美歯には３ヵ月に1度のメンテが必須!

症状がないからこそ歯医者さんへ行く理由

あなたはどんな時に歯医者さんへ行きますか？

日本人に最も多いのは、虫歯などによる“痛みを感じた時”なんだって。でもそれで本当にいいの？　治療が終ったらもうOKだと思っていない？

実は歯医者さんの「３ヵ月に一度はメンテナンスにきて下さいね」の言葉には、ちゃんと理由があるの。ヘアサロンでの定期的なメンテナンスみたいに歯医者さんでのお口の中のメンテナンスもぜひ習慣にしてね！

これまでこの連載で、「歯ブラシだけでは汚れの半分くらいしか落せていない」ことや、補助器具を使った正しい歯磨きの仕方などをお伝えしてきましたが、ちゃんと実践していますか？

んー、多分。いや、少なくとも以前よりは頑張っているわ。

でも正直、サボってしまう事もある……。

できるだけやっているつもりではあるけど完璧ではないなぁ。

まぁ、そうですよね。毎日、毎回、完璧な歯磨きをするのはなかなか難しいと思います。

でも関心を持っていただくことが一番大切だと思います。

ところで、虫歯や歯周病の治療が終わると、歯医者さんに「３ヵ月後くらいにメンテナンスに来て下さい」と言われたとはないですか？

言われたことがあるわ。

でも他の予定があったり、痛みもなくて困っていなかったりするとついつい忘れちゃうのよね。

なぜ「メンテナンス」が大事なのか知っていますか？

なぜだろう……？

それは、「痛い」「取れた」「欠けた」「割れた」と、困った時だけ歯科医院受診した人とそうでない人では、８０歳になった時の歯の数が全く違うというデータがあるからなんです。

この研究結果を知っているから、歯医者さんは何もなくても来てくださいね！　と伝えます。

なるほど。そういうことか。

そしてなぜ「３ヵ月後」なのか、というと、それも有名なデータに基づくもので、歯医者さんで歯石除去など、歯周病の治療を受けた後、「歯周ポケット内の歯周病の原因となる細菌の数は、３ヵ月で元の数値まで戻ってしまう」というデータがあるからなんです。

え～っ！　３ヵ月で元通りに？！

それは悲しすぎる現実。

歯周ポケットというのは4mm以上の溝が深いところです。しかし一般的に歯ブラシでは毛先が2mmまでしか届きません。だから常に汚れが取りに残されるところがあるんです。

個人差はありますが、３ヵ月に１回、歯医者さんでメンテナンス（クリーニング）を行うことで、歯周ポケット内の細菌を取り除き、歯周病の再発や悪化、新たな発症を防ぐことができる、ということなのです。

そういうことか。だから３ヵ月に１度、というのがおすすめなのね。

そうです。

例えば、髪のメンテナンスをしにヘアサロンへ行くでしょう？　どんな時に行きますか？

どんな時？　そうね、髪が伸びた時だったり、カラーやパーマをやり直したりしたくなった時に行くわ。

そうですよね、明らかに見た目、というか、何らかの変化を感じる時、あるいは感じたい時ですよね？

確かにそうね。

お口の病気に限らず、他の病気もそうですが、症状が“髪が伸びた”とかいうふうに、目にみえてわかることじゃないからとても厄介なんです。もしも、「３ヵ月経って、歯周ポケットの菌が増えた」と、目に見えてわかれば、誰だって歯医者さんに行かなくちゃって思うでしょう？　でもそうはいかない。そうこうしている間に、菌がどんどんお口の中で悪さをし、歯周病や虫歯が悪化して、最終的には抜歯してしまう、ということになる。

お口の病気　特に歯周病は１０年２０年という単位で慢性的に無症状で進行します。「よく歳だからー」とおっしゃる方もいますけど、歯周病はバイ菌が原因の感染症ですからね、バイ菌さえ取り除けば歯周病や虫歯は予防ができるんです。

