パパがいない! 不安だらけの親子留学
で幼稚園決定 そのお値段と実際は?

フォトグラファー須藤夕子さんが
写真で綴る親子留学実体験記

笑顔泥棒と称して人物などのポートレート撮影を中心に活動する、ママフォトグラファーの須藤夕子さんが、2011年に出産した愛娘と一緒に、2015年12月から親子留学行きを決行! なぜ今、パパと離れて親子留学なのか? マレーシアでのママと娘の親子留学の実体験記を公開。家庭によって考え方は違うと思いますが、お子さんの英語教育のひとつの情報として、参考にしてみてはいかがでしょうか。

泣く娘と不安だらけの私。自分たちの決断に揺らぎ眠れない夜 

 移住開始から一週間だけ滞在していたパパが帰国し、最初の夜は不安だらけでした。

 一時帰国までの1ヵ月半の間に、住む場所と娘の幼稚園を決めなければいけない!

 家族にとっての大きな決断、私の最初のミッションはこれ。でも、パパがいなくなり「パパは?」と何度も聞いてきては悲しい顔をする娘。夜になると最初の一週間は大きな涙をポロポロと流し、自分の荷物を紙袋に入れて「ママ、エアプレーン乗って帰ろ、おうちに」などと、小さな心で処理できない様子を見ていると、私も泣きたくなりました。

 

 私は娘にとって良くないことをしているのではないか?

 これがトラウマになって、明るい性格の彼女が、暗い引っ込み思案な性格になってしまったら私のせいじゃないか? とそんな想いばかりがずっと重くのしかかって眠れない夜を過ごしました。

 突然パパがいなくなり、言語が違う世界にいること。娘にはしっかり説明をしてあげて、パパはいつでも会えるんだよ、LINEでこのボタンを押せば電話できるからね! と話すと、とっても落ち着いた顔になりました。

 

緊張と不安の中、自分を奮い立たせて雑誌や人から聞いて情報収集開始!

 それでも私の不安と緊張は日々続きます。訪れたこともない異国の地で、事前に準備はしていたものの、実際には日本の勝手とは全く違うんですから。パパが帰国した当初、最初は何から始めていいのか分からなかったです。

 独身時代が長くフリーランスで16年もやってきた私なんだから、「今までだって、私はひとりで何でも決めて頑張って来たじゃない」と自分に問いかけてみたり。結局最後には「やれる!」「やらなきゃ!」と自分を奮い立たせて、やること、できることを頭の中で整理して、学校選びのための情報収集を開始しました。

 こちらにも日本人向けの日本語のフリーペーパーがあり、学校情報も掲載されています。まずはこのフリーペーパーを頼りにしてみました。生活情報の他に、入学前に学校を見学できる、オープンスクールの情報なども掲載されています。他にもマレーシア全体のインターナショナルスクールの情報誌もあり、こちらもチェックしてみました。

 クアラルンプールには知人はひとりしかいなかったのですが、その知人から紹介してもらった方や、プレイルームに行った時に遊んでいた子どもが制服を着ていれば、その親御さんに幼稚園の雰囲気を聞いたり写メを見せてもらったり、いろんな場所でいろんな方から生の学校の情報を貰うこともできました。

 

 

フリーペーパーにも載っています

いろんな幼稚園が載ってます 

 

マレーシア全体の100校のインターナショナルスクールの情報紙

 

 

事前の情報よりも高い! マレーシアのインターナショナルスクール

 フリーペーパーや人からのクチコミでもらった情報を頼りに、いろんなインターナショナルスクールのオープンスクールに行ってみました。

 説明などを聞いているうちに、予想以上にインターナショナルスクールの金額は高いことが発覚!! うーん高いです!

 入学金含めて高いところで200万円以上!!!!

