アメリカのアイドルと映画が英語学習のきっかけに。

中野左知子さんのドラマセラピーってなに?

英語を学び、人生の充実を果たした先輩を直撃するインタビュー。今回は、演劇を用いてトラウマや悩みを抱える人を癒す“ドラマセラピー”の専門家で『運命の人はいくつになっても現れる 恋愛ドラマセラピーで35歳からの理想の結婚を手に入れる』著者の中野左知子さんをお迎えしました。 ご自身も35歳を過ぎてから幸せな国際結婚を果たした中野さんは、英語力を活かしてロンドン大学で演劇を専攻、カリフォルニアの大学院でカウンセリングの心理修士課程を経て、2005年より日本でドラマセラピストとして活躍されています。
そんな中野さんに、学生時代から得意だったという英語学習や、すぐに実践できるドラマセラピーの基本メソッドについてお伺いしました。

 

――高校卒業後、ロンドン大学に進学したきっかけを教えてください。

 

高校生の頃から演劇に興味があったので、演劇の大学がたくさんあるイギリスに進学したいと思っていました。姉がイギリス留学をしていたので訪ねる機会があり、その時にロンドン大学を見学して、その場で「ここに行く!」と決めて入学に必要な資料をもらってきました。そこから、正規進学する前にファンデーションコース(大学進学の準備コース)を受けて無事に大学に合格して、入学に必要な手続きも全て自分でしました。

 

――当時の語学力はどの程度でしたか?

 

英語力は英検で準1級くらいです。

 

――高い語学力ですね! 特別な学習はしていましたか?

 

特別なことはしていなかったのですが、高校時代は海外のアイドルバンドやアメリカの青春映画が好きだったので英語に馴染みがありましたし、「いつか外国にいく!」とも思っていました。なので、学校の英語の授業を真剣に聞いていたのはもちろん、自主学習では、アメリカのラジオ番組を低速で聞く教材を使って聞き取り練習をして、さらに内容をノートに書き出す学習をしていました。あとは、語彙力が欲しかったのでTOEFL®の単語帳を暗記しましたね。

 

それと、ひとり芝居が大好きだったので、架空の設定(好きな映画の感想を誰かに話す、試験の面接など)を考えて「こんな時、どう言うのだろう?」と自分で実際にしゃべってみるということをしていました。そうやって楽しみながら英語を身に付けたので、学習で苦労した記憶はありません。好きなものと英語をくっつけて、エンタメ的に楽しんで学習する方法はオススメですよ!

 

また、ひとつ言えるのは、文法でも単語でも「これだ」と思った教材にしぼって学習した方がいいということです。ひとつの教材を繰り返し勉強した方が「この1冊をマスターした」という自信にもなるので。私の場合は『構文150』という教材をかなり使い込みました。

 

そうやって、ある程度の英語力は身につけたつもりだったのですが、ロンドン大学ではスピーキングが出来なくてかなり苦労しました。

 

――例えば、どんな苦労がありましたか?

 

それまで学習していた英語がイギリスに行ったら全く通じなかったですね。例えば、Wの発音なんか全く聞取ってもらえないんです。なんとかしてスピーキング力をつけるために、同級生にお願いして「エロキューション・レッスン」(発音矯正やイントネーションの矯正など)をしてもらっていました。

 

ロンドンの留学は辛かったですよ。外国人が全くいない学部だったので、なかなか溶け込めずにいましたし、ちょっと意地悪してくる人もいました。例えば、グループワークの時に日本人の私がいると点数が下がると思われて、仲間に入れてもらえなかったり。「英語ができないってだけで、こんなにバカにされるんだ」と、それは辛かったですね。その悔しさをバネに必死で英語を勉強したので、大学2年くらいからは、ある程度コミュニケーションできるようになっていました。

 

とはいえ、演劇では生活できないと思ったので、大学卒業後は日本に帰って、普通に企業でOLをしていました。なのですが、日本の社会や企業で働くことが肌に合わなくて心身ともにぼろぼろになってしまって……。

 

――なぜ、ぼろぼろになってしまったのですか?

