アメリカの成人式？
16歳の誕生日Sweet sixteenって？
アメリカの”Sweet 16”って
どんなことするの？
★Sweet sixteenパーティーってどんなことをするの？
Sweet sixteenのパーティーのお祝いの仕方に決まったルールは存在しません。フォーマルでもカジュアルでもよし、家で開催してもスケートリンクを貸しきって開催してもよし、ゲストを100人招待してもいいし、家族だけでお祝いしてもいいのです。大切なのは、主役の女の子にとって最高の思い出を残してあげることです。 アメリカ人は家族のイベントを大切にします。友達ともパーティーをする年頃ですが、子どもが高校を卒業して家を出るまでは、誕生日パーティーは家族主催のイベントとしてお祝いすることが多いです。特に16歳は節目の年齢なので、家族は準備に時間をかけ（規模にもよりますが２～３ヵ月ほどかけることも）、いろいろと工夫を凝らしてプランニングをします。
次に、私のまわりのアメリカ人に聞いた、アメリカ人が行っているプランニング例を紹介します。
パーティーのプランニング
1. 予算を決定：盛大にしようとすればするほど費用はかかってしまいますが、家族で話し合い、事前に予算を決めて、その範囲でやりくりできるようにします。
2. ゲストと開催日を決定：開催日は誕生日当日である必要はありません。ゲストを決めたら、招待したいゲストに確実に来てもらえる日にちを選び、他のクラスメイト等とのパーティーと重ならないようにないように気を付けます。
3. テーマを決定：テーマは自由。大好きなテレビや映画から着想してもいいし、食べ物や色にこだわってもよし。テーマに沿って、招待状のデザイン、音楽、ドレスコード、食事、会場の飾り付けなどを決めるので、テーマ決定はプランニングの中の最重要部分と言えるでしょう。女の子らしい人気のテーマとして、ピンクテーマ、キャンディーテーマ、レッドカーペットテーマ、ダイヤモンドテーマなどがあります。
例えば、ピンクをテーマにした場合、ピンク色を基調とした招待状を用意して、ドレスコードの指定をピンク色の服にします。音楽もピンクが名前に付くアーティストの曲や、タイトルにピンクが入っているものを選び、会場の飾り付けもピンク色のライトを用意するなど、すべてをピンクに統一します。もちろんカップやお皿などの食器もピンク色を選びます。食べ物もピンク色のケーキや綿飴を用意したり、飲み物もピンク色のノンアルコールカクテルを作るなど、とにかくピンク尽くしにするのが肝です。
4. パーティーのスタイルと会場の決定：テーマと規模そして予算を考慮して決定します。もちろん自宅や自宅の庭で開催してもいいし、フォーマルなものであれば、ホテルやパーティーホールなどで行うこともあります。会場が決定したら確実に押さえます。以下に、人気のパーティーのスタイルをご紹介します。
a. ダンスパーティー：アメリカ人はパーティーでダンスを踊るのが大好き。そのため、一番人気のあるスタイルです。パーティーを仕切るDJ選びが肝要。
b. アウトドアムービーパーティー：大きなアウトドア用スクリーンとプロジェクターを借りて、自宅の庭やプールサイドに設置してムービーナイトを楽しみます。
c. プールパーティー：カリフォルニア州などプール付きの家が多い地域では、夏ならプールで開催することも多いそうです。DJも呼んで盛り上げます。友達と16歳の夏を楽しむのに持って来いのスタイルです。
d. アイススケーティングパーティー：冬場にパーティーを開催するならアイススケート場を貸しきってバンドを呼んで盛り上げるのもいいかも。
5. 招待状の発送：パーティーのテーマに沿った招待状を用意し、日時、場所、ドレスコードなどの必要情報、最後にRSVP（RSVPは Repondez s'il vous plait.の略でお返事下さいの意味です。パーティーやイベントの案内状でよく使われる表現です）と記載して発送します。ゲストに予定を開けておいてもらうために早めに発送します。
6．パーティー当日：パーティー当日は思い切り楽しむことに専念します。大切な家族や友達に囲まれて、ケーキのろうそくを吹き消す瞬間は、大人への階段を登る16歳の女子にとって、一生の思い出に残る最高に幸せな瞬間と言えるでしょう。
★アメリカにも日本の七五三のような節目のお祝いってあるの？
多民族、多人種から成るアメリカは文化も宗教も多様性に富んでいるため、日本のように全国一斉に式典を開いてお祝いするようなイベントは存在しません。
しかし、今回紹介したSweet sixteenをはじめ、高校や大学を卒業する年齢の誕生日や、アルコールが解禁になる21歳の誕生日にも、パーティーを企画して人生の節目をお祝いしています。
子どもの健やかな成長を祈る日本の七五三のような行事の文化も一般的には存在しませんが、子どもの1歳の誕生日は、親にとって感慨深いものですし、支えてくれた周りの人への感謝を伝える目的と、子どもの健康を願う目的から、特別なものとして盛大にお祝いすることがあります。
なお余談ですが、私が住んでいる地域は、日本人の居住率が高いこともあり、サンフランシスコのジャパンタウンにある桑港寺では毎年七五三のご祈祷会が開催されています。
ライタープロフィール 牧野 麻耶（まきの まや）
静岡県出身。シリコンバレー在住。法科大学院卒業後、法律事務所に勤務し知的財産関係の仕事に従事。2014年、IT関係の会社に勤めるアメリカ人夫の本社転勤に伴い、退職してカリフォルニア州に移住。
