映画で学ぶ|ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書 The post

What will happen if…?
を使って仮定の話をしてみよう

日本で英語漬けになる環境を作るのが難しいなら、日本語字幕がない映画の公式予告編でリスニング力を鍛えましょう。映画情報を知ることができて、リスニングの学習にも役立ちます。英語フレーズや表現、日本との文化の違いなどのワンポイントの解説から、すべての英語のセリフと翻訳も掲載しています。

今回はジャーナリズムに規制がかけられている今だからこそ見るべき作品『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』です。

作品情報

『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』
原題:The post
日本公開:2018年 3月30日

 
あらすじ

ベトナム戦争が泥沼化し、アメリカ国民の間に疑問や反戦の気運が高まっていた1971年、アメリカ国防総省がベトナム戦争に関する経過や分析を記録し、トップシークレットになっていた文書、通称“ペンタゴン・ペーパーズ”の存在をNYタイムズがスクープするも、その後の記事は政府の圧力で差し止められる。そこで、アメリカ初の女性新聞発行人として足固めをしようとしていたワシントン・ポストのキャサリン・グラハム(メリル・ストリープ)は、同紙の編集主幹ベン・ブラッドリー(トム・ハンクス)らとともに、ライバル紙であるNYタイムズ紙と時に争いながらも連携、政府の圧力に屈することなく真実を世に出そうと奔走するー。

 

みどころ

トランプ大統領の就任―政府によってジャーナリズムに規制がかけられ、国の主役であるはずの国民に真実が伝えられず、何が真実で、何が正しいのかがわからなくなってきている現代。スピルバーグ監督は「今、撮るべき作品」として、トランプ大統領就任45日後に本作の製作を発表、先に予定していた作品よりも前倒しする事を決め、撮影を敢行しました。そんなスピルバーグの強い呼びかけに応え、名優メリル・ストリープとトム・ハンクスがついに初競演。脚本はリズ・ハンナ、そして『スポットライト 世紀のスクープ』でアカデミー賞最優秀脚本賞を手にしたジョシュ・シンガーが手がけています。
実在のジャーナリストたちの姿を追う本作は、立場を超えた熱い信念や絆、それぞれの思惑や葛藤が描かれ、何層にも重なるほど厚く、緊張とスピード感溢れるドラマが展開していきます。「今」だからこそ伝えるべき作品と強烈なメッセージを込め、この危機的状況に警鐘を鳴らす作品に仕上がっています。

 


知っておきたい英語・文化のワンポイント

What will happen if…の使い方

メリル・ストリープとトム・ハンクス、そして監督はスティーブン・スピルバーグという、超大物揃いで期待が高まる今回の映画。予告編を見ていると、ある単語が頻繁に登場しているのに気付くと思います。その単語とは“If”。「もし」が入るセリフが続々出てきます。冒頭、トム・ハンクス演じるベン・ブラッドリーも“So, can I ask you a hypothetical question?”(hypothetical:仮定の)というセリフを言っています。そこで、今回注目したいセリフがこちら。

 

What will happen if we don’t publish?

もし記事を出さなかったらどうなる?

What will happen if…? 「もし…ならどうなる?」いう便利な表現を取り上げてみましょう。If の後に続く文章のことをしたら(しなかったら)、どんなことになるか尋ねています。

まずは例文を見てみましょう。

 


A: Happy birthday! Here’s your present.
A: 誕生日おめでとう! はい、プレゼント
B: Thank you! Wow, that’s really big. I wonder what it could be… What is this?
B: ありがとう! わー、すごく大きい。何だろう~…これ、何?
A: It’s the newest humanoid robot. You can control it with the buttons on the back.
A: 最新の人型ロボットだよ。背中にあるボタンで、コントロールできるよ
B: What will happen if I press the red button?
B: もしこの赤いボタンを押したら、どうなるの?
A: Don’t press that! That is the emergency stop button to press when you lose control of it.      Once you press that, the robot completely stops working.
A: それは押しちゃだめだよ! コントロールできなくなった時の緊急停止ボタン
    一度押したらもう動かなくなっちゃう
B: Oops…
B: あ…

「もし~したら(しなかったら)、どうなるの?」は、会話でよく出てくる表現ですね。でも、Ifを使う文章は、ちょっとややこしいなと思う方もいらっしゃるのでは? 
学校などで「仮定法」とか、「If+主語+動詞の現在形, 主語+will+動詞の原型=仮定法現在、それは不確実な想像、願望などを表す」とか、何やら難しい言い方で説明されてしまうことが多いので、会話になった時にスッと文章が出ずに困ってしまうことがあるかもしれません。
皆さんが日本語を上のような公式に当てはめて「もしも」の話ができるようになったわけではないですから、英語の方も会話例から理解するようにするといいかもしれませんね。

それでは次の例文を見てみましょう。英会話スクールをはじめ、学校に通う方は使う機会があるかもしれない会話例です。

 


A: Make sure to turn in this assignment the day after tomorrow in class.
A: この宿題は、あさっての授業で提出してください
B: What will happen if we’re out sick that day?
B: もしその日、病気で休んだらどうなりますか?
A: Regardless, you must turn in the assignment that day. Please email it no later than 5pm.   Otherwise, you will have to repeat the class next year.
A: それでも、宿題は提出してもらいます。Eメールで午後5時までに送ってください
  そうでなければ、来年もう一度、このクラスを履修してもらいます
B: Oh, I guess faking a cold is not going to work.
B: (えー、風邪ひいたふりっていう手は使えないか…)

「もしこの薬を飲まなかったら、どうなる?」「もしこのドーナツを食べちゃったら、どうなる?」「もし税金を納めるのを忘れたら、どうなる?」などなど、If の後の動詞を原型にして例文を作ってみて、その答えを想像してみるといいですね。
そうすると、あら? 先程の難しい公式と同じことをしていることになりますね。そうするとIfが感覚的につかめてくるかもしれませんよ。


予告編の動画でチェックしてみよう

上のフレーズを聞き取りながら、予告編を見てみましょう。「あらすじ」も参考にするとさらに理解度も違ってくるので、わからないところはもう一度チェックしてみましょう。

 

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