言葉は生きている!
名詞から動詞になったワードたち
「google」は「ググる」!?
構成・文/山川俊行(編集部)
オックスフォード英語辞典が選ぶ、『オックスフォード・ワード・オブ・ザ・イヤー』に、「selfie(自分撮り)」が選ばれました。この賞は、その年の注目ワードが表彰されるシステムで、必ずしも新語が選ばれるとは限らないという。その例でいうと、去年の大賞「GIF」もそのひとつ。従来の名詞的用法ではなく、「GIFファイルを作成する」という動詞としての使われ方の増加が受賞理由なのだとか(つまり、日本でいう「LINEする」と同じこと!)。この他にも英語には、企業や商品、サービス名が一般化して動詞としても使われるようになるケースが多いのだそう。そこで今回は、本来名詞として使われるワードで動詞になったものをピックアップ。例文とともにご紹介します!
◎google
e.g.)
A. I’m not sure what this word means.「俺、この言葉知らないや」
B. Google it.「ググれよ」
みなさんご存知、検索エンジン大手の『Google』。日本でも、検索をかけることを「ググる」と言いますよね。2006年には、アメリカで最も親しまれている英語辞典『ウェブスター辞典』に、「google=検索エンジンを使って情報を入手する」という新語として加えられたことで脱スラング化に成功したよう。
◎skype
e.g.)
I skyped my girlfriend last night.「昨日、彼女とスカイプしたぜ」
「(Skypeを使って)ビデオ・音声通話(ネットIP電話)をする」という意味で使われる「skype」。英語圏の日常語として徐々に市民権を得つつあるよう。
e.g.)
I facebooked some photos this morning so please look at them.「今朝、写真をフェイスブックした(=載せた)から、見てみてよ」
「(Facebookで)人とコミュニケーションをとる」、「(Facebookに)写真、近況などを投稿する」という意味。『Facebook』上の作業は、全て「facebook」という動詞でまとめられちゃいます。
◎flickr
e.g.)
Do you flickr?「フリッカーやってる?」
『Flickr』は、デジカメやスマホなどで撮った写真をネット上に保存、整理、分類、展示したり、世界中の人とシェアできるコミュニティサイト。「ネット上に写真をアップする」という意味の「flickr」ですが、上の3つに比べると認知度と日常で使われる頻度はやや低め。目下、Flickr社による知名度アップに向けた猛烈なPRが行われているよう。
◎bing
e.g.)
You should bing it.「ビングってみたら」
Microsoft社が提供する検索エンジンの『Bing』。既に紹介した「google」と意味は同じですが、こちらの知名度は圧倒的に低いです。同社のCEOであるスティーブ・バルマー氏は、『Google』に対抗心を燃やしてか、「bing it!」という言葉を流行らせようと躍起。これに対して、アメリカのある言語学者は、もし「bing」の過去形が「bang」、過去分詞が「bung」になるとしたら、それぞれ「ドスン(という大きな音)」、「賄賂、破産」といった意味になることから、「何とも間が抜けている」と酷評しているとか。
いかがだったでしょうか? これらは、英語のテキストだけを勉強していては知り得ない“生きた”英単語。でも、知っておけば外国人ともスムーズな会話ができるようになるはず。あなたも早速、言葉の変化を“ググって”みる?
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