Digital Nomad

静岡生まれ。カナダに語学留学したのをきっかけに海外に興味を持ち、その後世界一周の旅に出発。一周後も生活の拠点を海外に移し、訪問した国は４０ヵ国以上。趣味はダイビングにトレッキング、海外の可愛い雑貨集め。面白そうなイベントがあれば、世界中どこへでも飛んでいきます。現在はタイで子育てをしながら、次はどこの国に住もうか模索中。

2017.08.10

「あなたの幸福度は何%ですか」
世界幸福度調査～ポーランド人編～

筆者がポーランドに行った目的は、ユダヤ人のホロコーストがされていたと有名なアウシュヴィッツ強制収容所と、無数の十字架やマリア像が置かれる十字架の丘を見てみたかったから。どちらも戦争や、人の生死に関わる遺産で、正直明るい観光ではないのですが、世界中を廻っているうちに、悲しい歴史も見ておきたいなとふと思ったのです。いざポーランドについてみると空は曇り空。イメージが先行しているため、なんだか町の雰囲気も暗く感じました。実際アウシュビッツ強制収容所に赴いた日は、生憎のお天気で、少し怖々収容所に入ったのですが、入ったとたん天候は雷雨に変わり、ムードたっぷりでした。けして面白半分で行ったわけではなかったのですが、本やインターネットで見聞きした史実では私の足りない頭では「悲しい歴史だな……」というくらいしか感じませんでしたが、現場に降り立ってみると言葉では言い表せない恐怖と、本当にこんな事をしなくてはいけなかったのか？　同じ人間ができる仕業なのか？　という疑問、沢山の感情が渦巻きました。これらのものには諸説あり、本当の歴史が何なのかという事は分りえませんが、これからの未来に世界で起きないでほしいという願いは、確実なものだと感じました。そんなこんなでポーランド滞在前半は、感慨深く少しネガティブな気持ちでいたのですが、滞在中に一緒にいた旅友達に夜にライブがあるから行かない？　と誘われました。ポーランドでライブ？　それも結構ハードな感じの？　と思いましたが暇だったので行ってみる事に。実際行ってみると、それはそれは激しいメタルバンドのライブでした。一緒に行った友人の友人であるポーランド人と話してもとてもフランクで、明るく、人懐っこい人でした。色んなところを観光し、ポーランドは暗い……眉間にしわ寄せた堅そうな人が多そう（失礼…）と思っていた筆者は拍子抜け。個人的には、他の欧米諸国の方々より親切で話しやすかったです。今回はその時に知り合った女性オルガに話を聞きました。ライブ会場で、美しい容姿に反して激しく観戦していた彼女。当時はあまり深く語り合う事はありませんでしたが、今回ゆっくりとインタビューに答えてくれました。では、彼女はどんな事を思い、生きているのか……覗いてみましょう。

オルガ/女性/34歳/ポーランド人

ーあなたはどのくらい幸せですか(100%のうち何%幸せか教えてください）

ポジティブな意味で50％。今の生活は平穏、というのかな。辛い事が今まであったから、やっと静かになって凪の時期。これから上がっていくのを楽しみな意味も込めて。

ーあなたを自分が幸せと思わせるものは何ですか？

子供が笑ってくれたとき。子育てってすっごく大変な事と、すっごく幸せな事の組み合わせで、大変な思いをしている時間と幸せに感じる時間って同じくらいじゃないかなと思うの。でも幸せを感じている時の密度が濃いって言うのかな。大変な時間がすごく長くても、子供の笑顔や、成長した姿を一瞬でも見たら、オールオッケー！　って思っちゃうの。不思議よね。

ーあなたの人生でいちばん大切なものは何ですか？

１番は子供ね。２番目は私の時間。独身で自分に沢山時間を使える友達を見ると、たまに本当に羨ましくなる。私は、結婚して、離婚して子供を引き取ったの。すべて自分が決めた事だから、誰のせいにするつもりもないけれど、離婚した当初はすごく苦しい時間だった。いい母親で、父親の分もがんばって、子供たちを幸せにするのは当たり前。正論はわかっているけれど、それでは片づけられない気持ちが渦巻いた。でも両親や、友人からのサポートを受けて、徐々に自分を取り戻したわ。結婚していた時は喧嘩が絶えなくて、子供たちに辛い怖い思いを沢山させた。だから、平穏な生活を作れただけでも、離婚してよかったんだと思えた。そして、そんな事実を作ったのは私なのだから人一倍がんばらなくては、と気負いがあったけれど、それもやめた。自分が息を抜けて、楽しめる時間を作る事も大切だわ。私がストレスを溜めて家庭環境が悪くなるのは、結婚していた時と同じだもの。

ーあなたの国の人々は幸福度が高いと思いますか？

国単位で言われるとわからないわね。幸せかどうかというのは、比較してわかるものだと思うけれど、人間の生活というのは多様すぎて大きな単位で比べられるものじゃないと思うの。ヨーロッパの中ですごく発展しているわけではないし、お金持ちなわけでもない。でも経済が破綻しているわけでもないし、普通なんじゃないかしら。でも、その普通が一番幸せなのかもしれない、と大人になってみてわかったわ。