英検®4級と好奇心だけ持って。
価値観を変えた僕のワーホリ

活躍中のビジネスマンに聞く
オーストラリアワーキングホリデー体験記

ワーキングホリデーで気になる、費用・仕事探し・仕事内容・語学学校・滞在先・持ち物など実際のところを経験者に聞く、ワーキングホリデー体験記。今回は20代の頃、オーストラリアのシドニーに1年間ワーキングホリデーで滞在した鈴木亮さんにお話を伺いました。

 

●お名前 鈴木 亮さん
●年齢 41歳 
●職業 株式会社グッドウェーブプロモーション(イベント、プロモーション、企画運営)  常務取締役 
●最終学歴と専攻 私立大学 商学部 卒業
●これまでのキャリア 
大学卒業後オーストラリアにてワーキングホリデーを経験。帰国後はアジアを中心にバックパッカーとして海外へ渡航する日々を過ごす。30歳の時に現在の会社へ入社、現在に至る。
●過去の海外渡航歴(旅行含む)
ロサンゼルス/ハワイ/サイパン/オーストラリア/モルディブ/メキシコ/ネパール/カンボジア/タイ/インドネシア/シンガポール/ベトナム 他
バリは20回以上の渡航歴!
●ワーホリ期間 1998年、大学卒業後オーストラリアのシドニーに1年間
●入学した語学学校 なし

 

 

●ワーキングホリデーに行こうと思ったきっかけと目的を教えて下さい

初めて海外に渡航したのは実は高校一年の夏。アメリカのロサンゼルスに10日間の短期留学をしました。そこには夢に見ていたアメリカ生活とちょっと違った体験がありまして(笑)。ホストファミリーと遊びに行ったのは、期待していた遊園地とか映画館とかではなく、なんと山とか砂漠とかの大自然(笑)。でも、後々になってよかったなって思っています。帰り際は感極まって泣いてしまうくらいホストファミリーとの出会いは感動的でしたから。この短期留学を経験してからというもの、ずっと海外に住んでみたいという思いがあって、大学卒業を機にワーホリにチャレンジしたんです。

 

 

●滞在国を選んだ理由は何ですか?

当時、ワーキングホリデーとして行ける国にあまり選択肢がなかったんですけど、その中で一番行きたかったのが、オーストラリア。海沿いに住みたいという憧れもあったのでオーストラリアはぴったりでしたね。

 

 

●ビザの手続きはどうしましたか?

直接オーストラリア大使館に出向いて、書類作成から申請まですべて自分でやりとりをしてワーキングホリデービザを取得しました。

 

 

●渡航前に用意した費用はどれくらいですか?

実はあまり用意していなくて(笑)。片道の航空券も入れて2、30万円くらいだったでしょうか。なので、すぐに働かなければならない状況でした。

 

 

●渡航前・滞在中・帰国後の英語学習はどのようなことをされていましたか?

特に英語の勉強はしていませんでした。中校生の時に取った英検®4級ぐらいかな(笑)。滞在中は、つたない英語を駆使しながらも、あえて英語でコミュニケーションをとらないといけないという環境を意識して作っていましたね。シェアハウスでお世話になったイギリス人オーナーの女性とはもちろん英語で話をしていましたし、働いていたお土産屋さんのイラン人スタッフたちとも英語でコミュニケーションをとっていました。

 

 

●現地の滞在先(宿泊先)はどのように探しましたか?

日本で滞在先とかの準備もせず、ホントに身ひとつで渡豪しましたので、飛行機を降りてから、街に向かうバスに飛び乗り、とりあえず街中で降りて(笑)。なんとか辿り着いたホテルがこれまたひどくて(笑)。早くココを出なくちゃ!と思ってから2、3日でボンダイビーチにある日本人がカップルで住んでいるシェアハウスを見つけて、早速面接に行きました。旅行の英語フレーズが載った本を片手に、日本人が集まるような場所でシェアハウスの募集の貼り紙を見つけたんです。

 

 

●現地での仕事はどのように探しましたか?また実際、どのような仕事をされていましたか?

ボンダイビーチへ引っ越した後、日本人向けのフリーペーパーで仕事を探して、まずお土産屋さんで働き始めました。オーナーがイラン人、働いている人もイラン人、日本人スタッフが何人かいる、という感じでした。面接はもちろんすべて英語で、英文で作った履歴書も持っていきましたよ。ワーキングホリデーで仕事を探すならやっぱりジャパレス(日本食屋さん)か、お土産屋ですよね。難しい仕事だとやはり英語力やスキルが必要だったりするので自分には無理かな、と。キングスクロスというエリアにある日本人観光客向けのお店だったんですが、プロポリスとかぬいぐるみなどのほかに、ワニ皮やカンガルー皮の鞄、シープスキンのコートなど高額商品も扱っていました。売上を上げるために、そういった高価なものも頑張って売りましたよ。そういったコミュニケーションは得意でね(笑)。オーナーに「HEY!RYOSUKE!ワーキングビザを出してあげるよ」って言われるくらい沢山売りましたよ。時給はたしか10ドルくらい。当時の600円くらいだったと思います。

 

働き始めて約半年後、お土産屋さんの都合もあって、仕事を辞めて引っ越しもしました。途中1週間ほどオーストラリア人の父子が暮らす家に移ったのですが、彼らから「もっといいとこあるよ」って紹介してもらったのが、イギリス人女性がオーナーのシェアハウス。そこには日本人留学生と大家のイギリス人女性が住んでいたんです。次の仕事先は、駐在員などが集まるいわゆる酒場でバーテンダーとボーイをしていました。お給料も良くて結構チップもらったのを覚えています。その他にも日本人向けのフリーペーパーの営業も少しやったりしてね。ただ、なかなか稼ぎが厳しいこともあって、バーテンの仕事をメインにすることになりましたけど。

 

 

●ワーキングホリデーでのある一日のタイムスケジュール

7:00 起床&サーフィン
9:00 朝食
10:00 フリータイム
16:00 出勤
23:00 帰宅
24:00 ナイトクラブでリラックスタイム

 

サーフィンが大好きな僕は、朝食のあと海に入るのが日課でした。仕事をしたあとの楽しみは、カジノかな(笑)。ちなみにオーストラリアのナイトクラブには大きなテレビがあって、そこでスポーツを観ている人がいたり、ビリヤード台があったり、ダンスフロアはもちろん、カジノをやるところもあります。複合アミューズメント施設という感じでしたね。

 

 

●ワーキングホリデー先ではどんな食生活を送っていたのでしょうか?

