留学するならこんな国
ニュージーランド
治安が良い、教育水準が高い、
他文化フレンドリーなNZ留学
ニュージーランドと言えば、みなさんは何を思い浮かべますか?
ラグビー?ヒツジ?キウイ(鳥)?などなど、何人かに実際聞いてみましたが、大体の方はこの3つのキーワードで止まります。ちなみに、もともとニュージーランドにヒツジはいませんでした。地殻変動の過程でニュージーランドは一度、海に沈んでいるため、陸地にいた動物たちは絶滅したという説が有力です。なので海を渡れる鳥類たちだけが島にたどり着き、定住したといわれています。鳥にとっての天敵が比較的少ないため、キウイのような羽根の無い、飛ぶ必要のない鳥が進化(というより退化?)したんだとか。今でもニュージーランドには鳥の卵を狙う蛇がいないそうです。人口の7倍はいるというニュージーランドのヒツジたちは後から人の手によってニュージーランドに連れられて来たと言われています。
そんなニュージーランドの面積は、日本の本州と北海道を合わせた広さとほぼ同じ、人口は約450万人と日本に比べるとかなり少ないですが、2015年の世界平和度指数(イギリスのエコノミスト紙による調査)で、4位にランクインした国でもあります。近年、その独特の教育方針が世界的に話題を集めており、さらに治安も良く教育水準も高いため、留学先としてもアメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリアに並び人気が高く、日本からも多くの学生がニュージーランドの学校に通っています。
今回ニュージーランドに訪問する機会を頂いたので、その経験をもとに、知っているようで知らないニュージーランドの文化や、教育の特色、留学の種類について、ご紹介します。
マオリとイギリス文化の共存
マオリとは初めて島を開拓したポリネシア人を先祖とする人々のことを指します。イギリス人による開拓当初、双方は争いもしましたが、1860年代以降から、政府はマオリの言葉や文化と共存し、すべての人が平等に暮らせるような多民族国家を目指すべく行政改革を進めてきました。現在、ニュージーランドの国会には7席のマオリ専用議席が用意され、マオリ語は公用語となり、学校の必修科目として履修されています。
この「文化の共存」は対マオリに限ることなく、教育方針の中に色濃く反映されています。このため、ニュージーランドのヨーロッパ系の人々もマオリ系の人々も、他の民族、文化に対して理解があり、とてもフレンドリーです。他の国に見られるような人種差別もほとんどありません。ニュージーランド訪問中、他の国でよく感じる、あの独特の疎外感もまったく感じません。
ニュージーランドの教育
生徒個人を尊重する教育方針
学校担当者や生徒たちへのインタビューを通して感じたのは、とにかく個人の自由度が高いこと。学生自身の興味や、やりたいことを発掘し、それを学校側はサポートしています。カリキュラムを例に取ってみても生徒の選択の幅が広く、いろいろなことを試しながら、自分のやりたいことを発見できるように作られています。特に高校では、必修科目が少なく、選択科目がかなり多い教育カリキュラムとなっています。選択科目自体も、より実践的な科目が多いのも特徴です。(下表参照)
各科目はNCEA(National Certificates of Educational Achievement)と呼ばれる全国統一資格でレベルが定められており、Year11(高校1年生)の段階から生徒の能力や関心に合わせて履修することができます。
学年 | 必修科目 | 選択科目 |
---|---|---|
Year 1 - 10 (小・中学生) | 美術、英語、保健体育、語学、数学、科学、テクノロジー | |
Year 11 (高校1年生) | 英語、数学、サイエンス |
経済学、経営学、心理学、観光学、コンピューター、科学、物理、化学、生物、数学(代数)、数学(微分積分)、数学(統計)、健康人間学、保険体育、栄養学、ダンス、演劇、デザイン、デッサン、英語、日本語、中国語、フランス語、スペイン語、会計、歴史、など |
Year 12 (高校2年生) | なし | |
Year 13 (高校3年生) | なし |
10/9(日) 東京
ニュージーランド
もっと詳しい話を
モチベーションを上げる評価方式
学力の評価方式は日本のような偏差値による相対評価とは異なり、絶対評価を採用しています。先生は単純に高い点数を褒めるのではなく、個々の学習努力だったり、学習に対する姿勢を褒め称えます。日本のような受動的な授業ではなく、いかに生徒が能動的に考え、学習しているかが重要視されています。
何人かの留学生に会いましたが、皆のびのび学習に取り組んでいる印象を受けます。学習に対して「やらなきゃいけないからやる」ではなく「やりたいからやる」という姿勢を強く感じました。
留学生も安心の教育機関
ニュージーランドのすべての教育機関はニュージーランド資格庁(NZQA:(New Zealand Qualifications Authority)をはじめとする政府機関により定期的に監査を受けているため、国内のどの学校に行っても同じように高い水準の教育を受けることができます。また留学生を受け入れる教育機関は政府が設けた留学生の生活保障に関する服務規程をクリアしなければなりません。留学生に対する手厚いサポートを確保できるよう政府として取り組んでいるため安心して留学生活を送ることができます。
