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大人の学び直し英語【27】

分詞ってなにもの? -2-

分詞のうち、前回は現在分詞の用法について解説しました。今回は過去分詞について見てみましょう。一言で過去分詞といっても、文の中での役割はさまざまです。いつも同じ意味になるわけではありません。

 

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過去分詞は単独では文の中心となる動詞にはならない

過去分詞と最初に出会うのは、現在完了や受動態(受け身)を習う時ではないでしょうか。

have + 過去分詞」なら現在完了、「be動詞 + 過去分詞」なら受動態の文になります。

Shall I buy you lunch?
- Oh, I have already had my lunch.
意味:お昼ごちそうしようか?
- あ、もうお昼食べちゃったの。

The problem was solved by the student.
意味:その問題は学生によって解決された。

上の例文が現在完了、下の例文が受動態です。
その他、過去完了や受動態の進行形などいろいろありますが、今はここまでにしておきましょう。

過去分詞がhaveやbe動詞なしで完了形や受動態になることはありません。
言い換えると、過去分詞がhaveやbe動詞なしで文の中心となることはありません。

過去分詞が単独で出てきたら、他の語やフレーズを修飾していることがほとんどです。

一方、be動詞+過去分詞、have+過去分詞のほか、be動詞+現在分詞、過去形、さまざまな現在形(makes, are, was, amなど)、助動詞+原形(can be, should doなど)、などは文の中心となります。

 

過去分詞が名詞を修飾する時

次の文はどうでしょうか。

The mystery solved by the detective was not an easy one.

solvedbe動詞もhaveも伴っていないので、文の中心にはなりません。直前のthe mysteryを修飾しています。後にbyが続くので、detectiveによってsolveされたmysteryとなっているのが分かります。

ということは、wasの前までが主語のカタマリです。
文の中心的な動詞はwasですね。

oneはこの場合代名詞で、mysteryを指しています。
The mystery solved by the detective was not an easy mystery.

2回目のmysteryの代わりにoneを使っています。

意味:探偵によって解決されたその謎は簡単なものではなかった。

この例文では、分詞がby以下を伴って2語以上のカタマリとなっているので、修飾する名詞の後に来ました。
次のように分詞が一語で名詞を修飾するとき、分詞は名詞の前に来ます。

They found the stolen car.
意味:彼らは盗まれた車を見つけた。

 

現在分詞vs過去分詞

前回の現在分詞を使った例文と、今回の過去分詞の例文とを比べてみましょう。
The boy kissed the sleeping baby.

修飾しているthe babyと分詞の関係を見てください。the babysleepしている側、つまりsleepしている主体なので現在分詞です。

They found the stolen car.

修飾されるcarstealする側ではなく、される側です。このように、修飾される名詞が受け身であるとき、分詞は過去分詞になります。

文全体は受け身の文ではないが、carstealの関係は受け身になっているということです。

もともと過去分詞は受け身(受動態)の文を作るので、覚えやすいのではないでしょうか。

では、過去分詞は完了を表すこともあるから、修飾語となった時も完了のニュアンスを持つことはあるのでしょうか。

次の文を見てください。

They found the escaped prisoner.
意味:彼らは脱走した囚人を見つけた。

なぜescapedと過去分詞になっているのでしょうか。

動詞escapeの主体がprisonerだと考えれば、現在分詞でも良さそうです。
escapeはそもそも自動詞なので、受け身にはなりえません。
事実、次のような用法もあります。

They found the escaping prisoner.

過去分詞と現在分詞でどう違うのかと言えば、過去分詞を使えば「脱走」という行為が完了していたことが強調され、現在分詞を使えば「脱走」という行為が進行していたことが強調されます。
2番目の例文は次のように訳すこともできるでしょう。

意味:彼らは脱走していた囚人を見つけた。

2番目の場合、囚人は脱獄の最中だったかもしれませんし、もう町にいたかもしれません。いずれにしてもニュアンスとしては、脱走は完了していなかったということです。

すべての自動詞にこのような用法があるわけではありません。自動詞が修飾語として使われるときは、現在分詞になることが多いですね。

さて、分詞が修飾するのは名詞とは限りません。次回は分詞が名詞以外を修飾している場合を見てみましょう。

 

