E質問箱【39】新年の挨拶、A Happy New Year! は間違い?

ケンブリッジ大学認定英語教師

ケネス宮本が英語の疑問にお答え

外国人との会話中に、会社での商談の時に、ささいな英語の疑問がわくことってありますよね? そんなあなたの疑問に、ケンブリッジ大学認定英語教師のケネス宮本がお答えします。日頃ふと浮かんだ疑問、ぜひ気軽にメールで質問をお送り下さい。

Helloooooooooooooooooooooooooooo!!


How is it going, people?
皆さん、物事は順調ですか?^^


いやあ、Time flies.「時間がたつのは早い」。
またまた、もうこんなことを話す時期か、と思わせてくれるご質問にお答えしまーす。

 

★質問はこちら!^^

「あけましておめでとう」に当たる英語はHappy New Yearであって、A happy New Yearと頭にaをつけてはいけないと教わりました。
ただ、その理由を忘れてしまいました。どうか教えてください。

 

 

文法に則った作文ならaが入る。定型表現なら省かれる

なるほどー。
この冠詞aってものは、日本語にはないだけにクセモノですよね。


意味としては、「ひとつの」など。
日本語では、それを強調したい時にしかつけないものです。
英語でも、まあそんなもんだと思って大丈夫です。

僕を例にしてみますと、僕はライターをしてます。

I am a writer.
② I am writer.

このふたつを見たら、文法のうえでは①が正しいとされてますし、英語に慣れれば慣れるほどaを入れるのが自然になります。
けれども、②を言ったところで、言いたいことはちゃんと伝わりますよね。


Iって言ってるんだから、自分1人のことを話してるんだな、って。
writerが複数形になってないことからも、やっぱり同じように理解してもらえます。
つまり、aというのは、言いたいことを伝える上では重要ではな~い単語だといえます。


おさらいしましょう。
文法的には、aが入るべきところがあるなら入るのが決まり事だし、自然。
でも重要じゃない。


ということは…。


Have a happy New Year!
よいお年を!

I hope you have a happy new year.
よい新年を過ごされますように
➡カタくない間柄でも使える


などは、文法に則ってる作文なのでaがあるべきだし、自然です。


その点コチラでは…。


Happy New Year!
明けましておめでとう!/よいお年を!


こうなると、挨拶の「定型表現」です。
「定まった型」であって、綴られた文じゃありません。
定型表現ってものは、時代・世代をへて言葉が使われていく中で、なくてもよいものが削ぎ落とされて出来上がります。
その過程で、ただでさえ重要ではないaが外されるのは、感覚的にごく自然かな、と思われます。^^

 

 

同じように定型化した表現

そして実は、より身近な、僕たちが日常で頻繁に使ってる挨拶の表現でも、同じことが言えるんですよー。
ちょっと例を見ていきましょう。


Good morning!


日本語の「おはようございまーす!」にあたる挨拶の定型表現。
もともとは、「いい朝ですね」とか、「いい朝を過ごされてますか」なんていうこと。


It’s a good morning!
Are you having a good morning?


などと文にしたら、aがつけられることになります。
Good afternoon!(午後の挨拶)、Good evening!(宵の挨拶)、Good night!(おやすみ!)でも同じこと。


Have a good day!「よい1日を!」という時にはaが入ります。
でも、Good day!「こんにちは!」には入りません。
ちなみに、Good day!は、オーストラリア人がよく使う挨拶言葉です。^^


こんな感じで、Happy New Year!の頭にはaがつかない、という理由にさせていただいてよろしいでしょうか?^^


「つけてはいけない」なんてことはない
いちおう、ひとつだけ。
ご質問では「aをつけてはいけないと教わりました」とのことですが、つけては「いけない」なんて法律みたいに考えることないですよー。


言葉ってものは、誰かに決められてできてるわけじゃありません。
「必然的にこうなる」、「こうなるのが自然」、「こういうのが一般的」、などなどの理由で形づくられてるものですからねー。^^
今回の例でも、「つけないのが通例」ってぐらいのものです。

 

 

年越し前にもHappy New Year!

この記事でも既にさりげなく触れてることですが、言及したいと思うことがあります。
Happy New Year! は、「明けましておめでとう!」としてだけでなく、「よいお年を!」の意味でも使われるんです。
Have a happy New Year!と同じ意味の表現として使える、ということ。


同じくMerry Christmas!も、クリスマス当日だけでなくHave a merry Chrismas!「よいクリスマスを!」として使えます。


それらふたつの祝日をまとめて、Happy Holidays!と言うのもアリ。
クリスマス前、もしくはクリスマスの日から、もう年明けまで会わない人におくる挨拶として使えますよー。


いかがでしょうかー?^^

 

 

 

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ライタープロフィールケネス宮本

アメリカ、イギリスなどで計7年の海外生活経験をもつ生粋の日本人。英語教師、翻訳・通訳、コラムニスト。雑学(科学全般・歴史・芸術など)が大好き。色んな言語をカタコトで話すのも大好き。取得資格:ケンブリッジ英語教師資格(CELTA)ほか語学系。

 

 

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