翻訳家&日本語学校教師 有澤真庭さん
英語を話せたことで、新たな道が拓けた

Successful Interview!
~英語力を活かして働く~ Vol.05

「英語を学び、英語力を活かした専門職に就きたい」という夢を実現させた先輩に、成功の秘訣を紹介するインタビュー連載。5回目は、あの『アナと雪の女王』の翻訳ノベライズを担当した有澤真庭さんに登場いただきます。翻訳という、英語のプロともいえる職業にどのようにチャレンジし、夢を実現させたのでしょうか。

 

――現在のご職業と経歴について教えてください。

 

現在は、本の翻訳をしています。また、今はカリフォルニア州のサンタクルーズというところで、アメリカの子どもたちに日本語を教える仕事もしています。これまでは、アニメーター、編集者、映画製作スタッフ、ライターなど、さまざまな職業を経験しました。

 

――翻訳を仕事にするとはすごいです。もともと英語はできたのですか?

 

学生時代、特に英語に興味があったわけではありません。アニメーションの専門学校に通っていた頃に洋画が好きになって「字幕翻訳家になりたいなぁ」と思いはじめたのがきっかけです。スロースターターですね。

 

――では、英語学習においては、かなり努力されたのでは?

 

はじめは、翻訳学校に通いました。卒業後は翻訳学校で教わっていた先生が請け負っている翻訳のお仕事のお手伝いをさせてもらいつつ、学習を重ねました。学習方法は、英語の歌を覚えたり、名セリフを暗記したりするのがオススメです。自分で意味を調べても勉強になるし、聞き取りや発音の練習にもなるので、一石二鳥だと思います。

余談ですが、日本語を勉強している知り合いの大学生の男の子がいるのですが、インタビューに答える安倍首相の物まねを披露してくれて、ビックリしました。私はマネできませんでしたが、こういう学習法もあるようです!

 

――翻訳の仕事は大変そうですが……。

 

そうですね。今はアメリカにいるので、わからない語句があっても、気軽に日本語の書籍で調べられないのが不便です。日本語ではどのような表現が一般的か、業界的・専門的にはどう呼んでいるのかを調べたくても資料となる書籍を簡単には購入できません。

今の時代はインターネットもありますが、情報としては玉石混交な部分もあります。翻訳という日本語も英語もおろそかにできない仕事柄、やはり書物で正確な言葉を確かめたいところです。

また、訳した文を日本の友人などに読んでもらってフィードバックをもらいたいところですが、アメリカにいるのでなかなかできません。

 

――やはり、翻訳家になるのは英語力が必要なのでしょうか?

 

正直、そんなには要りませんでした。というのは、好きな映画関係の記事や脚本の翻訳から入りましたので、専門用語も分かり、だいたい何をいっているのか分かったからです。運良く、仕事をいただきながら翻訳の勉強をしていった形になりました

また、苦労ではないのですが、これまで自分が訳したい本を日本の出版社にもちかけても、一度も成功していないのが悲しいです。趣味がマイナーなのがいけないのでしょうか(笑)。

 


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