執事学校を首席で卒業! 藤田幸さん
「大切なのは“チャンスを掴む準備”」

専門留学で、世界への扉が開く!

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――まさに異文化体験だったんですね!留学中に、印象深かったエピソードはありますか?

 

執事学校の学長がよく言っていた「失敗することを恐れるな。挑戦することを恐れるな。学校にいる間にたくさん失敗し、わからなければ試してみろ。今失敗しておけば、実際に世界に出る時は失敗の回数が少なくなる」という言葉は、今でも印象に残っています。

最初から上手くやろうとしても、大抵は失敗するものですよね。そして、それを糧に学びます。私は、人間というのは痛い目に遭ったことこそ記憶に強く刻まれ、二度と同じ過ちを犯すまい、と成長するものだと思っています。執事は、凡ミスでも即解雇されてもおかしくない仕事ですから、失敗は許されません。だからこそ、執事学校で失敗を恐れずに挑戦し、二度目の失敗をしないための訓練をしなければならないんです。

「失敗を恐れるな。挑戦することを恐れるな」という言葉は、どんな社会人にも言えることではないでしょうか。失敗することを恐れて挑戦しない人が多い世の中では、発展が望めませんよね。

 

――“学び”の多い、充実した留学生活だったことがうかがえます。そんな藤田さんが留学によって得たものは何でしょうか。

 

他の国や人種の常識や文化や習慣を「受け入れる心」ですね。人は“自分と違う=悪や異端”と感じがちですが、留学は“誰もが自分と同じではない”ということに気付ける絶好のチャンスです。

執事学校に限って言えば、上流階級の世界が、どれほど一般社会とかけ離れているかということも知ることができます。執事の世界は、軍隊のように上下関係がとても厳しい世界です。学校は、執事の振る舞いをただ学ぶのではなく、自身を律し、重大な責任を担い、想像を絶する苦労や困難をも乗り越えて「一流のサービスを提供するプロ」になることを学ぶ場でした。

人として大きく成長ができましたし、まさしく“Life-changing, eye-opening experience”、本当に人生が変わりましたね。

 

 ――卒業後、実際に執事として仕えた経験のある藤田さん。仕事のおもしろさは何でしょうか?

 

執事という仕事はとても忙しく、中東で勤務していた時は、毎朝6時前から深夜2時過ぎまで働いていました。それでも、執事は“楽しみながら”仕事をします。執事に必要な能力は「時間管理」と「作業管理」なので、どの仕事にどれだけの時間をかけ、誰に任せていつまでに終わらせるのか、常に脳をフル稼動しながら動いています。そんな毎日を、ゲームのように楽しむことができるかどうかで、執事の良し悪しがわかるんです。多忙な中で作業を編成し、作戦を立てることに楽しさを感じる人なら、執事の素質がありますよ!

 

――これからキャリアアップを目指す社会人には、何が必要だと思いますか?

 

キャリアアップを目指す理由も方法も人それぞれですが、“飛び出す前の助走”――つまり、準備することが大切ではないでしょうか。

“後悔先に立たず”と言いますが、「もしあの時こうしていれば」「もしこっちの選択肢を選んでいれば」と、多くの人は自分のチャンスを自分でなくしてしまっているのではないでしょうか。どんなチャンスも、“チャンスを掴む準備”ができていなければ、それをものにすることはできません。人は死ぬまで学ぶことができますし、成長することによって新しい世界への扉が開きます。その扉が開く時までに“飛び込む準備”をして、チャンスを掴んでもらいたいですね。

わたしの好きな言葉は“Everyone has the first time”です。自分の人生を開拓するのは自分自身でしかありません。着実な積み重ねが活かされるその時まで、自分が信じる道を進んでほしいです。

 

■プロフィール

藤田 幸(ふじた・さち)さん

社会人経験後、国際執事アカデミー(The International Butler Academy)へ入学。2010年・秋コースを首席で卒業後、バーレーンで執事として働く。現在はアメリカで暮らす。

・ブログ「How to become a 執事」:http://blog.goo.ne.jp/for_butler

 

取材・文/和田鈴香(編集部)

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