ニュージーランドの留学
正規留学(小・中・高・大学)
ニュージーランドへ留学する際にまず知っておかなければならないのは、教育カリキュラムの違いについてです。ニュージーランドのカリキュラムは非常に合理的ですが、少し複雑です。日本における小中高校の教育カリキュラムを通し年数でYear1~13で表現しています。基本的にはPrimary Schoolが8年間、Secondary Schoolが5年間です。但し、地域によっては、Primary Schoolが6年間、Intermediate Schoolが2年間、Secondary Schoolが5年間となっています。 日本の高校のレベルはYear11~13に相当します。
ニュージーランドの学校年度は基本的に1月~12月と日本とは違います。ほとんどの学校が2月に始業式を行います。
高校留学におススメの学校
ACG PARNELL COLLEGE
オークランドのパーネル地区という閑静な住宅街にあるACGパーネル校。
NELSON COLLEGE
ニュージーランド南島のネルソンにある、伝統ある公立の名門高校。
WAIMEA COLLEGE
ネルソンから車で20分、リッチモンドという小さな町にあるワイメアカレッジ。
AUCKLAND INTERNATIONAL COLLEGE
ハーバード、オクスフォードなどに入学する生徒を多数輩出する私立の進学校。
中学留学におススメの学校
WAIMEA INTERMEDIATE
リッチモンドという小さな町にあるワイメアインターメディエイト。
ACG PARNEL PRIMARY
オークランドのパーネル地区という閑静な住宅街にあるACGパーネル校。
大学留学におススメの学校
MASSEY UNIVERSITY
北島パーマストンノースが拠点、学生数はニュージーランド最大。
専門留学
近年、専門学校に留学し、英語+専門スキルを学ぶ、+α留学も話題を集めています。
ニュージーランドの専門学校は、国立と私立の2種類があります。
国立の専門教育機関は工科大学・ポリテクニックと呼ばれています。総合大学との明確な線引きがなく、初級コースから学位取得のための上級コース(博士号)まで、職業訓練と学術の両方のプログラムを提供しています。産業界と密接な連携をとっているため、受講中のインターンシップや企業研修が可能です。
私立の専門学校は、特定の専門分野でコースが開講され、入学の時期や期間の設定がフレキシブルなのも特徴として挙げられます。私立の専門学校も学術的評価が高く、初級コースから修士号まで資格を提供しています。履修するコースによっては、終了後にニュージーランドで1年間就労できるビザが取得できるものもあり、ニュージーランドで働きたいという方にもおススメです。
履修できるコースも豊富で、「ビジネス」「デザイン」「IT」「看護」「農業」「料理」「工学」「ホスピタリティ」「観光業」「フライトアテンダントコース」など、学校により色々なコースが用意されています。多くの学校は英語の基礎コースが併設されていて、留学生へのサポートもしっかりしています。
専門留学におススメの学校
NEW ZEALAND SCHOOL OF TOURISM
オークランド空港近くにある観光業向けの専門学校、フライトアテンダントコースが人気。
NELSON MARLBOROUGH INSTITUTE OF TECHNOLOGY
ニュージーランド南島ネルソンにある国立の工科大学。様々な専門コースが用意されています。
語学留学
ニュージーランド留学で最も人気があるのが語学留学。語学学校もニュージーランドでは専門学校に位置づけされ、他の教育機関学校同様、政府機関の認定や監査を定期的に受けています。そのため、教育水準には定評があります。留学生の受け入れに関しても、政府の設ける留学生の生活保障に関する服務規程に遵守する必要があるため、しっかりとしたサポートを受けることができます。
語学留学におススメの学校
KAPLAN INTERNATIONAL COLLEGE
ニュージーランド最大都市、オークランドのパーネル地区という閑静な住宅街にある語学学校
NELSON MARLBOROUGH INSTITUTE OF TECHNOLOGY
ニュージーランド南島ネルソンにある国立の工科大学。語学だけの留学もできます。
最後に
ニュージーランド留学の良いところを3つ挙げるとするなら、「治安の良さ」、「教育の質」、「他文化フレンドリー」なところでしょう。
日本では、自分が将来何をやりたいのか、自分が何が得意なのか分からないまま、取りあえず大学に行っておこうという学生が少なくありません。その点、ニュージーランドでは学生自身がやりたいこと、情熱を持てることを発見できる良いフレームワークがそろっていて、それがうまく機能しているように感じました。
勉強しなきゃいけない、大学に行かなきゃいけないとか、しなくてはならないことに追い込まれて、自分が何をしたいのか良く分からなくなってしまった時には、是非、ニュージーランド留学をおススメします。ナチュラルに自分の本来やりたいことをしっかりと見つめなおすことができると思います。
留学と言う選択肢は決して安いものではありませんが、ニュージーランドなら、きっと金額以上のプレミアムな体験ができることでしょう。
協力 ニュージーランド大使館
10/9(日) 東京
ニュージーランド
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