 ただ、人生においていろんなことを一番吸収する幼少期、触れ合う大人や友達によって、性格も人格も変わってくると思うので、高いけどインターナショナルスクールを選ぼうと思いました。

 ローカルの学校も多民族で面白いのですが、こちらに来て感じることは、マレーシアの人の英語の発音は聞き取りにくく、マレーシアの人は就職活動の時には英語がしゃべれるのは当然なので、後は発音の善し悪しで合否が変わってくるそうなんです。そんな情報を聞いて総合的に考えてみると、やっぱりネイティブの発音を学んでもらえたらいいな〜、ということでネイティブのいるインターナショナルスクールを選ぼうと思い始めました。 

実際に学校に行ってみて収集したインターナショナルスクールの学校パンフレット

 

regent インターナショナルスクールの学費

 

  

クアラルンプールの主要なインターナショナルスクールの主要な20校の学費一覧はこれ

 小学校入学の6歳の一年間の学費比較したいと思います。金額が高い順から上から書くので、親子留学を考えている方はよかったら参考にしてみて下さいね。

 ほとんどの学校がターム(学期払い)ですが、②ISKLのように一年間分を一括して支払う学校もあります。

①MIKIS  RM100,382 ¥2,685,253

②ISKL  RM79,270 ¥2,120,499

③IGB  RM71,500 ¥1,912,649

④Gerden  RM70,710 ¥1,891,517

⑤British   RM70,389 ¥1,882,930

⑥Epsom  RM61,600 ¥1,647,821

⑦Australia   RM50,660 ¥1,355,172

⑧Nexus  RM50,280 ¥1,345,007

⑨Alice Smith RM49,470 ¥1,323,339

⑩Parkcity  RM45,630 ¥1,220,618

⑪Eton house  RM42172 ¥1,096,472

⑫Taylors KL RM37,215 ¥995,514

⑬Fairview  RM35,000 ¥936,262

⑭Help  RM33,000  ¥882,761

⑮Taylors   RM24,810 ¥663,676

⑯Real Cheras  RM21,330 ¥570,585

⑰Time  RM21,000 ¥561,757

⑱Kingsley   RM20,580 ¥550,522

⑲Real ShahA  RM20,500 ¥548,382

⑳Maz  RM18,000 ¥481,506

 

~ご参考までに~

★クアラルンプール日本人学校 RM19,620 ¥510,120 リンクはココ

★保育園 Beacon House

*パキスタン発祥。マレーシア、イギリス、フィリピン、タイ世界9ヵ国にある保育園。午前中のみと18時までのフルタイムがあり、フルタイムの料金は、入学時125,720円 月々35,200円+その他 年間の学費580,120円です。

★学校選びに参考になるWEB資料 リンクははココ

 

 

住む場所から通える学校の見学に行ってみた!

 クアラルンプールセントラルシティ=KLCCと呼びます。日本の自宅は逗子の周りは海、自然豊かな場所なので、逆にこちらでは大都会の中心に住もうと思いました。

 車もないので、スクールバスがカバーしている場所または徒歩で行ける場所に的を絞り、イートンハウスインターナショナルスクールを第一候補にして見学に行きました。

 イートンハウスインターナショナルスクールに着くと、緑が多く、警備員がゲートに常時居て、セキュリティもしっかりしていました。

 メインの建物の黄色が青空に生えて、円形のアーチを子ども達がくぐる姿がとてもキュート。校庭は日本の学校とは真逆の、まるで公園かリゾート施設かのような楽しい雰囲気で緑が輝いていました。勉強ばかりでなく、運動やアートに力を入れている学校だそうで、日本だと赤坂にも同じ学校があります。懐かしい土管のトンネルは、子ども達に人気。ミニチュアなのに、本格的な家具でシルバニアファミリーの中のよう。

イートンハウスインターナショナルスクールのエントランス

 

 

黄色い壁とパームツリーが南国っぽい雰囲気を醸し出しています 

 

まあるい半円のエントランスがかわいい 

ご案内をしてくださったスタッフの方と

 

日本の学校とはちょっと違う雰囲気の校庭 

 

緑が輝く校庭の一部

 

 

このトンネルが子どもたちに人気なんです

 

 

子ども用のミニチュア家具が配置されている自由スペース

 

午前と午後の2回のスナックタイムがあり、ランチは給食だそう

 

 

食堂の中はこんな感じ。ここでランチを食べます

 

作っている人と毎日話せるオープンキッチン、作ってくれる人へ感謝する心を養って欲しいです

 

 

希望者は中国語の講座を受けられるそうです

 

コロニアル調の古い建物の中。マレーシアは日本の夏よりも過ごしやすい気がします。湿度はそれほど感じません

 

 

幼稚園を決定! いよいよ面接! でも面接にもお金がかかる

 イートンハウスのことをとても気に入ったので、後日面接を受けることに決まりました。でも驚いたのは面接を受けるにも、結構なお金がかかるということ。何と2,000リンギット、その日のレートだと52,000円と、そこそこのお値段でした。

