【海外NEWS7】安心した、困る、しつ
けなど、小2男児行方不明の英語表現

日常会話でも使える会話表現

北海道七飯町の山林で北海道で「しつけのため」として両親に車から降ろされた後に行方不明となっていた男児が無事に保護されました。発見されるまでの間、警察・消防隊・役場職員・教員・地元のハンターなど、大勢が参加し、半径15キロの範囲で懸命の捜索もむなしく、悲観的な見方も出始めていた中、自衛隊の演習場で見つかりました。小学校2年生の男の子が6日もの間、山林でどのように過ごしていたのか、また「しつけ」のあり方が海外にも衝撃を与え、日本国内でも議論を呼ぶ結果となりました。男の子が奇跡的に生還し、無事であったことが何よりだったというこのニュース。海外メディアからの記事を引用しながら英語を学んでみましょう。

そもそも「行方不明」ってどう言うの?

 子どもが行方不明になってしまうこと自体、あってはならないですが、「行方不明」は英語でどう表現されているのでしょうか?

 

A Japanese boy was missing.

日本の男の子が行方不明になった

missingは「本来あるべきものがなくなった」や「紛失した」、また今回の「男の子が行方不明」になっていたことなど、人やモノにも使える形容詞です。

 

 実際の会話でもよく使われるので、使い方を見てみましょう。

Oh no, I have been trying to find my missing mobile phone, but I can' find it!

あーもう、失くした携帯ずっと探してるんだけど、見つからないよ〜!

Hey, do you know where the missing piece of this puzzle, otherwise I can't complete this without it.

ねえ、このパズルの欠けてるピースがないと完成しないんだけど、どこにあるか知ってる?

 

 

「しつけ」や「置き去り」はどう日常会話に応用できる?

 今回の事件で一番注目されたのが、この「しつけ」のあり方だったのではないでしょうか? それぞれの家庭のやり方や子どもの性格などもあるので、賛否両論があったかと思います。

 

出典:BBC

 

 実際のニュースでは、次のように表現されています。

A boy missing in remote woods in Japan since Saturday after being left alone by his parents as punishment has been found alive and well.

しつけとして彼の両親に置き去りにされた後、土曜日から山林で行方不明になっていた男の子が無時発見されました

 

▶「人里離れた山林」の英語表現

 本題の前に面白い表現がありますが、remote woodsとは何でしょうか? woodsは木がたくさんあることを意味するので「山林」ですが、気になるのがremoteです。リモコンを想像すると、離れた位置から何かをcontrol「制御する」しますね。つまり離れていることや、遠隔を表すのでこの場合、「人里離れた山林」というニュアンスが込められています。

 

 

▶今回のサブキーワード「置き去り」何て言う?

 being left aloneが「置き去り」と表現されていますが、be動詞+leave過去形+状態という文法構成になっています。

 映画の「ホームアローン」がありますよね。会話にすると次のようになります。

I'm very sad because I'm left at home alone...

ひとりで置いてかれてすごく寂しいな……

aloneは主に人の「孤独で」「ひとりで」などの状態を表すので、being left aloneは人が対象です。

 

 なお、aloneを例えばoutsideに変更すると状況によりモノにも応用でき、次のように言うこともできます。

It's so stinky because those eggs have been left outside since two months ago!

その卵、2ヵ月も外に置きっ放しだったからすごく臭いね!

 

 

▶子どもの「しつけ」何て言う?

 またこの記事や動画のニュース内でのコメントを聞いても、「しつけ」をpunishmentと表現していますが、この単語は「罰」という少し「しつけ」よりも強いニュアンスがあります。

実際の会話例では次のように言います。

Get out! It's a punishment! I told you many times not to do this!

外に出てなさい! これは罰よ! 何回もやっちゃいけないって言ったでしょ!

 

 

 

男の子が無事発見され、父親の会見はこんな英語表現に

 一時は虐待や育児放棄なども疑われていましたが、男の子が無事に発見された直後に行われた父親の記者会見で、捜索にあたった多くの方への感謝と謝罪、そして大和君への謝罪とこれからの決意を表明されています。

出典:The Japan News

 

こちらのニュースでは、以下のように表現されています。

I made Yamato suffer due to my excessive behavior.

