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WORLD
2017.10.27

外国人が驚く奇妙な日本のビジネスマナー

〜ていねいすぎる名刺交換〜

日本の企業において、最も重要視されているビジネスマナーは何でしょうか。名刺交換、と答える人も多いのではないでしょうか。かく言う私も、新卒で一般企業に就職した際にはビジネスマナー研修で最初に名刺交換のマナーを習いましたし、新入社員同士で何度も何度もその手順を練習したものです。ところが実は、そんなに名刺交換とその手順を重要視している国が、日本だけだって知っていましたか? 今回は、海外で仕事を始めたらショックを受けるかもしれない、日本の不思議な名刺交換カルチャーと海外の名刺事情についてお話します。

日本には独特な名刺交換のカルチャーがある

 

名刺交換の正しいマナーってご存知ですか? こんな質問だけで、何項目でも回答が上がりそうですね。

 ・目上の人、あるいは訪問先から名刺を手渡す

 ・名刺は必ず両手で差し出し、両手で受け取る。

 ・受け取った名刺は机に表向けておき、相手自身と同じように丁寧に扱う

書きあげたらきりがありません。正直、すべてを完璧にできてる、完璧に言える、と胸を張って言える人ってそんなにいないのではないでしょうか。名刺交換のマナーは奥が深く、とにかく多岐にわたります。

また、名刺そのものも重視されています。名刺がない人は信頼性がないとされ、話自体しっかりと聞いてもらえなかったりするという話もよく聞きます。また、現在では名刺に書かれている情報だけでなく、デザインや素材、サイズ等でも自分の個性を出し、しっかりと相手の印象に残るような名刺を作る人も多くいるようです。

名刺は相手そのものと言います。自分そのものを渡し、相手そのものを受け取る。受け取った名刺は名刺入れに綺麗にファイリングし、いつでも思い出せるよう丁寧に保管する。「日本人は礼儀を重んじる」とはよく言われますが、そんな姿勢がこの名刺文化にはよく表れているかもしれませんね。

 

一方で名刺交換と言えば……

 

こんな風に日本のビジネスの場面においてはなくてはならない名刺交換ですが、一方で、海外からきている方々が、日本で目にしてショックを受ける場面としても、多く取り上げられている場面でもあります。「手のひらサイズの紙を持ってお互い中腰で笑い合っている場面を見た。あれは何?」「とても大切そうに持っているからどんなすごい紙なのかと思ったら、ただのビジネス・カードだった」とは、よく聞く言葉です。中には、「なにあれ?ちょっと怖い」なんて言われたこともあります。確かに、小さな紙をこんなに丁寧に扱うことって、名刺交換以外の場面ではちょっとないですよね。

 

片手で渡したり、その場で名刺にメモをとることも

 

日本の名刺交換の文化がちょっと珍しいということはお話してきましたが、それでは海外での名刺交換ってどんなものなのでしょうか。実は、海外での名刺交換には日本ほど明確なルールはありません。あくまで「連絡先を書いた紙」くらいに考えられていますから、両手で丁寧に、という態度もあまり見たことはありません。片手で渡したり、片手で受け取ったりというのも、当たり前に行われています。必要な情報が書き込まれた紙という意味では、他の人から名刺を受取ったときには、商談の中で大切な内容があったときや、相手のことで覚えておきたいちょっとしたことがあったときには、名刺に直接メモを書き込んだりなんかもします。名刺の必要性や存在意義から考えれば合理的な気もしますが、「相手そのものとして扱え」と教えられてきた身としては、ちょっとびっくりしますよね。

 

海外では名刺はさほど重要なものではない?

 

海外の人は礼儀知らず? いえいえ、そんなことはありません。実は、日本以外の国で名刺交換がこんな風に違うのは、ビジネスの場において名刺がさほど重要視されていないからなんです。日本ではビジネスの場での挨拶と言えば名刺交換が最も先に来るものであり、それが信頼性につながる重要な要素ですが、海外では、名刺を持っていない人も多くいます。海外で挨拶の最初に来るのは、多くの場合は「握手」です。「日本人の握手は力が入っていなくて頼りない」なんて残念な声を聞いたりもしますが、日本人にとって握手をはじめとする、人の肌に触れる行為は本来初対面で行われるものではなく、どこか遠慮や気恥かしさが伴いますが、多くの国では初対面ではまず握手、何度か商談を重ね親しくなった商談相手にはハグさえすることもあります。これらの肌を触れ合わせるコミュニケーションは、相手に対し攻撃性がないことを示す行為からきていると言われています。まずは握手でしっかりと相手への行為、親密性を示し、それを裏付けるような口調、表情ではっきりと挨拶の言葉を述べること。これが海外のビジネスシーンではまず重要視されており、名刺はその次に来るか、交換しない場面もあります。

 

日本では、商談は会社同士が行うもので、担当者はそれを代行している人、というイメージがあります。そのため、名刺に書かれているような会社名や役職といった情報が重要なのでしょう。対して欧米等多くの国では、会社同士の商談であっても、コミュニケーションはあくまでその担当者同士が行うもの、という認識が強くあります。ですから、名刺に書かれた情報よりも、実際の握手の強さや口調、フレンドリーな笑顔というものが重視されるのではないでしょうか。

 

日本で社会人になり、日本だけで仕事をしていると気付かない、名刺交換の不思議さ。狭い範囲でしか通用しないビジネスマナーやルールは、実は他にもたくさん存在しています。日本で円滑に仕事をしていくために、最低限のマナーは必要ですが、せっかく世界を視野に活躍したいと思っているのなら、世界でのマナーや習慣を広く知ることは自分の武器になります。ぜひ、広い視野で見て、身近な「不思議」を見つけてください。

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