 後日娘と一緒に学校へ向かい、面接を受けました。約15分くらいの面接でした。

 子どもには、名前は? 年齢は? など、いくつかの簡単な英語の質問をしていました。親には、子どもの趣味は? アレルギーはあるか? ひとりでトイレに行けるか? もうオムツはしていないか? こっちに来てからママとお別れの時に泣いたりしないか? などの質問がありました。

 子どもも親も英語が全然話せないとなると、厳しいかもしれません。

 アリススミスインターナショナルスクールが良いな〜と思ったのですが、そこは子どもも親にも英語力が必要、人気のためなかなか入れず、空くのを待っている状態だと言う話を聞きました。

 でもプレイルームで知り合ったイギリス人の4歳の男の子はうちと同じ2週間前にイギリスからKLに引っ越しして来て、アリススミスインターナショナルスクールに即入ることができたと話していました。当然英語力があるという理由からかも知れませんが、やっぱり白人は優先される世界がここにもあるんだろうな〜、と感じました。調べていくうちに入学金も高いし、通っている人ふたりくらいから話を聞いて、入るのは無理そうだと判断して断念しました。

 

 

面接をパスして制服を試着。ようやくほっとひと安心

 無事、イートンハウスに入ることができたので、制服をもらっていざフィッティング!!!

 全部で2パターンの制服があります。ひとつは、Old British Styleのチェック柄に大きなツバのハットがついたタイプ。もうひとつは、白いポロシャツにバグパイプを吹きそうな、チェックの巻きスカート(縫い付けてあります)。この4点は、入学金に含まれていてもらえるのですが、洗濯などを考えて、追加でワンピースをひとつ購入し、117リンギットでした。約3,000円くらいですね。

 学校の土管の前で制服を身にまとい遊んでいる娘を撮影してみました。カラフルな校内で遊ぶ姿はまるで絵本の中のようでした。不安いっぱいの中、徐々にいろいろ決まっていくことで、張りつめていた気持ちと、ちょっとほっとした気持ちとが複雑に混ざり合い、ふと涙が出てきました。

こちらがワンピースの制服

 

ポロシャツとスカートのセット 

 

校内の土管の前で一枚!

 

 

カラフルな遊具と制服が似合ってます

 

 

校庭で元気いっぱいに遊ぶ娘を見ていたらふと涙がこぼれました

 

自然いっぱいの校庭

 

 学校の持ち物の中に「虫除けスプレー」が書いてありました。この自然いっぱいの中で毎日遊ぶのだから必要ですね! 鞄はなんでもOK。みんなディズニーキャラクターやカラフルなリュックサックを持って来てました。

 ようやくどんな毎日が待っているんだろうとワクワクしてきました!

 娘も学校の雰囲気がとても気に入った様子で、何より先生達はみんな笑顔、これぞ教育現場の真の姿でしょ!! と何を見ても何を聞いても腑に落ちることばかりでした!

 世界の中心は未来人である子ども達なのです!!

 

 

 学校が決まったので、頑張った自分にご褒美。5つ星ホテルのザマジェスティックホテルクアラルンプールのラウンジに、アフタヌーンティ行ってきました。

 このサービスと雰囲気で58リンギットは安い!! スイーツと軽食と美味しいお茶、お腹いっぱい、ピアノの生演奏もありました〜!

 

 

 

自宅が決まり、この道が通学路に。家からインターナショナルスクールまでは1Kmほど

 

地図で見てもそんなに遠くないのが分かります

 

 

次回は、家選びについて詳しくご紹介したいと思います!

 

 

 

プロフィール●須藤夕子(すどうゆうこ)

広告代理店など三年間のOL生活を経てカメラマンへ転身。ポートレート撮影を得意としてリチャードギア、渡辺謙など撮影した著名人は1,000人以上。雑誌、広告などフリーランスフォトグラファーとして活躍。また「笑顔泥棒」と称しパリ、NY、マイアミ、沖縄など世界中の子ども達の笑顔を撮影し個展や写真集などで発表している。産経Expressで土曜隔週「笑顔泥棒 ガールズフォト講座」好評連載中。
写真教室は毎月一回不定期で行っています。Facebook「笑顔泥棒写真倶楽部」からお申し込み下さい。

 

 

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