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BRIDGETと友人達のLetterを管理するDear B,のEditor達。彼女達の目標は、多くの女の子をBRIDGETのように世界に飛び立たせること。
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WORLD
2017.10.18

給料、英語力、ビザ、保険はどうなる?

海外就職体験談 ヨーロッパ・ベルギー編

海外就職・転職に必要な情報を

先輩達から学びましょう

いつかは海外就職・転職をしたいと夢みているけど、実際現地でどんな生活ができるのか想像がつかない! 何から準備したらいいのか分からないという皆さんに向けた連載が「海外転職体験談」です。ヨーロッパ、アメリカ、アジアを中心に海外就職・転職を実現させた日本人のみなさんに、どうやって現地の仕事を探したか、転職前の準備金や仕事の内容、労働時間、ビザ、年金、保険まで海外転職にまつわるイロハについて伺っていきます。

名前: E.K.
年齢: 41
性別: 女性
語学力:英語TOEIC 915・英検準1級、オランダ語(レベル3)、タガログ語(日常会話)、スペイン語(基礎)
 ご経歴:東京の外資系IT会社、派遣社員、外資系金融企業でのアシスタント業務などを経て、ベルギー人である夫の仕事の都合で退職し渡欧。英語だけでは、義理の家族や社会でのコミュニケーションが十分に取れないことを実感し、オランダ語の社会人クラスで基礎レベルを習得しつつ、現地公的機関や民間企業で勤務。日本に帰国後、外資系企業に転職、12年過ごしたのち、再び渡欧。フリーランス期間を経て、再度民間企業への転職を果たす。

 

Q1.留学経験はありますか?

 

東京の高校卒業後、子どものころに住んだこともあるフィリピンで、英語教育に身を置くため大学に進学し、コミュニケーション学を学びました。

 

Q2.転職前に準備した金額を教えてください。

 

1回目の渡欧の際は、あまり貯金に余裕がなく、義父母宅にて2世帯住宅で暮らしました。直近の転職では、日本の家具などの海外引越費用、子供たちも含めた転居先での新生活準備のため、少なくとも数百万円をすぐに引き出せるように準備しておきました。

 

Q3.どのように仕事を探しましたか?

 

履歴書とLinkedInプロファイルを整え、自分の経歴や、スキルなどを具体的に掲載したウェブサイトを作成。34社の転職サイトに登録し、自分のプロファイルがマッチすると思った募集案件に応募していました。

 

Q4.就職活動はどのような準備をしましたか?

 

面接が決まったものについては、求められている職務内容に最も関連する自分の過去の経歴について、きちんと説明できるように、夫に説明を聞いてもらいました。また、過去の職場で受け取った評価内容や人格テストでの自分の特徴を再度客観的に見直しました。2次面接以降に進んだ案件については、対象企業についてきちんとした質問ができるよう、自分なりにその企業についてリサーチしてまとめておきました。

 

Q5.仕事の内容を教えてください

 

初めての海外転職の時は、日本での企業・商慣習トレーニングプログラムに参加する欧州ビジネスパーソンの募集とフォローでした。その後民間企業でマーケティングリサーチアナリストとして転職いたしました。直近では日本での様々なマーケティング系業務経験を生かして、フリーランスとして大小プロジェクトを支えたのち、米系企業の欧州本社にて、主に日本市場向けのマーケティングマネージャーとして採用されました。

 

 

Q6.仕事では外国語を使いますか?

 

欧州では多国籍なチームに配属されておりますので、英語が基本です。欧州現地のスタッフとは現地語の一つである、オランダ語で話します。

 

Q7.給与および税金はいくらくらいですか?

 

かなり企業ごとに差があると思いますが、マネージャーレベル以上ですと、基本給が年間5万-6万ユーロ以上で、ボーナスがあり、社用車をリースしてくれることが一般的です。ただし、社会保険や税金がとても高いので、最終的に手取りは基本給の半分くらいになってしまいます。

 

Q8.労働時間はどのくらいですか?

 

こちらでは労働時間がとても厳しく管理されていますので、フルタイム社員であっても週の労働時間は、一般的に37.5から40時間の間の土・日休み、残業はありません。日曜日はスーパーや店舗も営業していないところが圧倒的です。管理職以上は自己管理の範囲ですが、残業代は出ず、長時間労働は、仕事ができない証のように見られることもあり、一般的には多くありません。ただし、ホテル・レストラン業界などはこの限りではありません。

 

Q9.休暇はどのくらいとれますか?

 

年間20日ですが、前年現地で働いていないと有給はもらえません。

 

Q10.ビザはどうされていますか?

 

配偶者ビザがあり、EU圏内であれば就労できます。

 

 

Q11.退職したらどうなりますか?

 

会社経由でのビザではないので、特にありません。

 

Q12.海外就職のメリットとデメリットを教えてください

 

デメリットは、欧州は国が分かれているので、労働市場が非常に小さいです。英語圏ではないので英語以外の言葉がペラペラでないと、まずそこで落とされてしまうため、言葉のデメリットを上回る「手に職」「現地人ではなくて自分が持つ強み」を持つ必要があります。リクルーターはあまり積極的でないので、自分で能動的に情報を取っていかないと放っておかれてしまいます。

手取りが少ないのは大きなデメリットですが、ワークライフバランスが良くて、個人・家庭生活は充実しているので、時間単価で考えれば長時間労働が常態化している日本より高くなり、それがメリットだと思います。

 

Q13.日本の労働環境との違いを教えてください

 

仕事と個人・家庭生活に対する割り切りが全く違い、生活が最重要事項ですので、日本のような「仕事のために子供を時間外で預かってくれるところがほしい」というような議論はありえません。あらゆる仕事が日本よりはるかに少ない人数で回しているので、他人、自分の範囲外の業務には干渉しません。早朝出社はしても、残業できないので、終了・帰宅時間は厳守、決められたことに対して「どうやったら無駄を省けるか」を常に考えており、上下関係もあまり重視せず、個々人の自己主張も強いので、やりかたを勝手に変えていることもしばしばです。圧倒的に労働者保護の規制、社会慣習なので、上に立つ方が大変です。

給料が上がれば上がるほど税率も高くなるので、野心的にがむしゃらに仕事に打ち込む人は少ないです。

 

Q14.職場で日本人であるメリットはありますか?

 

現地企業の唯一の日本人である場合は、「日本」に関連する本来の業務外の話(ちょっとした翻訳や日本のクライアントのアテンドなど)が舞い込んだりして、重宝されました。ただ、日常的に多国籍な人々と働くのに慣れているので、それよりは、住んでいる地域が一緒、といったことの方が打ち解けられます。

 

Q15.年金や医療保険について教えてください

 

給料の約半分が差し引かれますが、その代わり、高速道路は無料、教育や医療費は日本よりはるかに負担額が少なく、保証が充実しています。また、日本とベルギーは社会保障協定を締結していますので、2国間の年金制度加入期間は合算することができます。

 

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