ロンドン留学&スイスインターンシップ
過去3名の奨学生達が得たものとは…?
Franck Muller × Cheer up! English Presents Study Abroad
高級機械式腕時計ブランド「フランク ミュラー」の日本輸入総代理店であるワールド通商株式会社とCheer up! Englishが行う留学プログラムは、2015年に始まり、過去に3名の奨学生をイギリス・スイスに送り出しました。
今回は、それぞれ違う時期に留学した奨学生達が一同に会し、座談会を開催。ワールド通商株式会社代表取締役である河合氏にも参加頂き、経験を振り返りました。彼女達は留学プログラムに参加して一体何を得たのか? その神髄に迫っていきます。
<座談会に参加した奨学生達>
2015年 春の留学プログラム参加
等麻理子さん
2015年 夏の留学プログラム参加
青島莉奈さん
2016年春の留学プログラム参加
山田のど夏さん
――皆さんが留学プログラムに応募したきっかけは何ですか?
等 参加当時、私は大学4年生で、将来は芸術文化に関わる仕事をしたいとぼんやり考えていました。在学中にニューヨーク大学でアートマネジメントを勉強する機会があり、芸術文化とビジネスを融合させる考えに影響を受けて、いろいろ調べていたんです。そこで偶然、この留学プログラムを見つけて。「これだ!」と思って、迷わず応募しました。
青島 私がプログラムに応募をした動機は3つあります。ひとつ目は、当時大学3年生ということもあり、就活を意識して「海外」をキーワードにインターンシップを探していたこと。ふたつ目は、フランク ミュラーが生み出す時計の裏にあるブランドのメッセージ性に興味を持ったこと。そして、3つ目は、インターンシップ先であるスイス、留学先であるロンドンが多文化共生の国であるということです。様々な言語を喋る人々がいる両国に、実際赴く事によって、多文化共生の神髄をこの目で見てみたいという気持ちがありました。
山田 私は、以前からフランク ミュラーの時計に関心がありました。時計のデジタル化が進んでいる中で、フランク ミュラーの時計は、ただ時を刻むという機能だけではなく、その文字盤やフォルムに芸術性があり、長針と短針の刻む時間は自分にとっての時間を感じられます。そのような時計の制作行程の裏側を見てみたいと思いました。また、私は大学で現代マーケティングを学んでいるので、短期間でどのようにしてブランドを成功させたか、そのマーケティング手法にも非常に興味がありました。
河合 山田さんは元々ブランドを知っていたとのことですが、おふたりもこのプログラムに参加する以前から、フランク ミュラーの時計は知っていましたか?
等&青島 はい! 知っていました。
河合 嬉しいですね。皆さんがフランク ミュラーに対してどのようなイメージを持っていたのか、非常に興味があります。
青島 私は、テレビや雑誌で見たことがあるというレベルですが、フランク ミュラーというブランド名と、文字盤の数字のデザインがとても印象に残っていました。
山田 私は、フランク ミュラーの時計が好きで、ネットやカタログで眺めていました。自分にとって今は手が届かないけれど、一度実際に自分の目で見て触れてみたいと思うような、憧れの時計というイメージでした。
河合 このプログラムに参加して、イメージは変わりましたか?
青島 はい。最初は、フランク ミュラーはすごく高価だと思っていたのですが、これだけの人がこれだけの想いを持って、時間をかけて形にしているということに気づいた時に、この時計にはそれだけの価値があるなと思いました。
山田 実際に工房を見学すると、ひとつの時計には職人の方々の知恵や技術、想いが詰まっていることが伝わってきました。ひとつひとつの過程に職人さんが時間をかけて手作業で作られるフランク ミュラーの時計には値段以上の価値があると感じました。
河合 フランク ミュラーの時計が高いといえば高いかもしれないし、一生懸命職人が削って、時間をかけて色々な想いを込めて作っているのを見て、この値段だったら安いと思えるかもしれない。このプログラムを代表して現場の空気を感じてきた皆さんが、いつかこの時計が欲しいと思ってくれていたら、とても嬉しいです。
等 私は、欲しいどころか、感動し過ぎて時計職人になりたいとまで思いました(笑)。
青島 今の自分にはまだ早いかなと思いますが、いつかフランク ミュラーの時計を付けられる人間になりたいです。
河合 そうですね。いつかは買える自分に育っていくことが大切です。「私には無理」と諦めた瞬間にそこに到達することはなくなってしまいますが、歩み続ければ必ず到達します。フランクミュラーという時計が、若者にとってそのような憧れの存在となることが、我々にとっても大きな課題です。
――では、プログラムに参加して、1番印象に残っていることは何ですか?
青島 私は、伝説の時計師のゴレイさんにお会いしたことが強く印象に残っています。時計のスケッチを見せていただいたのですが、どういう思いで、どこが難しくて、どこにこだわりをもって、何が楽しくてこの時計を設計したんだよと説明をしてくれて。こうやって想いを持ってひとつの物をつくっているんだなという事と、難しいことを形にしてしまうプロフェッショナル意識の高さを感じました。
等 私が1番印象に残っているのは、フランク ミュラーの美しい工房です。ウォッチランドは大自然とゴシック調の建物で統一 されていて、昔のものを大切にしながら新しいものを取り入れていくという姿勢が伝わってきました。
河合 スイスには様々な時計ブランドがありますが、その中でもフランク ミュラーの工房は、とても良い環境にあります。「ここで作られている時計」というのも、フランク ミュラーを好きになってもらう要素のひとつだと思います。
――プログラムを終えて、ご自身の中で変化はありましたか?
山田 私は、将来について考えるきっかけを持てました。それぞれの場所で出会う人達が、みんな、夢や目標を持って行動をしていたことがとても印象的でした。現状に満足するのではなく、常に前を見て、自分の叶えたい夢に向かって進む姿勢は私にとって大きな刺激でした。自分が人生をかけて何をやりたいか、目先の損得で人や仕事と関わるのではなく、自分が人生をかけてこの事を成し遂げたいという明確な目標を定めて、それに向かって多くの人々とコミュニケーションをとりながら進んでいきたいです。
青島 ウォッチランドで働く方々を見て、良い商品を世に出す主体は人だと実感しました。工房もそうですが、良い環境で仕事をするからこそ良い仕事ができて、良い仕事が世の中に良い物を生み出す。それもあって、プログラム終了後の就職活動では、人材業界に興味が湧きました。
等 私にとっても進路を決める上で、大きなきっかけのひとつになりました。以前は大学院で勉強をしようと思っていたのですが、プログラムに参加したことで、社会に出て働きたいと思い始めました。 それは、働き方はひとつじゃないと気づいたことや、芸術文化とビジネスの可能性を感じたからです。また、プログラムをサポートしてくださった方々の仕事の幅の広さに驚いたこともあります。今まで知ることのなかったフランク ミュラーのブランドストーリーやそれを世界的に流通させているマーケティングの強さなど全てが刺激になりました。もし海外で仕事をしたい人や、 芸術文化に興味がある人がいれば、このプログラムは必ず素晴らしい経験になると確信しています。
河合 今の時代、インターネットで情報はいくらでも手に入りますが、現地に行ってその土地を歩いてくるという経験は、両親がそういう経験を与えてくれない限りなかなか難しいですよね。そういった経験ができない人たちに、ひとりでも多く海外に出て、自分の目で見てきてもらって、その経験を友人達に向けて共有してもらいたいと思っています。僕自身も学生時代にヨーロッパに住んでいた経験があってこその今があると思っているので、ひとりでも多くの人にこのプログラムを通じて、経験して欲しいですね。
撮影/高嶋佳代
取材・文/編集部