『ビリギャル』著者・坪田信貴氏に直撃
自身も実践した英語習得メソッドとは?

話題の学習本の著者を直撃! Vol.5

高校2年で「strong」を「日曜日」と答えていた偏差値30の金髪ギャルを、1年半で慶應大学に合格させたという信じられないような実話が話題となり、感動を呼んでいます。たちまち30万部を突破した、この奇跡のストーリー『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』の著者で、指導者の坪田信貴さん。ご本人も高校2年で英検®3級に不合格したほど英語が苦手だったのに、1年間でTOEIC®満点まで英語力を伸ばした経験をおもちです。そんな坪田さんに、ご自身も実践した学習メソッドなどについて、具体的に教えていただきました。

 

――中学で3年、高校で3年、さらに数年……も英語を勉強したのに、ほとんどの人が話せない。そんな、日本人の英語力について、どう思いますか?

 

海外に比べて圧倒的に英会話力が低いと感じます。僕は、海外に住んでいた経験もあり、外国人の友人も多いのですが、現地で英語を話していると「なんで、日本人なのに英語を話せるの?」と驚かれます。それほど日本人は英語を話せない民族だと思われているんですね。これは訪れたほとんどの国で言われました。専門用語を使うようなビジネスの場面ではもちろんですが、水族館のような場所でさえ、僕が英語で質問しただけで「米国生まれじゃないの?」と不思議がられるのです。「日本人はアジア人の中で最も英語を話せない人種だと思っていた」と言われたこともあります。

 

そのような経験から、「なぜ日本人は英語が話せないのだろう?」と僕なりに考えてみた結果、至ったのは「正確に話そうとしすぎるのではないか」ということです。「ここはanかaか」とか「shouldとmayどっちだっけ……」とか、考えすぎちゃうんですね。でも、考えてみてください。日本語で会話をしている時、文法的に正確な日本語かどうかなんて、誰も意識していないですよね。大抵の日本人は、中学・高校の6年間、ほぼ毎日英語の勉強をしてきているので、圧倒的な単語力があるはずなんです。例えば、6年間テニスをやってきて、ラリーができない人なんていませんよね? 英語だって同じです。これでは、フォームが完璧じゃないからといってコートに出ないようなもの。「まずは話す!」という姿勢が大切なんです。

 

僕は、英語は人間だったら誰でも話せるものだと思っています。特に、これだけ難しい日本語を使いこなせる日本人であれば、英語を話せないわけがないんですよ。にも関わらず、「英語はできない」という思い込みをもっている人が非常に多いんです。苦手意識や、自分にはできないという思い込みが大前提にあると、決してできるようにはなりません。もっと簡単に「できる」と思っていいんですよ。「必ずできる」と信じてやることが大事です。

 

――坪田さんご自身が、英語を学習したきっかけは何だったのでしょうか?

 

学生時代、米国人とオーストラリア人の女子留学生が学校にやってきたんです。その留学生たちがめっちゃかわいくて、「なんとしても仲良くなりたい!」と思いました。けど、僕はもともと勉強が嫌いで、高校2年生で英検®3級に落ちるくらい英語も苦手だったんです。それで、英語力のない自分が仲良くなるにはどうしたらいいかとあれこれ検討した結果、「洋画鑑賞なら、話せなくてもデートできる!」と思いつきました。しかし、何を早まったのか、2人同時に誘ってしまったんですよ(笑)。両手に花と言えば聞こえは良いですが、2人の外国人女子留学生にはさまれて、映画デートという事態になってしまったんです。

 

3人で映画を見ていると、あることに気がつきました。それは、僕が笑っていないところで、彼女達2人が同時に笑うんです。米国人もオーストラリア人も同じ場面で笑うということは、文化の違いから自分と笑いのツボが異なるわけではなく、言語の違いによるものではないかと思ったんです。「日本語字幕では映画の7割も理解できていないのかもしれない……これでは映画は語れない」と思ったことが、当時、映画通を気取っていた僕が英語の勉強をし始めるきっかけになりました。

 

――英検®3級不合格からTOEIC®満点に至るまで、どのような勉強をされたのですか?

 

実質、高校2年生から約1年間で集中して勉強しました。英語の勉強では、とにかく語彙を増やすことが必要です。そして、実は文法も大事です。学習スタート時は、話すことが大切ですが、極めるには文法が重要になります。海外に10年住んでいる日本人でも、日常会話は問題ないけれど、ビジネス英語や交渉はできないという人は意外と多いんですね。これはビジネスシーンで通用するレベルの文法が身についていないからなのではないかと思います。ベースとなるのは豊富な語彙力ですが、これらをパズルのように組み立てるのために文法力が必要なのです。

 

僕の場合は、「成長を実感しないと続けられない」「TOEIC®やTOEFL®など、細かい点が出る試験の方が客観的基準があっていい」と考えて、当時はTOEFL®が主流だったので、1年でTOEFL®600点(満点677点)を取ることを目標にスタートしました。600点というのは、ハーバード大学を受験できる点数という理由だけで決めました。目標は高いところにおいておいた方がモチベーションが上がると思いますし、得るものも大きいと思います。

 

 ▶▶▶社会人でも語彙力を増やポイントや勉強法とは??

 

学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話
発売日:2013/12/26

 

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

 


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