。

なるほど。

私も白い詰め物、被せ物はいいなって思ってたんだけど、やっぱり自由診療って高いんでしょ？

歯の場所や素材、クリニックによっても違いますが、だいたい１本あたり１０万前後しますね。

でもね、この画像をみて下さい。

わわっ、銀歯を取ったら周りが黒くなってる。

保険診療では、型取りの精度がまぁまぁなものを使うルールになっています。欧米などで開発された精度の良い、高い型取りは、国の予算オーバーで買えないんです。

もちろん保険診療の型取りも問題ない範囲ではありますけどね。

そういうことか。でも実際、詰め物、被せ物の色の違いは分かっても、型取りの材料の違いのことまでは分からないもん。

まぁそうですよね。保険診療と自由診療、白か銀、色の違いだけだと思っていませんでしたか？

思っていました。

色だけなら保険診療でできる白いのもありますよ。

こんなふうに……。

本当だ。白。。。？　ってか、黄色くない？

よく前歯は「保険診療でも白にできる」と思われているんですが、その白の素材はプラスチック（レジン）なんですよ。国の負担を考慮してコストを抑え、見た目も考慮して白にはできますが、プラスチックのデメリットは吸水性があるということです。結果、時間が経つと変色しやすい、ということはつまり、汚れがつきやすいということです。

同じ白でも、材料によって全然違うってことかー。

治療を受ける時には先生の話をよく聞いて、もっと慎重になるべきね。

ただ、やっぱりお金の話になると嫌がられることもあるので、すすめない先生もいたりします。実際、私も申し訳ないですがお話ししない時もあります。

歯科の場合、術者、つまり、歯科医師の技術は「保険診療」であろうが「自由診療」であろうが変わりません。ただ「自由診療」は文字通り、使う材料が「自由」。詰め物や被せ物を作ってもらう職人さんもより技術力の高い匠みたいな人にお願いする「自由」があるということです。

まぁ食事ならかけられる金額によってファーストフード、こだわりの日本料理、フランス料理など自由に選べるじゃないですか？　

実際、歯の詰め物や被せ物はいわばQOL、一生に関わってきますから何を選択するかってとても大事ですよね。

そういうことか……。

じゃあ、だいすけ先生、銀歯じゃなくて自由診療で白いセラミックの歯にするメリットを教えて！

セラミックにもいくつか種類があって少しずつ違いがあるのですが、どれにも共通する４つのおすすめ点を教えますね。

１つ目は、強度が高く自然な白さが長持ちするということ。

強度もあって汚れがつきにくく、きれいな状態が長持ちするので、治療後の虫歯や歯周病予防にもなります。

２つ目は、金属アレルギーの予防です。

既に金属アレルギーがある人は金属の詰め物はおすすめできませんし、症状がない人でも歯の詰め物が原因で突然金属アレルギーを発症するケースがあるからです。

３つ目は、歯茎の変色を防げること。

差し歯などによる歯と歯茎の境目の黒ずみは、一度なってしまうと元に戻りません。特に前歯だと笑った時などに目立つので気になりますよね。

４つ目は、審美性が高いこと。

やっぱり歯の美しさ、見た目って大事ですよね。デジタルノマドの皆さんは海外にいる時間も長いですし、特に欧米に行くと感じているんじゃないですか？　日本は審美歯科の部分が遅れているなーって。

確かにそれは感じるなぁ。国によっては歯が汚いと出世できないというくらいだもの……。

へぇ、そうなんですね。さすが、海外の事情に詳しいですね。もっと日本人も歯のことに興味を持って欲しいな。

そうね。欧米人に比べると知らないことが沢山だわ。

先ほどもお話ししたようにお金のかかる話は嫌われるので、ほとんどの歯医者さんは患者さんに求められない限り自由診療の話はしません。でもですね、自分の大切な人、パートナー、家族、スタッフに「保険診療」で被せ物などをする歯科医師は、ほぼほぼいないんじゃないでしょうか……。

そっかー。それが歯医者さんの本音ってことか。

まぁお金のかかる話ですからすぐに理解して頂くことは難しいかもしれません。ただ今回お話ししたことを、頭の片隅に入れておいて欲しいなぁとは思います。

先日も大学生の女の子と「白にしたいけどお金がないから１ヵ月１万円ずつ貯金します」「じゃあ、半年後、白いのにしましょう」というお話しをしました。

歯医者さんも人間ですからね、頑張る人にはなんとか寄り添いたいですよ。

但しあくまでも今回ここでお話ししたことは、治療しなければならなくなったらの場合の話です。基本的には、天然歯、生まれ持った自分の歯が一番です。そこだけは勘違いしないでくださいね。

はい、わかりました。だいすけ先生って正直なヒトね。(笑)

ところで今日は、歯ブラシ、フロス、補助器具を使って歯みがきしましたか？

もちろん！

OK！

一番大切なのは予防歯科です！それをお忘れなく。

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治療を受ける前に、歯医者さんとよくお話ししていますか？

歯医者さんに治療についてわからないことを質問していますか？

納得した治療を受けていますか？

歯の健康は身体の健康に通じています。もっと自分の歯を大切にして下さいね。

だいすけ先生の profile

安岡大介(Daisuke Yasuoka)30歳 

経歴

H24.4 神戸大学歯科口腔外科入局
H26.4 東大阪歯内療法専門医の元で勤務
H27.5~安岡歯科医院継承
http://yasuoka.dental-office.jp/index.html

所属学会
日本歯科医師会
ヘルスケア歯科学会
神戸careクラブ
神戸グリーンクラブ
神戸GP倶楽部
ESC
日本顎咬合学会
糖尿病協力歯科登録医
エピペン登録医
食育指導士

メッセージ

私事ですが、小学校5年生の時に歯科医師である父が41歳で亡くなりました。そして、弟は25歳 という若さで亡くなりました。そんな紆余曲折を経て、卒後2年目で理事長、卒後3年目で医院長就任という歯医者さん業界の中では考えられない数奇な人生を歩んでおります。限られた人生の中でいかに今を楽しむか、いわゆるQOL(クオリティ・オブ・ライフ)ということをいつも心して患者さんに向き合い、自分自身も毎日を大切に過ごしています。QOLの向上に歯の健康は欠かせないものです。みなさんの歯の健康のために、QOL向上のために、ここで発信したことがお役に立つことを願って。