Dear B,

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BRIDGETと友人達のLetterを管理するDear B,のEditor達。彼女達の目標は、多くの女の子をBRIDGETのように世界に飛び立たせること。
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HOW TO
2017.10.26

定住せずに旅をしながら暮らす

デジタルノマドがあたりまえになる理由

Dear B,は、デジタル機器を用いて仕事をし、定住せずに旅をしながら暮らす新しいライフスタイル「デジタルノマド」を提案していますが、このライフスタイルは10年後には新しいものではなく、あたりまえに存在するものになるのではないかと予測しています。デジタルノマドフレンドリーな国、エストニアの政府CIOタヴィー・コトカや、デジタルノマドのお役立ち情報を掲載しているウェブサイト、ノマドリストのファウンダーピーター・レベルは2035年までにデジタルノマドの数は世界で10億人に達すると予測しています。10億人というのはなかなか想像しづらい数字ですが、なぜ定住せずに移動をしながら暮らす人が増えるのか考えてみました。

 

1.移動手段がもっと簡単で早く、安くなる

日本国内にエアアジア・ジャパン、ジェットスター・ジャパンが就航した2012年の年は”LCC元年と呼ばれたようですが、このLCC(格安航空会社)のおかげで、ずいぶんと航空券の値段は下がり、人類は安価に旅をする手段を手に入れました。航空券の価格比較サイトSky scannerで調べてみると、20171219日の東京ーバンコク便はLCCのエアアジアを使うと片道16,400円、香港まではジェットスターでたった7,246円で飛ぶことができます。2万円を切る交通費は下手したら国内移動より安いのでは。地方の人が実家に帰るよりも安価に海外に行ける時代です。

 

さらにテスラ・スペースX社のCEOイーロン・マスクは、2017年にロケット旅客機BFRの構想を発表。これが実現すれば、東京—ニューヨーク間はなんと37分で移動ができるそう。ランチに香港で中華を食べて、ディナーにパリでフレンチのコースを食べるという1日に複数回の移動も不可能じゃありませんね。

 

2.シェアリングエコノミーがさらに育つ

シェアリングエコノミーと言われて思いつくサービスとは何でしょうか? デジタルノマドのライフスタイルが、庶民にも実現可能になったのは、先にあげたLCCとシェアリングサービスのおかげです。アメリカや西ヨーロッパ諸国のホテルの価格は最低でも11万円。ホテル代だけで、11万円かかってしまうとしたら、デジタルノマドというライフスタイルはよっぽど資本家でないかぎり成り立ちません。

シェアリングエコノミーの代表選手airbnbは暮らすような旅のスタイルを実現させてくれましたが、それは体験の楽しさだけではなく、その安価な滞在費が理由でしょう。ヨーロッパ国内でも4000円〜6000円ほどで、個室に宿泊することができます。

 

2014年のAirbnbの日本法人設立以降、勢いを増したシェア系のスタートアップ。C to Cの配車サービスUberや便利屋マッチングのタスクラビットなど、人間の暮らしにまつわるものは全てこういったオンデマンドのシェアサービスでニーズを満たすことができるでしょう。

 

3.ミニマリストが増える

2010年に流行語大賞にノミネートされた「断捨離」。この断捨離という概念を広く伝えた書籍「『新・片づけ術「断捨離」』の出版」以降、2000年代を代表するといっても過言でないほど、ブームとなったミニマリスト思想。物を沢山持ち、自分の家に蓄えるということは、団塊の世代以上の人々の価値観で、それ以降、特にミレニアムズ以降の人間はミニマリズムを好む傾向にあります。また、世界にもこのミニマリスト信仰の民は多く、近藤まりえさん著の「人生がときめく片付けの魔法」や、フランス人のミニマルな暮らしの体験談をまとめた「フランス人は10着しか服を持たない」は、海を越えた多くの女性達の共感を得ました。

 

 

 

デジタルノマドのライフスタイルはまさに、このミニマリストでないと成り立ちません。私が旅に出る時にスーツケースに入れている衣類は、スカートが3枚、ワンピースが2枚、セーターが3枚、カーディガンが1枚、ジャケットが1枚のちょうど10着です。正直これで十分だと感じています。飽きたら今持っている服を手放して新しいものを手に入れればいいのです。日々の暮らしには10着のワードローブで十分。そして、限られたものだからこそ、持ち運ぶ物にはこだわりがあります。トリートメントは洗い上がりの手触りが心地よいフランスのKloane、歯磨き粉はフレッシュな後味がお気に入りのCouto、リップクリームは高価だけど保湿力抜群のCAUALIE。持ち運ぶものにはこだわりますが、運べる量は限られているので無駄なものを買うことはありません。

 

 

4.フリーランサーの台頭

私の周りの友人のデジタルノマドには、必要があって世界をまわっている人も少なくありません。ビジネスを世界に拡げるために、リクルートのために、顧客探しのために世界をまわっているという人も沢山います。

 

デジタルノマドに多いのは、小規模ビジネスのオーナーやフリーランサーです。現在アメリカの労働人口の1/3がフリーランサー、小規模ビジネスのオーナーというデータが米フリーランスユニオンの調査からでていますが、国内のビジネスを世界に展開するということも不可能ではないのです。

 

なぜ今、アメリカ人の1/3はフリーランサーなのか?

