

不安障害に苦しむひとりの女の子を
起業家にした1ペニー
ELITE DAILYから読み解く
今時の成功論
「すべての出来事には理由がある」
あなたが人生のダークサイドに落ちてしまった時、それはとてつもなく大きな成功への道に気づくチャンスかもしれない。
不安障害で家から出ることさえ困難であった少女シャルーフの周りには、不思議なことに幼いころからいつも1ペニーが落ちていた。そのペニーが彼女を暗闇から救い上げ、起業家へと導いたのは、まるで必然かのごとく。人生の差は、偶然なる奇跡に気づけるのか否かなのかもしれない。それでは彼女のストーリーを覗いてみよう。
How One Girl Used Her Personal Struggle To Turn A Penny Into A Startup.
ーその女の子はどうやって苦悩を糧に1ペニーをスタートアップに変えたのかー
“Those who are crazy enough to think they can change the world, are the ones who do.”
--- Steve Jobs
自分が世界を変えられると本気で信じる人たちこそが本当に世界を変えているのだ。
――― スティーブ・ジョブズ
Ariella Sharf (アリエラ・シャルフ)
アクセサリー&アパレルECサイト“Heads Up for Charity”のファウンダー。不安障害で大学を休学していた20歳のある朝、イギリスの硬貨であるペニーをブレスレットにリメイクするアイデアを思いつき、ECサイトを立ち上げブレスレットを売り始める。ユニークなデザインのブレスレットがパワーブロガー達の目にとまり、最初の週で100個以上を売り上げる。
ノースイースターン大学に通う20歳のアリエラ・シャールフはずっと前から何かしらのビジネスを立ち上げ、世界を変えたいと強く思っていた。ただその方法がわからずにいた。 シャールフは「世の中の出来事には全て理由がある」という母のお決まりのセリフを聞くたびに、呆れてため息をつく日々を送っていた。しかし、今の彼女がまたその言葉を聞けば、強く首を縦に振ることだろう。
もし、彼女の奇跡的なストーリーが「すべての出来事には理由がある」ということを証明できないのであれば、他にそれを証明できるものなど存在しないだろう。 シャールフは物心がついたころから、自分は周りとは違うという違和感があった。そのため高校生の時に全般性不安障害と診断された際には、やっと周りとの違和感の理由を知ることができホッとした。
彼女は違和感の原因がわかったものの、不安障害はすぐに改善されるものではなかったため、大学に入ると再び障害が発症し、不安が彼女を襲った。その頃、大学2年生の秋学期を迎えたシャールフは失恋、そして大学での勉強への不満など、様々なストレスや不安から自分を見失ってしまっていた。
それら全てのストレスがピークに達し、シャールフはうつ状態になってしまい、彼女の精神は最悪な状態に陥った。そしてついには、泣きながら両親に助けを求め、救急病院に彼女を連れて行くように頼んだ。
“I just had no idea who I was anymore. I suddenly felt like I was stuck at the bottom of an endless ladder, as if there was no point in me trying in life anymore. I never felt so alone in my entire life.”
当時、私が誰なのかが全くわからなくなってしまったわ。突然深い穴の底に落ち、生きる理由をなくしたかのようでした。人生であれほど孤独に感じたことはなかったわ
シャールフはバッファローニュースとのインタビューでその時の状況を語った。
病院へ行った日の午後、8時間もの間救急病院の診察室で過ごした挙句、シャールフは精神科病院に移されることになった。しかし、彼女は精神病院に一歩踏み入れた瞬間、ここにいるべきではないと感じた。
“I literally felt as if I was losing my mind.”
文字通り、正気を失ったかと思ったわ
彼女が精神科病院にチェックインを済ませた後、病院のスタッフが彼女の携帯電話などの持ち物を全て没収した。
“They searched my bag for anything that I could of potentially used to harm myself with.. and they even cut the string off my Free City hoodie.”
