超合理的アメリカン・キッズの学習法は

プリントを捨て、ノートも取らない?

Kids Are all right〜アメリカの良い子・悪い子・普通の子〜

2014.04.04 | 注目コラム子ども英語

以前、「何でももらって当然」と勘違いしているアメリカのわがままっ子エンタイトル・チルドレンと、そんな子どもの教育に汲々とする母親たち、そして、子育てのひとつの成功例について紹介しました。今回は、カリフォルニアの海辺にある小さな町の小さな語学教室でアメリカン・キッズを相手に日本語を教えている筆者(日本人)が感じた、ヘリコプター・ママの問題点や日本と違うアメリカン・キッズたちの学習法について紹介します。

 

●語学学校で教えてわかったヘリコプター・ママの問題点

 

私が教える学校の生徒たちは、ローティーンからハイティーン(小学生から高校生)の子どもたちが中心です。日本語を習う動機としては、マンガやアニメのファンだったり、空手を習っているからだったり、伝統文化や食べ物に興味があったりなど、何らかの形で日本の文化に触れる機会があって興味をもってくれたのです。

 

 

▲生徒の作品

 

そんな子どもたちや父兄と、日本語の先生として直に接するようになってから、見えてきたことがあります。そう、アメリカで以前紹介したヘリコプター・ママ(子どもたちのまわりをブンブン飛び回って世話を焼くママ)の問題は、子どもたちに大きく影響していたのです。

 

例えば、ダウンタウンに教室を構える当校は、すぐ近くにバスターミナルもあります。しかし、徒歩や自転車で来たり、バスで通ったりする子なんて一人もいません。どの生徒も父兄(大半は母親)が車で送り迎えするのです!
お母さんがスケジュールを管理してくれているので、子どもはA地点からB地点へ、だまっていても連れていってもらえます。当然、自分で1週間の予定をきちんと把握する必要もありません。それがどういう結果を招いているかというと、例えば授業で子どもたちに「先週は何したの? この後何するの?」と質問しても、あやふやな答えしか返ってこない状態になります。ひどい時には、今日の日付さえ覚えていない子もいるのです。子どもがそんな状況になると、ママたちはあれやこれやと一層世話を焼きたくなってしまうでしょう。つまり、この悪循環がヘリコプター・ママやエンタイトル・チルドレンを生み出している原因だと思うのです。

 

そんなこんなで、以前(海外赴任予定者必見! アメリカのいまどきの子どもとママたち)紹介した「エンタイトル・チルドレン」の中で著者のスーザンが、効率的なスケジュール帳を子供たちが自分でつける大 切さを強調していたのもうなずけます。子供たちに、何事も運転手兼秘書的存在のママ任せにさせず、スケジュールは自分で管理するよう指導し、まずは「自主性・独立心を養わせよう」ということなのです。これは、子どもたちだけでなく、同時にヘリコプター・ママ自身の子離れにも有効な方法なのです。

 

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