ゆき姐こと兵藤ゆきさんを直撃(前編)
「英語学習のキモは、文法と英語環境」

Cheer up! Interview
〜英語を学んだ先輩からのメッセージ〜Vol.07

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撮影/高嶋佳代 取材・文/甲斐真理愛(編集部)

 

旦那様のアメリカ留学をきっかけに生後7ヵ月の長男と渡米。以降、11年間NYで子育てに奮闘した経験をもつ兵藤ゆきさん。現在はNYで得た高い英語力を活かし、英語学習や子育てをテーマにした講習活動や『コミックエッセイ これで英語がちょっとできるようになりました。』(アスコム刊)などの著書を執筆するなど、幅広く活躍されています。
そんな兵藤さんですが、もともとは英語が大嫌い&全く話せない状態だったとか。その状態から英語を学ぼうと思ったきっかけや英語の学習法、また、NYでの子育てについてお伺いしたことを前後編に渡ってお届けします。前半は、英語学習についてご紹介!

 

ーーもともとは英語嫌いだったという兵藤さん。なぜ英語に苦手意識をもっていたのでしょうか?

 

私はずっと「英語は自分にとって必要のないもの」だと思っていました。学校で習っても、物理の法則がチンプンカンプンなのと一緒で、全く意味が理解できなくて吐き気がするくらい苦手でしたね(笑)。

大人になってからは海外旅行などで英語を使う機会もありましたが、少しの英語と身振り手振りだけでなんとなく過ごせていました。だからますます「英語なんて勉強する必要ないじゃん!」と思って。

 

ーー英語が苦手なのにNYに移住して、苦労はありませんでしたか?

 

あまり苦労した記憶はないです。NYで暮らしはじめて最初の2~3年はめちゃくちゃな英語で何とか過ごせていました。例えば、買い物も「Can I~」「Could you~」+単語だけで大体通していましたから(笑)。
そんな状態でも、優しい人だとこちらが英語で1伝えると10察して応えてくれるし、生活に必要な細々した手続きなんかは、英語が堪能な夫がしてくれるし。
私は何も不自由することなく息子が4歳になるくらいまで、「英語ができなくたって平気じゃん!」なんて気楽に構えていたんですよ。

 

ーーそんな状態から英語を勉強しようと思ったきっかけは?

 

私の場合は徐々に英語を勉強する必要性を感じていったのですが、きっかけがあるとすれば「英語を理解しないと家族とコミュニケーションできなくなる」と思ったことです。夫と息子も英語がペラペラでしたし、友人や知人はみんなネイティブ。そんな環境で暮らす中で、英語じゃないとついていけないシーンが増えてきて。
プリ・キンダーガーデン(幼稚園)に通う息子とアメリカ人の友達が何を話しているのか全く分からなかった時は「母としてこれはマズイ! このままじゃ英語ができる息子と私の間に溝があくぞ……」と焦りましたね。
そこから英語を勉強しようと、改めて中学校で習うような文法の教科書を読んだら、「あ~、これはちゃんとしている。英語学習の大事なポイントがつまっているわ」と感じました。学生の頃は役に立たないと思っていたのに(笑)。

人間には“クリティカルエイジ”といって8歳~13歳頃までなら理屈抜きで言語を覚えられる学習能力があるんですけど、それを過ぎると理屈を理解しないと覚えられないんですね。なので、クリティカルエイジを過ぎたらまずは文法を理解して、そこから英語のフレーズを頭の中にストックしていく。そんな勉強法が効果的です。


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