ミス・ユニバース・ジャパン辻恵子さん
世界大会に向けた英語学習とは?

夢は世界の人々を救う栄養士
空手で鍛えた精神力を武器に世界を狙う

「2014ミス・ユニバース・ジャパン大会」で約5000人の参加者の中から見事、2014年度のミス・ユニバース・ジャパンに輝いた辻恵子さん。幼い頃から続けていたという空手は黒帯を所持し、九州大会で優勝をおさめたという彼女の代名詞は『強く美しい女』。そんな彼女も、ミスユニバースに応募するまでは、女性としての美を意識し、磨いたことがなかったと言います。今回は、ミス・ユニバースのビューティキャンプの内容から、世界大会本番での英語のスピーチのための英語学習法までたっぷりとお話を伺いました。

 

——ミス・ユニバース・ジャパンコンテストに挑戦しようと思ったきっかけを教えて下さい

 

小学3年生の頃から空手を始めて、高校3年生の時にインターハイに出場し、大学では九州大会で優勝しました。ですが、実績を残したことで、やりきったという気持ちになってしまって……。そこで、今度は女性らしさ、女性らしい美しさというものに挑戦してみたいなと思ったときに、ミス・ユニバースの大会を知ったんです。世界的にも有名な女性のコンテストなので挑戦してみたいなと思い応募しました。

 

——出場にあたって努力したこと、苦労したことについて教えてください

 

ミス・ユニバースは内面がすごく大切なコンテストなのですが、わたしは物心ついた頃から空手に夢中で女性らしさというものを磨いたことがなかったんです。なので、外見からもっと女らしさを鍛えるということで、歩き方からメイクのレッスン、ファッションまで、ビューティキャンプで一から勉強しました。

(※ビューティキャンプとは……ファイナリストが12日間に渡って美しさを磨くためのレッスンを受ける合宿のこと)

 

——日本でのビューティキャンプは具体的にどのような内容でしたか?

 

スケジュール的には、朝の9時頃からスタートして夜の19時とか、遅い時は22時くらいまでレッスンがあることもあって。第一次審査がダンスなので、1日の中でもダンスのレッスンが多く入り、次にウォーキング、その後に色々なスポンサーの先生方がいらっしゃって、お肌の授業やまつげのお手入れの仕方などを教えて頂きました。

 

——内面を磨くトレーニングもあるんですか?

 

自分の思ったことをきちんと発信できるように、スピーチのトレーニングやマナーを知るなどのトレーニングもあります。日本女性は自分の意見を内にひめてしまいがちだと思いますが、私も例に漏れず自分が思ったことを口に出すというのがあまり得意ではなかったので、言葉づかいやイントネーション、聞いてもらえるような話し方についてたくさん勉強をしました。イントネーションは、沖縄出身のため独特のなまりがあるので、最初はすごくなまっていると言われたのを覚えています。

 

——ミス・ユニバースは、世界で通用する女性を目標にしていると思うのですが、普段の生活からギャップなどありましたか?

 

ミス・ユニバースの子達は、授業中「意見がある人」と聞かれたら、手を挙げない人がいないくらい積極的です。しかし、普段の生活に戻ってみるとやはり多くの人は発言する事を遠慮したり、言わなかったりということがあるのでその辺りにギャップをすごく感じ、発言していいタイミングなのか迷うことはありました。

 

——ビューティキャンプを通して変わられましたか?

 

最初は美というものに特別な意識がなく、発言することもできなかったのですが、ビューティキャンプで、色々な世界を知っていく中で、自分の価値観を上げ、自分が伝えたいことが増えてきたと思います。世の中のこと、女性のこと、美しくなるためにはどうすべきかということを知り、新しい世界に出会ったような気がしました。

 

——現在世界大会に向けてトレーニングしている内容を教えてください

 

外国の女性は体にメリハリがあり、背も高いイメージがあるじゃないですか。そこに日本人が立っても負けないような体作りが大事だと思うので、スポンサーについていただいているトータルワークアウトというジムに通って、体を鍛えています。他には、ステージの上で魅せるウォーキングの練習を毎日しています。審査には水着とドレスがあるのですが、衣装によってウォーキングって変えていくんですよ。水着は元気に活発に見せたいので、テンポよくスピードも早めに歩きますし、ドレスだったらセクシーに見せるために水着よりゆっくり歩きます。ポーズなども変わってくるので、そういったことを練習しています。また、世界大会では、英語での質疑応答があり、他の国のミス達との会話も英語になってくるのでコミュニケーションがとれるくらいまでを目標に英語を勉強しています。