I caused all the trouble to people at school and those who searched for him.

I deeply apologize.

私の行き過ぎた行動で、大和に辛い思いをさせてしまいました

捜索にあたった方々と学校関係の方にご迷惑をお掛けしました

深くお詫び致します 

 

▶「辛い」「困る」は日常会話でも使える

 made Yamato(someone) sufferは「大和君に辛い思いをさせる」という意味ですが、suffer from「~で困る」という日常会話でも頻繁に使われます。

 実際の会話例では次のように言います。

I am suffering from hay fever this year...

今年は花粉症で困ってるんだよ・・・(辛いよ)

 

 

▶「迷惑をかけた」はこの英訳に

 cause troubleは直訳だと「問題を起こす」という意味ですが、cause all the trouble to peopleと大和君を「探した全ての人に問題を起こした」、すなわち大和君の父親は前後のニュアンスから「大和君を探してくれた人たちに迷惑を掛けた」という意味でも使えます。

excessive behaviorは「行き過ぎた行動」という表現です。exceed「超える」という形容詞です。

 そしてI deeply apologize.は単なるお詫びではなく「深くお詫びする」という意味になり、deeply「深く」という副詞を付けることで、謝罪の気持ちの程度がより重くなります。

 

 

I’m so relieved that my son survived.

I’m filled with a feeling of gratitude to those who were involved in the search for him,” Tanooka said in a choked voice as he bowed deeply.

「私は息子が生きていたので、非常に安心しました

捜索にあたった方には感謝の気持ちでいっぱいです」と声を詰まらせ、深くお辞儀した 

 

▶「とても安心した」は日常会話でも使える表現

 1行目のI’m so relieved.に注目です。日常生活で、不安が解消される時に「あ~良かった安心した」と言う場合には、I’m so relieved!「とっても安心した!」と、この表現が使えます。

 

 

▶「感謝の気持ちでいっぱいです」はこんな応用も

 また感情表現で「~の気持ちでいっぱい」と言いたい時に使える表現があります。ここでI’m filled with「満たされる」+feeling of gratitude「感謝の気持ち」「感謝の気持ちでいっぱい」という表現になっています。

他にもgratitude「感謝」をcuriosity「好奇心」に変えるだけで、I’m filled with a feeling of curiosity.「好奇心でいっぱいです」と簡単に応用することもできちゃいます。

 さらにchoked voice「声を詰まらせ」と、choke「絞める」を使った表現が使われていますが、泣くのを我慢している時などの状況説明に使えます。

 最後にまたbowed deeplyと単にbowed「お辞儀した」ではなく、bowed deeplyと「深くお辞儀した」という表現が使われており、申し訳ない気持ちでいっぱいであることが伝わってきますね。

 

 

海外メディアが報じた日本国内の反応

 このニュースでは有名な教育評論家の育児批判があり、そのことも言及しながら、客観的に日本国内の反応も書かれているので紹介します。

出典:The Indian Express

 

While many social critics, television personalities and others have condemned the parents, some were quick to sympathise over frustration related to child-rearing and discussed their own experiences of tough parental love.

世間・テレビパーソナリティ・その他が両親を批判する一方、育児ストレスを抱えている人や難しい親心を察した人からは同情する声もありました

 

 このように、child-rearingは「育児」、そしてparental loveは「親心」と親と子の関係性を改めて見直すきっかけになったニュースでもありました。

 日本中が心配した今回の行方不明事件、とにかく無事に発見されて本当に良かったですね。

 

 

ライタープロフィールCinnamon Roll

高校で米国へ留学し、外語大で英語を専攻。卒業後に日本のメーカーで海外営業を担当し、その後外資系メーカーでキャリアを積み、現在は語学研修コンサルタントとして活動。これまでの経験を生かし、日常英語に加え、グローバルビジネスでも通用する英語も少しずつ紹介していきます。

 

 

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