病院は私のカバンの中に入っている自傷行為につながり得るものを全て没収した。パーカーの紐を抜き取ってしまうぐらい
Steven Depolo on flickr
その時に彼女の救いとなったのが1ペニー(約1円)だった。シャールフが幼いころ、彼女の周りにはそこにあるのが必然であるように、1ペニーが落ちていたという。その偶然は、精神科の病室でも起こった。彼女は気が滅入る中、ふと床を見た瞬間、足の間に1ペニーが落ちていたという。
“It was a surreal moment; it was a reminder that someone was no doubt watching over me trying to tell me everything would be okay.”
あの時は信じられなかったわ。あの病院で1ペニーを見た時に、誰かが影から頑張れ、大丈夫よ、と言ってくれているかのようだったわ
12時間を精神病院で過ごした後、シャールフはここにいるべきではないと強く感じ、父親に頼み病院から退院させてもらった。病院から退院した彼女は、大学を休学して家にこもり、自分自身と向き合うことを決意した。この時はまだわからなかったが、この休学という決断が彼女にとって人生のターニングポイントとなったのだった。
“When I first got home I was very depressed. Even something as simple as going outside seemed like a huge activity and effort to me."
最初に家に着いた時はまだ気が滅入っていた。ほんの少し家の外にでることですら、私にとってはとても辛いことだった
martinak15 on flickr
"As I got better and started feeling like myself again, I became so bored that I ended up finding little ways to entertain myself, such as teaching myself how to draw and build a website by watching videos on Youtube.”
次第に私の状態も回復して、自分を取り戻し始めた頃に私は暇を持て余していたので、ユーチューブで絵を書く練習やウェブサイトを立ち上げる方法を学んでいたの
家で過ごしている間、シャールフは前よりも1ペニーを見つけるようになっていた。そんなある日、ふと彼女は1ペニーコレクションの中からひとつ掴み、穴を開けて糸を通して腕につけてみた。 彼女のそのアイディアは瞬く間に周りを驚かせるものとなったのだった。彼女の作ったブレスレットは妹やその友達の間で人気になり、自分たちにも作って欲しいと言い出したのだった。もちろん、シャールフは彼女たちに作ってあげた。
Who What Wear on pinterst
“Then one morning I woke up with the idea of Heads Up For Charity, and I immediately wrote it down and brainstormed.”
そんな時にある朝、起きた瞬間にHEADS UP FOR CHARITYというアイディアが思い浮かんだの。すぐに紙にアイディアを書き出していったの
“That is how my company was born. Five hundred bracelets later, I had created what my Mom refers to as a monster.”
それが私の会社の始まりだったの。500個のブレスレットを作った頃に私の母には「とんでもない”モンスター”を作ってしまったわね」と言われたわ
その頃から彼女の会社はThe Man Repeller, We Wore What のDanielle Bernstein や LMFAOのSky Bluなどといった多くのブロガーやセレブたちの目に止まるようになった。
彼女は作ったブレスレットの売上の一部を寄付されるシステムを創りあげたのだった。その後シャールフは休学していた大学にも戻り単位を取り終え、ブレスレットで約$260,000(約280万)を売上げ、その25%は寄付に回した。
会社の成功がどのように彼女の人生を変えたかと聞かれると、シャールフはいつも「どんなアイディアかはわからなかったが、少しだとしても世の中を変えられると信じていた」と語る。しかし彼女自身も初めてブレスレットを作った日までそれが本当に実現されるとは思ってもいなかった。
Cheer up! English 編集部の感想
ピンチはチャンスとはまさにこのこと。いつもと変わらぬ1日の中で起こる閃きや発想が、その後の人生を変え、夢を叶えてしまう。大事なことはサインに気づくこと、それよりも先に自分自身と向き合うことかもしれません。
Source by "How One Girl Used Her Personal Struggle To Turn A Penny Into A Startup" on elite daily.
Photo by Piece Apparel on pinterest
翻訳/千葉ゆりか 構成/高石真帆
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