You made mistake.って言ってない?
指摘上手になれる英語表現はこれ!
デイビッド・セイン先生が教える
日本人のヘンなビジネス英語

ビジネスシーンでも使いたいのは、英語が母国語でない相手とやりとりすることも多いから、シンプルでわかりやすい簡単な英単語や英語表現ですよね。簡単な英語の中にも、日本人が言ってしまいがちな間違い英語や、表現をちょっと直すだけでスマートなビジネス英語になる表現にできるものもがあるんです。
そんなビジネス英語表現を2週間に1度、人気英会話講師である、デイビッド・セイン先生に教えてもらいます。日本人なら誰でも身に覚えがありそうな、ケアレスミスを減らして、スムーズなビジネスコミュニケーションしてみましょう。
第16回 会議
角が立たない「指摘」の仕方―オブラートに包んだ言い方を使いこなそう
イマイチ英語 Oh, you made a mistake.
ああ、間違っています
イチオシ英語 Oh, it looks like there was a misunderstanding.
ああ、誤解があったようです
Youを使わずに言うと「非難」ではなく「指摘」になる
会話中、相手の間違いを指摘しなければいけなくなったら、どんな英語で伝えるのがスマートでしょうか?言いにくいことではありますが、間違ったまま話が進んでしまうことは誰の特にもならないので、指摘をしつつも、責めるようなニュアンスにならならい言葉を選びたいですよね。
「イマイチ」と「イチオシ」の決定的な違い―それは主語。「イマイチ」の方は、you(あなた)で、「イチオシ」はthere was ...(…があった)が使われています。実はこれがカギで、You made a mistake.と言うと、「あなたは間違った」、つまり「私は何も悪くない。あなたがおかしい」と言っているように聞こえてしまいますが、There was a misunderstanding.なら「誤解があった」となり、責任の所在はあいまいになります。
小さな間違いを取り上げて、「どちらが悪い」というのをはっきりさせる必要はなく、「私たちの間に誤解がある」という事実を伝えれば十分なのです。
It looks like ...で始めるのが好印象
It looks like ...は、「…のようだ」という意味で、「断定」したり、「言い切る」のを避けたい時にとてもよく使われる言い出しフレーズです。会話ではよくitが省略されて、Looks like ...とも言います。日本語で「誤解があります」より、「誤解があるようです」という方がソフトに聞こえるのと同じだと考えればいいでしょう。
また、日本人は、英語を話す時にうまく感情を込めるのが苦手なようです。そのため、まるでロボットがしゃべっているかのような冷たい印象を相手に与えてしまうことがあります。これを避けるには、適度に感嘆詞を用いるのが有効です。ここで紹介しているOhは、ちょっとした軽い驚きを表す表現なので、これを冒頭につけるだけで、感情のこもったリアクション表現に変身します。ぜひ使いこなして下さい!
否定形で言うと柔らかくなる
この例のように、主語に気をつけると相手を傷つけない言い方に変わる表現は他にもあります。
△ You’re wrong.
「間違ってるよ」
○ That’s the wrong way to do it.
「そのやり方は間違ってるよ」
ただし、これはもうひとつの「ソフトに言うためコツ」を活用するともっと良くなります。それは「否定形で言う」というもの。「ダメ」よりも「良くない」と言われた方が、幾分ダメージが少ないのではないでしょうか。同じように、wrongではなく、not rightと言えば語気がぐっと和らぎます!
◎ That’s not the right way to do it.
「そのやり方は正しくないよ」
関連表現
いろんな指摘する表現をマスターしよう
相手の発言について、さまざまな指摘をする時の言い回しをマスターしましょう。
▶非現実的であることを指摘する
□ That’s unrealistic.
それは非現実的ですね
*もう少しソフトに言いたければ、That sounds unrealistic. / That doesn't sound realistic.(それは非現実的に思えます)などと言えばOK。
▶最善策ではないと指摘する
□ That may not be the best thing to do.
それは最善の策ではないかもしれません
▶問題点を指摘する
□There’s a problem with the schedule.
そのスケジュールでは問題があります
今回のボキャブラリー
日帰りの出張って何て言う?
「日帰り出張」の英語を知っていますか? ついつい「その日に行って帰ってくるってことだから…」などと難しく考えがちですが、答えはone-day business trip。その日のうちに終わる出張なので、one dayでいいのです。もちろん、「一日乗車券」ならone-day ticketとなります。ちなみに、「終日」はall-dayなので、「一日続く音楽フェス」なら、all-day music festivalとなります。
構成・文/デイビッド・セイン