 

例えば、知人のアメリカ人のデジタルノマドは、ネット予約のシステムを世界中のビューティーサロンやスクールに販売しています。日本が好きな彼は1年の数ヶ月東京に滞在しますが、滞在中に欧米で人気のある無重力スパが日本にはないことに気づき、日本に代理人をたててオープンまでこぎ着けたそう。日本に落ち着くのかと思えば、ビジネスは現地の人にまかせているので、その必要はなく引き続き飛回る生活を続けるそうです。このように、滞在地で多くの刺激やインスピレーションを得て、デジタルノマド達は世界中にビジネスを拡げていくでしょう。

 

5.多動の民が顕在化する

 

多動症というとネガティブに語られることが多かったのですが、2017年に出版された、堀江貴文さんの「多動力」や高城剛さんの「多動日記」はベストセラーになり、多動という言葉に光があたりました。多動症は遺伝子が影響しているという調査があります。

多動症は旅をやめるな!! 彼らが移動し続けるべき遺伝子的理由

ドーパミンD4受容体アレル変異(DRD4)遺伝子を持つ人は、新しい場所、新しいアイディア、新しい食べ物、新しいセックスパートナーを常に求めていて、遺伝子ベースで、移動や変化や冒険などリスクをとる生き方を好み、人以上に活動量が多いとのこと。そして歴史的にみても、世界を開拓してきたのはこの多動の遺伝子をもっている人なのだとか。動かずにはいられないデジタルノマド達は、人類の進化に大きく貢献してくれるでしょう。

 

 

6.肉体を使いたくなる

ここ3年のインターネットトレンドを調べていくと、VR(ヴァーチャルリアリティー)がかならず出てきます。VRが発達した今、VR上で会議に参加ができるサービスやVR上で授業が受けられるVRカレッジ、試合の臨場感が伝わるVRスポーツ観戦などVRの性能が上がればあがるほど、人々はその世界に没頭し、いずれは映画マトリックスやサロゲートのようにVRの中で暮らす人間が増えていくのではないかと個人的に予測しています。VRの中に存在するようになったら、肉体を使う機会が減り、我々が肉体を持った人間として存在する意味があるのか? という疑問も残りますが、移動()というのはまさにこの肉体を使い、体験を体で味わうことができる貴重な機会になると思うのです。

→2025年までに800億ドル市場!? VRの中に生きる人類の未来とは?

 

7.地球にいられる時間の制限を思い出す 

「我々は実は宇宙人で、地球に遊びにきている。地球で遊べる制限時間は約80年と言われたらどう感じるでしょうか?」 日々の生活では時間の制限を感じない人間ですが、我々が肉体をもって地球にいられる時間は有限です。有限な時間を朝起きて会社という箱に通う同じ時間にしてしまうのか、それともこの惑星を探検するのか、時間の使い方は自分次第です。人は死を向かえる際の後悔に「もっと旅をして地球を見ておけばよかった」というものがあるそうです。年に1回の海外旅行、海外旅行は老後の楽しみ! で片付けてしまってよいものでしょうか?

 

8.人々が自分のアングルで世界を表現しはじめる

 

デジタルノマドの中には、自己をブランディングして発信するユーチューバーやインスタグラマーのような人々もいます。先に紹介したビジネスマンデジタルノマドと同じく、彼らの生活も実に無駄がないなあと思います。旅をコンテンツにお金にしているわけですから。

 

地球や世界は普遍でも、その人によってそれを角度は違います。人というフィルターを通れば、普遍な世界もいかようにも調理されるのです。そしてそれが、人々を楽しませるコンテンツになる。次の項目でもお話しますが、テクノロジーの発達により人類が今のように仕事をしなくて良くなる時代が必ずくると私は信じています。しかしながら、仕事というのは人生における大きなコンテンツです。これがなくなった人間は時間を何に費やすのか? そのひとつの答えとして、自分を刻むこと、自分というフィルターを通してこの世界を伝えることに時間を費やしていくのではないかと私は考えています。

ラグジュアリーな旅が彼女の仕事アレクサンドラ・ペレイラ

 

9.仕事をしなくてよくなる

テクノロジーの発達。2045年頃訪れると予測されるシンギュラリティー(技術的特異点)というものがりますが、これはAI(人工知能)が人間の能力を超え、AIが自ら生産活動を始めるということが起こるそう。AIが自発的に生産活動を行うこの時代は、人間に必要なものは瞬時にそして自動的に形になり、全てのサービス、物、システムが最適化されていくことでしょう。今までのように通うべき箱(会社)1日中にらめっこする箱(コンピュータ)を失った私達は一体何を始めるでしょうか? なぜ、自分が生きているのか、人間とか何なのか? 人の進化とは何か? それぞれが哲学をするようになり、7.で話したように地球にいられる制限を思い出すかもしれません。

AI時代到来でベーシックインカムが人類を救う!?

 

10.世界がフラットになる

さて、冒頭で紹介したエストニア政府CIOタヴィー・コトカやノマドリストのファウンダーピーター・レベルが指摘するように、8年後デジタルノマドが10億人となり、我々にとって「あたりまえのライフスタイル」になったら世界はどうなるでしょうか? このライフスタイルの中で生まれた子供は自分がどこの国出身だということを意識しなくなるかもしれません。人種もさらに交わり合い、いずれは国という区分もなくなるかもしれません。まだ今の我々には想像もつかない世界ではありますが、世界は確実にさらにフラットになっていくでしょう。

 

いかがでしょうか? デジタルノマドがあたりまえになる未来を想像していただけましたか? 時代は確実に進んでいます。初期のi-phoneが発売されたのは、今から約10年前。今ではすっかり私達の生活から欠かせないツールとなったスマートフォンやアプリですが、10年前にはなかったものです。このように現在のあたりまえが数年後にはあたりまえでなくなっている、また今あたりまえでないことが将来にはあたりまえになっているということがあるのです。私はこの時代の進化がとても楽しみです。

 

 

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