お金がない日の食事はレタスだけ(笑)。あとは、シェアハウスの仲間たちが作った料理のお裾分けをもらったり、ファストフードだったり。その当時の思い出の好物といえばケバブ。シェアハウスの近くにケバフ屋さんがあって、よく食べていましたね。

 

 

●ワーキングホリデー先でどうやって友人を作りましたか? また現地の友人はどのように知り合いましたか?

僕の場合は学校などに行ったわけではなかったので、趣味のサーフィンを通じて、近所に友達が増えていきました。なんでも良いので、趣味があると、そのコミュニティーから友人は増えていくので、おすすめです。 House partyで知り合った現地の友達もいましたね。一番仲が良かったのが日系のオーストラリア人だったのですが、彼は日本語がとても上手だったので、正直あまり僕が英語を喋る機会は少なかったです(笑)。

 

●ワーキングホリデー中に覚えておいて役に立ったフレーズは何ですか?

 

How can I say this...

どうやって言うんだろ

すぐに英語が出てこない時、どうやって伝えたらいいか分からない場面が多々あったので、口癖になっちゃっていましたね。

 

Up to you.

任せるよ

「あなたが決めていいよ」「任せるよ」って、英語に自信がなかった僕にはとても便利なフレーズでした(笑)。

 

Can I have〜

〜もらえますか?

これは基本ですね。これさえ言えればなんとかなります。

 

 

●ワーキングホリデー中、渡航先で困ったことありますか?

特に困ったことはなかったですね。お土産屋があったキングスクロスは酒場とかナイトクラブとか、いわゆる夜のお店も多いエリアだったので、少し危ない雰囲気はありましたが、オーストラリアって銃社会ではないので、そんなに怖い思いをすることはなかったです。でもキングスクロスは世界でも有数のゲイカルチャーが発展しているところでもあるので、男性にナンパされるということはありましたけど(笑)。仕事終わりの深夜に、車から「乗ってかないか」って声かけられて(笑)。普通はついていかないと思うんですけど、好奇心旺盛な僕は「助かるよ」って。助手席で膝をスリスリされながら帰宅したのはいい思い出です(笑)。

 

 

●ワーキングホリデーの経験によりご自身の英語力はついたと思いますか?

英語を聴き取る力は相当ついたと思いますね。でも喋れるようになりたいならやっぱり語学学校に行かないと難しいかなって思います。シェアメイトの日本人はかなり英語が流暢だったんで、どうしてか聞いてみると日本で英語の学校などに通ってみっちり勉強してきたって…。元々のボキャブラリーがなければ言葉も出てこないですからね。机で勉強するっていうのは大事だと思いますよ。ビジネスと同じですね。

 

 

●帰国後、仕事はどのように探しましたか?その際、ワーホリの経験は役立ちましたか?

オーストラリアから帰国して、「もっといろんな国を見てみたい」という思いがより強くなり、アルバイトをしてお金が貯まると海外へ、というバックパッカー生活を繰り返していました。当時は、就職よりも海外での体験のほうが刺激的で夢中でしたね。

 

 

●ワーキングホリデーに行って良かったことを教えて下さい。

視野が広がりましたし、価値観が大きく変わりました。僕自身、会社の若い子にもよく言うんですけど「日本に仕事がないなら海外にいけばいいじゃん」って。「海外で仕事するのって大変じゃ…」と思うかもしれないんですけど。たしかに誰でも自分が経験したことのないことって、すごくマインドブロックがかかって難しいと思うんですけど、とりあえずその環境に飛び込んでみたら、意外と大したことじゃないって気づくんですよね。そう思うきっかけをつくってくれたのは僕の中でワーホリです。

 

 

●これからワーキングホリデーに参加しようと思っている人にメッセージをください。

一番大切なことは経験だと思います。特に20代は失敗も成功も、いらない知識もすべて吸収することで自分の経験値が上がります。遊んでも勉強しても何でもいいけど、20代での経験したことは30代、40代で生きてきます。そういった意味でも20代は人がしていないような経験をするべきだと思うし、勇気を持ってしたいことをすべきだと思いますね。実際、そういう経験を積んできた人の方が面白い人が多いですよ。30代では経験を生かして、試行錯誤しながら行動していって、40代で完成させていくというのが理想だと思います。

 

 

●今現在、当時の経験(または英語力)は(主に仕事において)どのように生かされていると思いますか?

ワーホリ、その後のバックパッカーの経験から、年に一度でも家族と海外旅行に行くということが僕はライフワークになっています。そんな海外旅行をする中、「どうしてあの時チャンスがあったのに英語を勉強しておかなかったんだろう」という思いもあり、つい最近、英会話スクールにも通い始めました。今は仕事のために英語を学んでいるわけではないですが、来るべき時に備えて学んでおこうという感覚です。今、中国で展開している仕事も、将来は香港やシンガポールに拡がれば英語の必要性も出てきますからね。そのためにも、頑張りたいと思っています。

 

 

 

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