旅作家・歩りえこさん(前編-2)
「“ブラ”を外して、自分を解き放とう」

Travelers Interview ! Vol.03
〜体当たりの“Fカップ”ワイルドパッカー〜

 

――恐るべしスリランカのおもてなし!! 逆に、嫌な思いをしたことは?

 

ちょっと言いたくない話なんですけど……(笑)。数年前に行ったアルメニア旅行で出会ったイラン人の男性ですね。アルメニアから帰国した後も、何度も『おいで』って誘ってくれていたので、1年ほど前にイランのお家を訪れてみたんです。滞在中はいろいろとお世話をしてくださったんですが、帰国の前日になって、車の運転にかかったガソリン代とか、もらったけど全然欲しくないお菓子代とか、0.01ドル単位まで請求してきたんです! らちが明かなかったので、所持金の全部を払ってあげましたけど」

 

――えー!? 恐喝じゃないですか!

 

「まぁ、恐喝ですよね。しかも、帰国後しばらくすると、また同じイラン人から、いらないお菓子の贈り物が届いたんですよ。その3ヶ月後に、今度は『贈ったお菓子の代金、400ドル(約4万円)払え』ってメールが届いたんです。勝手に送りつけられたものに払う必要もないと思って放置したんですけど、その日から脅迫の電話とメールがひっきりなしに続いて。それで、お金を払って、誓約書を書かせて終わりにしようと思ったんですよ。でも、イランの政情が不安定なので、お菓子の代金を送金しようにも手段がなくて。どうすれば解決できるのか、本当に困ってます」

 

――すでに犯罪に巻き込まれているニオイが……。

 

「やっぱり良くも悪くも、旅でのディープな触れ合いって、現地人と仲良くならないとできないですからね。その結果、良い人に出会えるか、トラブルに巻き込まれるかは、それこそ運次第です」

 

――さすが旅慣れた歩さん……、達観されてます! ちなみに、歩さんなりの現地に溶け込むコツってありますか?

 

「私は、現地で必ず民族衣装を買って、それを着て過ごしたり、カタコトでも現地の言葉を覚えてたりしています。やっぱり、現地の人からすれば、異国の人が自分の国の文化に興味をもってくれているという、親近感がわくみたいで、すんなり受け入れてくれることが多いです」

 

――なるほど! でも、他言語間でコミュニケーションを取るのって難しいと思うんですが……。旅先で英語を使う時、円滑に意思疎通を図る上で実践していたことってありますか?

 

「私は日常会話レベルの英語力しかないので、とにかく知ってる単語を言いまくったり、ジェスチャーを交えたりと、自分の気持ちを相手にダイレクトに伝えてきましたね。例えば、値段交渉の時は、電卓を片手に『Discount! Discount!』って繰り返し繰り返し言い続けるだけで、相手が折れることもあります(笑)。あとは、端的に“自分のしたいこと”を伝えたい時は、『I would like to〜』より、『Wanna』という単語を使っていました。ネイティブの人には、しっかりした文法で伝える方が良いとは思うんですが、文法を気にしすぎると自分でもチンプンカンプンになって、どんな言葉を発すればいいのか、わからなくなっちゃうんです。単純に、知ってる単語を羅列していくだけでも、相手も自分に合わせて喋ってくれるので、お互いが思いを汲み取り、理解し合うことができると思います。旅する時はカチッとした英語は喋らなくていいので、伝わるまで諦めないで言い続けることが重要かなって思います」

 

――“考えるよりも行動”。歩さんの生き方を体現してますね!

 

後編では、旅の達人・歩さん流“旅のディープな楽しみ方”や、“旅することで見える発見”など、旅する醍醐味をお届けします!

 

■  プロフィール
 歩りえこ(あゆみ・りえこ)
1981年東京都生まれ。世界94カ国を旅する、旅作家、女優、写真家。TVやラジオ、雑誌等、ボーダレスに活躍中。学生時代に所属していたチアリーディング部が全国優勝したことから全米選手権大会に招かれ、渡米したことがきっかけで、世界の国々に興味を持つようになる。以来、5大陸94カ国を訪れる。女一人のバックパッカースタイルで現地人と同じ伝統衣装を纏い、現地家庭に居候するなど、その土地の文化に溶け込む旅を好む。2010年、世界中の子供たちの笑顔を撮影し続けたフォトエッセイ『エガオノオト』(自由国民社)を出版。また、2012年、世界一周旅行記となる『ブラを捨て旅に出よう』(講談社文庫)、2013年に『思い立ったらマチュピチュ 旅ガールが教える、ガイドに載らない旅ワザ』(宝島SUGOI文庫)を出版。

●オフィシャルブログ http://ameblo.jp/riekojpacker/


(左)『ブラを捨て旅に出よう』

(右)『思い立ったらマチュピチュ 旅ガールが教える、ガイドに載らない旅ワザ』

 

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