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カリフォルニア運転免許証の取得方法

留学生のために日本語で教えます
カリフォルニア州での手続方法

2015.04.22 |

 

車社会アメリカ。一部の都市を除いて、一般的に公共交通機関が発達していないので、自分の行きたい場所へ自由に移動するためには車が必要不可欠です。学校へ通うのにも車がないと不便だったりします。今回は、留学生(F1ビザ保有者)がアメリカで運転免許証を取得する方法について、シリコンバレー在住の、私のカリフォルニア州での体験談を交えてお伝えしたいと思います。

 

車がないと不便なアメリカ

 

私が住んでいるシリコンバレー(カリフォルニア州サンタクララ群)は、世界に名立たるIT企業の本社が集まってハイテク産業の一大拠点となっていることから、移住前は都会のイメージを抱いていましたが、実際はのどかな田舎でした。電車やバスは存在するものの、便利とは言い難く、車を運転しないと行きたいところへ自由に行けないというのが現状。近隣都市のサンフランシスコは、アメリカの中でも珍しく公共交通機関が発達していますが、これは例外。夫の実家があるウィスコンシン州にいたっては、車がないと生存できないと言っても大げさではないほどです。

 

留学生にとっては、車がない場合、学校への通学も延々とバスを待ったり乗り継いだりと一苦労です。また、キャンパスが広い場合は、学校内を車移動する必要があることも。そのため、アメリカで留学生活を円滑に送るためには車があった方がよいでしょう。

 

私は、渡米前に日本で国際免許証を取得してはいたものの、カリフォルニア州法では、カリフォルニア州に住居を定めることとなった人はカリフォルニア州の運転免許証を取り直す必要があるとしているため(この法律は、国際免許証は観光及び商用などの目的で訪米した短期滞在者に対してのみ有効としています)、引っ越してからすぐにこちらの運転免許証を取ることにしました。

 

ちなみに、1年以上の滞在資格を持っている留学生の日常的な話題には、必ずと言ってよいくらい運転免許証の話が出ます。こちらで運転免許証を取得することが、アメリカ社会に仲間入りをするための登竜門のような感じになっていて、みんなで情報交換をしたり、一緒に試験を受けに行ったりして親睦を深めることもあります。私も学校で仲良くなった友人と一緒に試験を受けに行きました。

 

Robert Couse-Baker  

 

 

カリフォルニア州で運転免許証を取るなら

 

以下ではF1ビザを保有している留学生がカリフォルニア州で運転免許証を取得するための手続きについて紹介したいと思います。なお、運転免許証の取得に関する手続きは各州ごとに異なるため、その他の州に留学される方は、この記事を参考程度にし、各州の情報をお調べください。

 

まず、運転免許証を取得するための条件として、ビザ(滞在資格)の残存期限が60日以上あること

 

が必要です。手続きを始める前にビザの期限を確認しましょう。 自動車の登録や運転免許に関する業務はDepartment of Motor Vehicles(略称DMV。州ごとの管轄になっており、名称が異なる州もあります)が行っています。日本の運転免許試験場のような場所です。地域ごとにオフィスがあるので、最寄りのDMVを探しましょう。

サンタクララDMVの外観

 

カリフォルニア州の運転免許証を取得する手続きの流れは以下の通りです。

1. 筆記試験の予約

2. 筆記試験

3. 路上練習許可証の交付

4. 実技試験の予約

5. 実技試験

6. 運転免許証交付

 

筆記試験に予約は必要?

 

多くのDMVでは、筆記試験は予約せずに、そのまま足を運んでその場で受験することができます(DMVによっては予約が必須な場所もあります)。しかし、朝早く並ばないと長時間待つことになるので(私の地域のDMVではいつも長蛇の列ができています)、時間が有り余っていて並ぶのが苦にならないという人でなければ予約をした方がいいでしょう。予約はDMVのサイトからできます。

 

Chris Hunkeler 

 

予約の画面で、一番上にBehind-The-Wheel Driving Test Appointmentとありますが、これは「実技試験」の予約なので、筆記試験の予約をする人はその下のField Office Visit Appointmentをクリックします。地域にもよりますが、混んでいる場所だと予約可能な日にちが1ヵ月以上先になることもあるので、免許取得を考えている人は渡米後早めに予約をしておいた方がいいかもしれません。予約が無事に済むと、予約した試験日の数日前にDMVから電話がかかってきます。しかし、この電話は自動音声システムによる確認の電話なので、特に何か応える必要はありません。

http://www.dmv.ca.gov/portal/dmv/detail/portal/foa/welcome

 

日本みたいな教習所がないアメリカ、どう違う?