 

——各国のミスの方達とどうやってコミュニケーションをしているかも審査の基準になるんですよね そうですね。

 

そうですね。ビューティキャンプの中でも、かなり見られて、重要になってくる要素です。2人1組で、部屋が一緒で、1ヶ月弱共に過ごすので、コミュニケーションがとれないとすごくストレスがかかると思います。歴代の世界を経験したミスの方々のお話などを聞いていると、海外の人たちと同じ部屋で、主張を控えていたら「どうして?」とすごく強く言われたというのを聞いたので、自分で積極的に話す、自分から発信していくように心がけたいと思っています。

 

——現在の英語力についてお聞かせください

 

1人で海外に行ってコミュニケーションがとれるとか、1人で暮らしていけるというレベルではないんです。単語を並べて喋るということしかできないので、聞き取るというのも難しいんですが、今特訓中です。単語帳を見たり、大学に外国人の英語の先生がいるので、その先生とコミュニケーションを多くとったり、時間をとってもらってレッスンをしてもらったりしています。

 

——本大会では、英語での質疑応答があると思うんですけど、そこに向けてどのような英語学習をされていますか?

 

週に3〜4回、1回に1〜2時間、大学の先生に時間をとっていただいて1対1でプライベートレッスンをしています。国際大学のため外国人の先生が多いので、すごく協力して頂いています。レッスン内容は、普段の会話を英語でトライしてみようということで、先生が英語で質問をしてくれて、わたしが単語をならべて英語で返すという感じの会話のレッスンと、質疑応答に向けた対策のレッスンの2本立てという感じですね。質疑応答のレッスンは過去に出題された質問があるので、その質問に対して、英語でどう答えるのかということを先生と練習しています。コンテストには、80名くらいが世界から出場するのですが、最終審査に残るのは5名で、質疑応答は最終審査の項目なんです。本番は、質問内容については通訳がつくと聞いたのですが、英語でちゃんと自分で聞いて、自分で考えて答えられるようにしたいと思っています。

 

——ご自身の中で課題などはありますか?

 

発音ですね。英語はだいたい中学生くらいの頃から学校で始めると思うんですが、学生時代は英語の先生の発音を真似して発音するのがとても恥ずかしくて。今となってあの時、恥ずかしがらずに訓練しておけばよかったとすごく後悔しています。

 

——大会後はグローバルに活躍したいなという思いはありますか?

 

幼い頃から海外に出たいという夢はありました。大学で栄養学を学んでいるのですが、もともと管理栄養士になりたいと思ったきっかけは空手でのスポーツ栄養学なんです。スポーツをする人の支えになれたらいいなと思ったので今の大学に入学したのですが、大学の授業の中で世界には栄養失調で亡くなっている子供がたくさんいるという現状を知り、力になりたいと強く思いました。

そんな矢先、空手をやめてしまって、これからどうしていこうかなと思った時にミス・ユニバースに出会いました。ミス・ユニバースは世界へ行って、世界の人々を救うという活動もしているのですが、授業の内容とミス・ユニバースの活動がつながって「栄養学で世界の人々を救いたい」と思ったんです。大会後は、海外での栄養学の知識ももっともっとつけて、しっかり学んでいきたいと思います。

 

——ミス・ユニバースジャパンとしての夢を教えてください

 

謙虚さや、流れるような所作など、日本人女性ってとっても美しいと思うので、私自身がそれをもっと学び、世界に行ったときにアピールできるようにしたいと思っています。また、ここまできたので、空手で鍛えた精神力、本番強さを武器に絶対に世界をとりたいと思っています。

 

 

■プロフィール

辻 恵子(つじ・けいこ)
2014ミス・ユニバース・ジャパン。1993年10月9日生まれ、沖縄県出身。小学生からはじめた空手では、高校時代にインターハイ出場、大学で九州大会優勝の実績をもつ。現在は長崎県の長崎国際大で栄養学を学ぶ大学生。

 

撮影/北村勇祐 構成/齋藤悦子 文/高石真帆

 


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