海外就職研究家が教える、海外で働くために必要な“英語力”とは?

取材・文/甲斐真理愛(編集部)

海外で働くことを目標に英語を勉強している人もいますよね。でも、ビジネスで通用する英語力を獲得するには、TOEICやTOEFLのハイスコア取得はもちろん、ネイティブと同等に話すことができるコミュニケーション力や表現力も必要。そのために留学してスクールに通って…と、社会人が働きながら目指すには、かなりハードルが高いです。「やっぱり自分には無理」と、あきらめてしまう人も多いのではないでしょうか。

「あきらめてしまうなんてもったいない! 今、アジアを中心に、日本人雇用の需要が高まっています。しかも、海外で働くために、必ずしも高い語学力が必要というわけではないんですよ」とは、海外就職研究家の森山たつをさん。(森山さんのインタビューはこちら→Professional Interview! ~世界視野をもつグローバルリーダー~ Vol.02 海外就職研究家 森山たつをさん

森山さんによると、海外のあらゆる仕事は、その内容やスケール別に「ローカル」「リージョナル」「グローバル」の3つに分けられ、それぞれの仕事に必要な英語力が違ってくるそう。そこで、それぞれの仕事に必要な英語力と、どんな国にどんな雇用があるかをご紹介!


◆語学レベル低〜中【ローカルジョブ】
「世界の仕事の9割がこのローカルジョブといえます。ローカルジョブには、製造業まわりの仕事や管理業務、接客、営業などあらゆる雇用があり、語学力がそれほど必要とされないことも。特に、語学力がなくても目指せるのは、日系企業が展開している東南アジアの仕事です。日本人は日系企業の工場で、現地スタッフをまとめるマネージャー的な仕事を任されることが多いです。インドネシア、タイ、マレーシア、ベトナムなどにローカルジョブの需要がたくさんありますよ」(森山さん・以下同)


◆語学レベル中〜高【リージョナルジョブ】
「アジア全体のマーケティングを考えるなどスケールの大きな仕事で、こういった雇用はシンガポールや香港に多いです。例えば、アジアの各国に新しいレストランを展開しようとなった時に、どの国にどんなタイミングで出店するか…などの、大きなビジョンを描く能力が必要です。つまり、リージョナルの仕事というのは、ある程度の経験を積んだ高いスキルを持つ人たちと、色んな国をまたいで仕事をするので、高い英語力が必要になる場合が多いです。ただし、ネイティブレベルを求められることはあまりなく、ビジネスをするのに不自由しないレベルで問題ありません」


◆語学レベル、超高【グローバルジョブ】
「世界中から集まった優秀な人たちと、世界規模のビックプロジェクトを動かす仕事です。例えば、携帯電話会社の世界戦略を考えるとか、その物流の仕組みを考えるなど最もスケールの大きな仕事といえるでしょう。雇用需要はアメリカやヨーロッパを中心にありますが、ここを目指すのは至難の技。MBA取得やTOEIC満点というのはまず当たり前で、そこからさらに高い職業能力や経験が必要になります」

ちなみに東南アジアの日本人雇用は拡大し続けているそう。高い語学力がなくても目指せる【ローカルジョブ】から、海外就職を目指してみませんか?



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