だいすけ先生、メンテナンスって１回いくら位かかるの？

虫歯や歯周病などの疾患がある場合、メンテナンスは保険診療で行います。

検査や内容によって多少の差はありますが、だいたい、２,０００円から３,５００円くらいだと思っていればいいと思います。

例えば、

①    全体を見る大きなレントゲン

②    歯の１本１本を見る小さなレントゲン

③    お口の現状を記録し説明するための規格写真

なども使いながら説明します。

保険診療じゃない場合は？

もしもお口の中が健康で、自費のメンテナンスを行う場合の費用は、クリニックによって違いますが、だいたい、５,０００円から１０,０００円くらいです。

その場合、具体的には、PMTC（Professional Mechanical Tooth Cleaning）といって、歯科医師や歯科衛生士による専門的な器具を使用した歯石除去や歯面清掃、研磨をします。

どれくらいの時間がかかるの？

そうですね、だいたい１時間くらいはみておいて下さい。

１時間も？　それは長い、というか、すごく丁寧なのね？

お家でもそうですよね。日頃掃除してるけど、専門業者さんに入ってもらうと違うなぁってないですか？　日常では目が行き届かないところまできれいにしてくれたり、たまにはアドバイスをもらったり、そんな感じで捉えてください。

すごくキレイになりそう！

ロングヘアをショートカットにイメチェンしたような、劇的な変化がお口の中では起こっていますよ。

へー、すごいな。

普段の歯磨きで自分では落としきれてない歯周病や虫歯の原因となる菌、プラーク、歯石は劇的になくなり、フッ素コートで虫歯の予防もします。見た目の変化もコーヒーやワインのポリフェノールで着色した歯の黄ばみもとれて、本来の自然な白さに戻します。

そうなんだ。必ず３ヵ月に１度、歯医者さんへ行かなくちゃ！

そうですね。

症状がなくても、３ヵ月に1度は歯医者さんでメンテナンスをすることを習慣にしましょう。

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３ヵ月に１度、お口の中の定期的なメンテナンスは予防歯科にとても有効です。

かかりつけの歯医者さんから帰る際、３ヵ月後の予約をして帰ることをおすすめします。

だいすけ先生の profile

安岡大介(Daisuke Yasuoka)30歳 

経歴

H24.4 神戸大学歯科口腔外科入局
H26.4 東大阪歯内療法専門医の元で勤務
H27.5 より医療法人社団恒誠会　安岡歯科医院理事長としてもし家族を治療するなら…という心情をモットーに記録と検証を行いお口に興味を持つ人を増やすべく日々地域医療に取り組む。

所属学会

日本歯科医師会　小野加東地区
日本顎咬合学会　神戸CAREクラブ　神戸グリーンクラブ
筒井塾　咬合療法研究会・関西支部
ヘルスケア歯科学会　K-WAVE　神戸GP倶楽部
ExistenceStudyClub:ESC　大森塾2期・6期　
資格
産業歯科医　食育指導士　糖尿病協力歯科登録医　エピペン登録医

メッセージ

私事ですが、小学校５年生の時に歯科医師である父が４１歳で亡くなりました。 そして、弟は２５歳という若さで亡くなりました。 紆余曲折を経て、卒後２年目で理事長、卒後３年目で院長就任という近年の歯科の業界では考えられない数奇な人生を歩んでおります。 限られた人生の中でいかに今を楽しむか、いわゆるＱＯＬ（クオリティ・オブ・ライフ）ということをいつも心して患者さんに向き合い、毎日を大切に過ごしています。 私が１日に直接治療できる人、お話できる人は限られています。 しかし、SNS、Webメディア、ラジオなどを通してご自身のお口に興味のある人が一人でも増えるよう情報発信しています。お口の専門家としてすべての入り口であるお口から全身の健康、そして予防可能な病気である歯周病や虫歯への取り組みについて積極的に伝え続けています。

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