 

日本では運転免許証を取得する際には自動車教習所へ通うのが一般的ですが、アメリカではそのまま試験を受ける人がほとんどです(18歳以下の場合は教習を受ける必要があります)。

交通規則を自分で勉強して、周囲の免許保持者から公道で運転を教えてもらい、いざ受験という簡単な流れ。車を運転する必要性が高いだけに、免許取得のプロセスも簡略化されているのでしょう。 ちなみに、筆記試験の勉強ですが、DMVのサイト上でカリフォルニア州の交通ルールなどを説明したハンドブックをダウンロードすることができます。このハンドブックは残念ながら日本語はありません。その他、私はネット上に落ちている過去問を解きました。

http://www.dmv.ca.gov/portal/dmv/dmv/dl/driverhandbooks 

 

筆記試験を受けに行こう

 

当日は必要書類を持参して予約時間にDMVへ行き、appointment 「予約あり」の表示の前に並びます。予約をしていない人はnon-appointment 「予約無し」の行列に並びます。

 

F1ビザ保有者の筆記試験時の必要書類は以下の通りです。

 

1. DL44:DMVに備え付けの申請書です。コピーは不可。事前にDMVで取得して記入後に持参してもいいし、当日、受付後に記入することもできます。サンプルはこちらで確認できます。

https://www.dmv.ca.gov/portal/wcm/connect/bb16ade8-ef21-4400-85a0-5811783eda1f/dl44sample.pdf?MOD=AJPERES&CONVERT_TO=url&CACHEID=bb16ade8-ef21-4400-85a0-5811783eda1f

DL44は、全て英語で書いてある上に悩ましい箇所もあるので、気を付けた方が良いポイントを挙げます。

 

● 身長と体重:アメリカは度量衡がフィートとポンドなので、事前に自分の身長体重をセンチとキロから換算しておくとその場で慌てずにすみます。

 

● 目の色:アメリカでは人により髪や目の色は異なるのが当たり前で、個人を特定する情報になるので、記入を求められます。「日本人なら目の色は黒!」と反射的に思ってしまいますが、日本人の目は「black 黒」ではなく「brown 茶」です。「black eye」は殴られてできた「目の周りの青あざ」の意味なので注意して下さい。

 

● 有権者登録:外国人なのでNOで(アメリカは選挙に投票するために有権者登録が必要。DMVでついでに登録できます)。

 

2. パスポート

3. I-20

4. I-94 ※I-94は最近電子化されました。電子化後の方は印刷して持参する必要があります

5. 手数料33ドル(2015年現在)

 

その他、18歳以上で日本の運転免許証を持っている方は、提示するとTemporary Drivers Licenceを発行してもらえる(路上運転練習の際に同乗者が不要になる)ので、持参するとよいでしょう。 自分の順番になったら、受付に予約があることを伝え、必要書類の提示を求められた場合は(受付では求められない場合もあります)提示します。番号の書かれた紙を渡されるので、空いている席に腰掛けて自分の番号がアナウンスされるのを待ちます。DL44を未記入の方は、この待ち時間で記入するといいでしょう。番号がアナウンスされたら、指示のあった番号の窓口へ進みます。

 

Brian Cantoni

 

指紋採取、写真撮影、そして試験の言語を選ぼう

 

窓口で再び必要書類の提示が求められるので、上記の一式を提出します。確認が済むとその場で手数料を支払います。

次に、親指の指紋を採取するので、指示されたとおり、親指を機械に乗せればOK。

その後、視力検査を受けます。検査と言っても、窓口の奥に吊るされているボードに書かれたアルファベットの文字を読むだけの簡単なものです。

そして最後に、筆記試験の言語について確認されます。

 

カリフォルニア州の多くのDMVでは、英語以外にスペイン語、日本語、中国語、韓国語などさまざまな言語に翻訳された試験用紙がそろっているので、ほとんどの人が自分の母国語で試験を受けることができます。英語が堪能な人の場合は英語で挑戦してもよいと思いますが、やはり日本語で受ける方が楽かな、というのが個人的な感想です。なお、試験は1回で受からなくても、同日に3回まで受験可能です。

窓口での手続が完了すると写真撮影です。撮影の前にもう一度指紋の採取があります。写真撮影のチャンスは1回、容赦なくシャッターが切られてしまうのは日本もアメリカも同じ。

 

Micah Sittig

 

まずは筆記試験。日本と違う法律も覚えておこう

 

写真撮影の後はついに筆記試験です。試験問題を渡された後、ブースで立ったまま受けました。試験は全部で48問(文章問題36問、標識問題12問)。42問以上正解すれば合格です。結果はその場で教えてもらえて試験用紙は持ち帰ることができます。

私は、「車両内に18歳未満の同乗者がいる場合に喫煙することは_______。」「自分の子どもである場合は合法である」「常に違法である」「法により規制されていない」という文章問題を1問間違えました。答えは何だと思いますか? 正解は「常に違法である」です。日本の感覚で「法により規制されていない」を選んでしまいましたが、嫌煙家の私にとってカリフォルニア州の煙草の規制は大歓迎。問題は間違えてしまいましたが、嬉しい発見でした。

 

Dave Parker

 

路上練習許可証が交付されたら早速公道で運転練習をしてみよう

 

筆記試験に無事合格すると、すぐに路上運転許可証が交付されます。

18歳以上で初めて運転免許証を取る方の場合、Permitという種類の許可証が交付されます。この場合、運転練習時に有効な免許保持者の同乗が必要です。既に運転免許証を取得済みの友人などにお願いをして、運転の練習に付き合ってもらいましょう。

また、前述のとおり、18歳以上でかつ日本の運転免許証を持っている方は、これを提示するとTemporary Driver Licenseを取得することができます。この場合、ひとりで車に乗って練習をすることができます。

State Farm  

 

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