英会話イーオン教師直伝! 
海外ドラマを活用したビジネス英語学習法

ビジネス英語攻略の近道!!

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撮影・文/山川俊行(編集部)

 

ビジネスのグローバル化が叫ばれている現代、“ビジネス英語”の必要性は日増しに高まっています。でも、「ビジネス英語といっても具体的に何を学習したらわからない」という人も多いのでは……。そんな人に朗報! 実は、ビジネス英語学習の近道に、海外ドラマを活用する方法があるらしいんです。

 

そこで、実際に海外ドラマを用いた学習法で英語力アップに繋げた、英会話イーオンの菅井幸子先生に、「ビジネス英語を学習するための海外ドラマ活用法」について教えていただきました!

 

 

「ビジネス英語と聞くと、みなさん取っ付きにくいイメージをお持ちかもしれませんが、実はそうでもないんです。マナーとして日常会話のくだけた英語を避けることはもちろんですが、一番の特徴は、直接的な言い方を避け、話の本題に入る前のワンクッションとして定型的な言い回しを活用することです。例えば、

 

★1 『I don’t think so.(そうは思いません)』

          ↓

I see your point, however~(あなたのおっしゃることはわかります。でも〜)

 

★2 『You should save the data.(データをセーブするべきです)』

          ↓

If I were you, I would save that data.(私ならデータをセーブしますね)』

 

といった具合です。英会話初心者の方は、『直接的にハッキリ主張した方が意思疎通が図れるのでは?』と思われるかもしれませんが、直接的に言ってしまったことが災いし、相手の気分を害してしまうこともあるかもしれません」

 

直接的な言い方が逆にトラブルの元になるなんて……意外です! でも、なぜワンクッション置くことがそんなに必要なんですか?

 

「言葉の“受け取り方”が違うからでしょうか。日本では、上記のように『私ならデータをセーブしますね』と言われても、それが自分への指示だと思えない可能性があります。むしろ、「こうしなさい」と直接的に指示されることが多いですよね。でもそれは、英語ではキツめに聞こえてしまうかもしれません。だから、〈★2〉のように仮定法過去を用い、相手に不快感を与えず、してほしい行動を促すようにすると良いでしょう。参考書や表現集だけの勉強だと、英語の伝わり方やニュアンスの違いまで学べないので、誤解を招くことがあります。そういった“伝わり方”、“受け取り方”を知るためにも、海外ドラマのシーンをサンプルに使うのは有効なんです」

 

でも、“受け取り方”“伝わり方”の違いって、なぜ海外ドラマを観て知ることができるんですか?

 

「いろいろな状況下でのリアルなやり取りを観ることができるからです。日本人の英語学習者の多くは、テストの問題集や、教材での勉強のみに偏っているので、圧倒的にリスニング力とスピーキング力を鍛えることができていません。そこで、海外ドラマに出てくるシーンから、「商談の切り出し方」や、「プレゼンの始め方」などでの様々な言い方を見て学ぶことができます。また、いろいろなシーンを観ることで、言葉の感覚、いわゆる“語感”を養うことができるんです」

 

なるほど! では、先生オススメのビジネス英語学習に役立つ海外ドラマはありますか?

 

「『Brothers & Sisters』という現代アメリカの家族関係を描いたドラマがオススメです。このドラマは、恋愛、家族の会話などの日常的なやり取りから、法律や政治などのビジネスシーンで使われる表現まで、英語学習に役立つ要素がカバーされています」

 

ドラマで登場する、ビジネスシーンで使えるフレーズはありますか?

 

「『Brothers & Sisters Season1 』の『Episode11』で、ドラマの主人公一家が経営するオーハイ食品の重役会でのプレゼン場面を一例に挙げてみましょう。

 

★3 First of all, I would like to thank everyone on the board for such warm welcome. It means so much to me being here today.(まずはじめに、役員会のみなさまには、温かく迎えていただき感謝いたします。本日、こうしてこの場に参加できることに大変感謝しています)」

 

★4 If you could just take one, please, then pass it on.(一部ずつ取って回してください)

 

★5 It is my understanding that one of the goals Ojai is new investments.(オーハイ食品の目標のひとつに新しい投資があると理解しています)

 

★6 Could you direct your attention please?(画面をご覧いただけますか)

 

★7  That’s very impressive indeed and we will give it a lot of serious thought.(実に素晴らしい内容です。熟考させていただきます)

 

英会話初心者の人にとっては、ちょっと敷居が高いと感じるかもしれません。でも、このような定型的な言い回しを覚えて、自分がプレゼンする時はいつも同じ言い回しを使うようにすればいいんです」

 

では、このような言い回しさえ覚えていれば、どんなビジネスシーンでも円滑なコミュニケーションが図れるってことですか?

 

「やはり、ベースとして基本の文法は押さえておく必要があります。単に定型的な言い回しだけをドラマから借りてきても、その先からは話が進まないということになりかねません。従って、教材などで学習してきたことをベースに、自分のなかにない表現を借りてくる“ソース”として海外ドラマを使うと良いでしょう。そうすることで、表現の幅が広がり、少しずつ自分でもアレンジできるようになりますよ」

 

次回は、英会話イーオン“TOEIC®テスト満点教師”菅井幸子先生が教える、「海外ドラマを用いたTOEIC®テスト学習法」をお届けします! TOEIC®テストのスコアに伸び悩んでる人も、これから受けよう思っている人も、目からウロコが落ちること間違いなしです。乞うご期待!

 

 

【まとめ】

①   直接的な言い方を避け、話の本題に入る前のワンクッションとして定型的な言い回しを活用する

②   その際、仮定法過去を用い、相手に不快感を与えず、してほしい行動を促す

③   海外ドラマに出てくるシーンから、「商談の切り出し方」や、「プレゼンの始め方」などでの様々な言い方を学べ、言葉の感覚、“語感”を養える

④   ベースとして基本の文法は押さえた上で、自分のなかにない表現を借りてくる“ソース”として海外ドラマを使う

 

 

■講師プロフィール
菅井幸子(すがい・さちこ)
株式会社イーオン・イースト・ジャパン 教務課トレーナー
◆資格
TOEIC®テスト990点満点、英検1級
TOEIC® Speaking/writingテスト 200/200点満点
J−SHINE 小学校英語育成トレーナー資格
◆著作
『イーオンのTOEIC®テスト満点教師11人が教える「超」勉強法』(11人の執筆者のうちの1人)

●『英会話イーオン』公式サイト
http://www.aeonet.co.jp
●公式サイト内 菅井幸子先生の教師紹介ページ
http://www.aeonet.co.jp/toeic/teacher/teacher001.html




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