 

ロンドンでは自己主張をすることが当たり前だったので、日本の社会だと生意気だと思われてしまい、全く適応できなかったんです。そしてその後、「もうダメだ!社会復帰のリハビリだと思って一旦海外に出よう!」とアメリカ留学を決意しました。その時に、せっかくなら仕事として通用する演劇を大学院で学びたいと思い、ふと、ロンドン大学の講義で名前だけ知っていた「ドラマセラピー」がいいんじゃないかと思ったんです。

 

――ドラマセラピーとは具体的にどのようなメソッドでしょうか?

 

癒しにつながることを目的とした演劇ですね。子供はおままごとなどの“ごっこ遊び”をしますが、それを心理療法に昇華させた感じです。 方法としては堅苦しいものではなく、ゲーム感覚で楽しみながら行っていきます。例えばトラウマを抱えている自分の内面(普段は表にださない、もう一人の自分)を演じると、演じている内面は「自分じゃない」と思えるので「こういう風にしないといけない」という通常時に抱えている概念から抜け出せて、トラウマや悩みを客観的に受け止めることができます。

 

ドラマセラピーを始めるにあたって心理療法などを学び、私自身、勉強するうちに自分の中にあった傷が癒されました。それまで私は自分のことが好きじゃなかったし、自信もなかったのですが、セラピーに出会ってからは自分を好きになれたんです。

 

そのメソッドを活かして幸せな結婚生活を手に入れる方法を、今回の著書『運命の人はいくつになっても現れる 恋愛ドラマセラピーで35歳からの理想の結婚を手に入れる』で紹介しています。

 

――でも、35歳からの恋愛は難しそう……って思ってしまいます。

 

そんなことはありません! 海外、特にヨーロッパだと、女性は30代でも40代でも自分がしたい時に恋愛や結婚をすればいいと言われます。
日本だと結婚していないだけで変わった人と思われてしまうこともありますが、それは間違いです。人生経験をつんだ魅力のある女性は自信をもつべきです。例えば、「35歳までに様々な経験を乗りこえて成熟したからこそ、素晴らしい結婚が出来るはず」と捉えてほしいんです。そんな思いでドラマセラピーを恋愛に役立つメソッドに昇華させ、この本を書きました。一生のパートナーを決めるタイミングは35歳からでも決して遅くはないですよ!

 

――恋愛する勇気がわいてきそうです! いい恋や結婚をつかむために、すぐに実行できる恋愛ドラマセラピーの方法はありますか?

 

「自分が自分の人生の主役だと考えて、それを演出家や脚本家として作っていく」と意識するといいですよ。自分を楽しませる工夫をしながら、いきいきと過ごしましょう。また、もし恋愛で失敗しても自分を責める必要はありません。次のステップに向けて、より魅力的になる方法を前向きに考えてください。あとは「いい人がいない」と嘆くばかりではなく、いついい人と出会ってもいいように、例えば素敵なお洋服を買っておくとか、部屋を快適に保つとか。ひとりでご飯を食べる時でも練習で多めに作るなど、パートナーと食べることを想定することも楽しいですよ。私は、多めに作った料理をキャンドルを灯したベランダのテーブルで食べていました。そうやって、自分を演出して盛り上げる練習をしておくといいと思います!

 

ご自身もドラマセラピーで癒され、35歳を過ぎてから素敵な外国人の旦那さまをゲットした中野さん。未来のパートナーといい関係を築くために、日頃から自分自身を楽しませて磨いて準備をしておきたいですね!

 

■プロフィール

中野左知子(なかの・さちこ)
ロンドン大学演劇学科卒業後、OLとして就職するが、原因不明の両足の激痛に苦しみ退職。演劇の仕事で自分を立て直す決意をし、カリフォルニア統合学大学院(CIIS)のカウンセリング心理学修士課程でドラマセラピーを学ぶ。ポーランドの大学でドラマセラピーを教える経験も持つ。ドラマセラピーの個人とグループセッションのほか、オンラインでのカウンセリングも行っている。著書に『運命の人はいくつになっても現れる 恋愛ドラマセラピーで35歳からの理想の結婚を手に入れる』(じゃこめてい出版)。
●ホームページ  http://sachinakano.com

 

 

 

取材・文/甲斐真理愛(編集部)


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