頑張る子どもに語りかけたい
励ましの英語フレーズ

発表会、運動会、試合、日常まで
前向きになれる魔法の言葉

 

子どもが前向きになれる励ましや褒めるといった語りかけのフレーズを、欧米文化にも詳しい幼児教育研究家の平川裕貴さんに伺いました。言葉から見えてくる、効果的な語りかけの方法や、欧米の親の姿勢なども参考になります。
今回は、発表会や運動会、スポーツ試合から日常で使える、何かに挑戦する前と、挑戦した後にかけたい言葉のパートに分けてご紹介します。

 

◎挑戦する前にかけたい言葉

 

You can do it!

君ならやれるよ!

*よく使われる言葉です。発表会やスポーツの試合などはもちろん普段の生活の中でも使います。「自分はできる」というポジティブなイメージを抱かせます。

 

I believe in you!

君の力を信じているよ

 

*うまくできるかなと不安に思っていそうな時に、「大丈夫だよ」という気持ちでやさしくかけてあげたい言葉です。

 

Give it your best shot! 

最高の場面にしてやれ!

*カッコいいとこ見せたいと思っている男の子にぴったりの言葉。スポーツでは「相手をやっつけちゃえ」みたいな感じで使えます。

 

Do your best! 

ベストを尽くせ!

*日本でもよく聞きますね。私はこの言葉から、たとえ失敗しても( even if you fail ) ベストを尽くすことが大事なんだというニュアンスを感じます。この後に“even if you fail”を付け加えて、Do your best, even if you fail! もいいですよ。

 

I’m behind you all the way!

ずっと君を見守っているよ!(応援しているよ)

*何があっても、そばで見守り応援していてくれる人がいるというのは、とても心強いことですね。これも優しくかけてあげたい言葉です。

 

 

<コラム>言葉から見える、子育てや環境、考え方の違い

欧米では、挑戦することに価値を置きます。仮に失敗しても挑戦したことを評価します。
日本人のように、失敗やうまくできないことに対する恐れや、みんなの中で目立ちたくない、という気持ちは少ないです。むしろみんなの中で目立つことを望みます。
「失敗したらどうしよう」という不安というより「カッコいいところを見せられるだろうか」という不安です。同じ不安でも少し質が違いますね。
もちろん、失敗を恐れる心配性の子も神経質な子もいますので、総体的にということですが。
ですから、ネガティブな気持ちを打ち消す言葉より、気持ちを鼓舞させるポジティブな表現になります。
英語で表現する時は、例えば「失敗してもいいんだよ」みたいな日本語をそのまま英語に訳してもしっくりきません。英語で語りかける時は、欧米的な思考や感覚で言う方が自然です。

 

 

 

◎頑張った後にかけたい言葉

 

You did it!

やったね!

*うまくいった時、こんな言葉をかけてハイファイブ(片手でタッチ)やハイテン(両手でタッチ)をしてあげたら、子どもはきっとよろこびます。

 

You made it!

やり遂げたね!

*上手下手、速い遅いにかかわらず、最後までやり遂げた時、こう声をかけてあげましょう。

 

I see you’ve tried very hard.

すごく頑張ったってわかっているよ.

*うまくいかなかったとか、失敗したとしても、本人は頑張ったはず。本人が一番悔しい思いをしていることでしょう。そのことをちゃんとわかっているよと伝えてあげましょう。

 

You did your best.

ベストを尽くしたね

*これも、結果があまり良くなかった時に使える言葉。精いっぱい頑張ってもうまくいくとは限りませんね。でもベストを尽くすことはとっても大事。それを認めてあげましょう。

 

I’m (so) proud of you.

すごく誇りに思うよ

*成功した時は成功を喜び誇りに思う。失敗した時は、頑張ったこと、トライしたことを誇りに思う。どちらにも使える言葉です。普段でも使って欲しい私のお勧めの言葉です。

 

 

<コラム>欧米には運動会がない!?

欧米には日本のような運動会はありません。集団で組体操やダンスをするというのは、とっても日本的な行事なんですね。近隣の人達が常に協力しあうという農耕民族特有の習慣から生まれたものだと思います。
欧米にもスポーツデーというのがありますが、それはみんながそれぞれ好きなスポーツをするそうです。欧米の人達は言ってみれば個人主義。軍隊でもない限り、みんなそろって全員で同じことをするっていう考えはないのです。
(この考え方については、私の近著『グローバル社会に生きる子どものための-6歳までに身に付けさせたい-しつけと習慣』に詳しく書いていますので、よかったら参考にしてください) ですから、厳密には、運動会という、日本と同じ状況でかける言葉ではありませんが、日常でも使える英語の励まし言葉を紹介しました。

 

 

ライタープロフィール 平川 裕貴 (ひらかわ ゆうき)

元日本航空CA。英語スクールマネージャーを経て、1988年外国人講師による子ども英会話教室『リリパット』設立。長年欧米文化に触れた経験から、日本と欧米文化の優れた点を取り入れたしつけを提唱する幼児教育研究家。現在、3歳から6歳の子が通う幼稚園型英語スクールで、日本人としてのアイデンティティをしっかり持ち、広い視野と思いやりの心を持ったバイリンガルを育てている。スクール経営の傍ら、これまでに得た知恵や知識を広く伝えるべく執筆活動も開始。著書にグローバル社会に生きる子どものための-6歳までに身に付けさせたい-しつけと習慣(アマゾン) 5歳からでも間に合う お金をかけずに子どもをバイリンガルにする方法(彩図社)がある。
また、コラムライターとして、ママ向けサイト『IT Mama』で、子育てに関する記事を執筆中。

 

 

 

 

 


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