練習問題

(  )の中に入る語を選んでください。

1. I have never ( ) such an expensive car.
1) see 2) saw 3) seen 4) seeing

2. She has ( ) this movie several times.
1) watch 2) watched 3) watches 4) watching 

3. We recognize the necessity for a ( ) agreement.
1) write 2) wrote  3. written  4. writing  

4. ( ) the article written by Lucy?
1) Was 2) Has 3) Does 4) Did  

5. ( ) the pasta in a large pan of boiling water.
1) You must 2) You can 3) Cook 4) Cooking  

6. He gave a rather ( ) answer.
1) surprise 2) surprised 3) surprising 4) to surprise  

7. I ( ) up at the stars.
1) was looked 2) looked 3) looking 4) to look  

8. The emphasis is very much on learning the ( ) language.
1) speak 2) speaking 3) spoken 4) to speak  

9. The criminals ( ) arrested by the police.
1) is 2) have 3) must 4)  were   

10 We had ( ) agreement not to ask personal questions.
1) an unspeakable 2) a speaking 3) a talking 4) an unspoken   

 

解答・解説・和訳

1. 3) seen
haveの後なので完了形にするために過去分詞を入れる。
意味:私はこんな高価な車は見たことがない。 

2. 2) watched
hasの後なので完了形にするために過去分詞を入れる。

3. 3) written
中心となる動詞はrecognize
冠詞a+( )+名詞になっているので、( )に入るのは名詞の修飾語のみ。
名詞agreementはwriteされた側なので過去分詞を入れる。
意味:私たちは文書による同意の必要性を認識しています。

4. 2) Was
過去分詞の後にbyがあるので、「~によって…された」という受け身の文だとわかる。
意味:その記事はルーシーによって書かれたのですか。

5. 3) Cook
文の中心となる動詞が見当たらないので、空所には動詞が必須。
選択肢1と2は主語+助動詞なので不可。4はing形のみなので文の中心的な動詞にはなれない。主語がないので命令文である。
意味:パスタを沸騰したお湯の入った大きな平鍋で茹でなさい。

6. 3) surprising
他動詞surpriseの意味は「驚かせる」であって「驚く」ではない。
過去分詞を使ってsurprised answerと言ったら、「答えが驚いた」となってしまう。驚いたのは人間であるはず。現在分詞を使えば「驚かせる=驚くような」という意味にできる。
また、surprise partyのsurpriseは「驚き」という名詞だが、名詞surpriseをどんな名詞にも付けられるわけではない。
意味:彼はどちらかといえばびっくりするような返事をした。 

7. 2) looked
文の中心となる動詞が見当たらないので、空所には動詞が必須。
1では意味を成さず、3単独のing形や4不定詞は中心的な動詞にはならない。
意味:私は星を見上げた。 

8. 3) spoken
文全体の中心となる動詞はis。
The emphasis is very much on X.
「重点は大いにXにある」
X=learning the ( ) language=「( )なlanguageをlearnすること」
( )には名詞languageを修飾する言葉が来るはず。
languageはspeakされる側なので過去分詞となる。
意味:重点は大いに話し言葉を学ぶことにある=話し言葉を学ぶことに大変重点が置かれている。
因みに"The emphasis is very much on learning to speak the language."ならOK
ただし意味は異なり、「言葉を話すのを学ぶことに大変重点が置かれている。」となる。

9.  4) were
受け身の文を作る。
空欄に何を入れるかで時制が決まる。isを入れられないのは、単に主語が複数だから。 

10. 4) an unspoken
agreementはspeakされる側なので否定のunが付いても過去分詞になるはず。
unspeakableは「言語に絶する」という意味で合わない。
実はunspokenはspokenに接頭辞unが付いたもので、unspeakという動詞は使われない。
文の中心的な動詞はhad。
意味:私たちには個人的なことは聞かないという暗黙の了解があった。

 

ライタープロフィール●外国語人

英語、フランス語、外国語としての日本語を教えつつ、語学力に留まらない読む力、書く力を養成することが必要であると痛感。ヨーロッパで15年以上暮らし、とりあえず帰国。この世界の様々な地域で日常の中に潜む文化の違いが面白くて仕方がない。子育て、犬育て中。TOEIC®985点
https://www.znd-language.com

 

 

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